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第三話 - 再会

「随分とあっけないな」


 レイズは氷雲の端の方で戦況を眺めていた。傍らには半透明の青いディスプレイが多数展開され、部隊の状況を示している。

 呼んでもいないのに魔狼が参戦し、加えて呼んでもいないのになぜか天使たちまで参戦したために瞬く間にがらりと戦場の分布が変わってしまった。今や氷雲の上では散発的な遭遇戦が起こるのみ。遥か先にある敵性浮遊都市では激しい戦火が弾け、上空を旋回中の超大型空母・暁からは誘導弾が撃ち込まれてもはや敵に逃げ場はない。

 戦域であるこの凍った雲も徐々に落下していて上を見上げると灰色の雨雲を拝むことができる。ある程度まで落ちたら爆破系の魔法で砕いておかないと、そのまま落とした後に大規模な津波が起こる。


「はぁーあ、指揮官なのに何もしなくてもいいとか、楽だな」


 というかそもそも指揮官のくせしていつもいつも最前線に突っ込んでいく方がおかしいのだ。白き乙女の指揮系統はレイズの下に月姫小隊と十三の部隊、そして各部隊長と月姫の下に小隊長や分隊長といった感じで広がっている。

 だがそれは形だけ、実際は隊長クラスはそのまま主戦力であるため進んで戦場に立ち、あちこちに指示を出したり連携するのは本来下っ端である班長クラスが行っている。何のために階級を作って階層構造を作っているのか分からない無駄な枠組みだ。


「んで、結局俺ら仮想化戦闘部隊の出番は無しですか」


 白き乙女独特の戦闘服、薄い青地にヘックス状の迷彩柄という戦場では目立ちすぎるものを施された如月隊の者だ。白き乙女の中で真面目に戦闘服を着て出撃する者は半分以下だ、ほとんどは当たらなければ問題ないという常識外れな思いで、私服で自由に出撃している(ただし所属を示す桜の模様はつけている)。


「呼んでおきながら確かになかったな。悪いイチゴ」

「別にそれはいいんですが、寮長の機嫌がものすごく悪いんですよ。心当たりは」

「…………、」


 ある。

 確かにある。

 隣にいるのは如月隊所属、仮想化戦闘部隊の兵長だ。まだ兵長でありながら白き乙女の仮想戦闘員の指揮権を持っている。しかも如月隊隊長の如月鈴那ことクレスティアの雑用係り的なことをしている者でもある。


「あるんですね黙るってことは。寮長の機嫌が悪かったらまた無茶な命令だされるんですよ! だからあんたが」

「あーあーあー聞こえない聞かない、あれは事故だ事故」


 ブチッと何かが切れる音が聞こえた……気がした。


「ああそう。うちの最強戦力である狂犬を嗾けるぞ」

「……イチゴ君よ」

「……なんだレイズ様」

「俺、一応これでもトップなんだけど」

「だからなんだというのだね」


 こんな感じで二人が言い争いをして仕事をサボっていた頃。

 ネーベルもまた別の場所で戦況を眺めていた。砕いて削った氷に腰かけて、体の前一面に青いディスプレイを顕現させて全体の負傷者を確かめていく。これだけの戦いだというのに味方側にはまだ一人も死者がでていない。重傷者は氷漬けにされた者がかなりいるが、誰も死んでいないことが現実を離れた強さを証明しているのか。


「まったく……こうまでなると戦争というよりは現実味のない地獄だね」

『確かに。それで俺はどうすればいい?』


 一つSOUNDONLYと表示されたものから声が聞こえる。


「引き籠もり、やめるんだろう。だったらこっちに来て戦わないかい、君のもといた世界はもうないんだ。だから誰の目も気にすることはないよ」

『……なあ、もうみんなには会えないのか』

「そうだね。あくまで最構成リブートされるのは本筋の世界だけであり、いままでに作られて破棄されてきた世界はそのままだから」

『でも、死んだはずの俺がここにいるんだから』

「君が本筋の世界にいたから。それだけだよ、君の仲間たちは過去の破棄された世界で生まれ育ったんだ。いくらあいつの死んだ仲間を復活させるとかいう力の無駄遣いでもそこまでは……」

『…………、分かった。とりあえずそっちに行く』


 通信を切ったネーベルはふと後ろに気配を感じて振り向いた。そこには腰に刀を下げた知り合いが一人。


「おや? さっそく来たわけ? もしかしなくても敵ってことだよね」


 立ち上がって氷に突き刺していた杖を抜く。そして地獄が始まるのも同時だった。


 ---


「CP、コールサインイリーガルでこれより活動を開始する。以後そちらの戦闘指示に従う」


 イリーガルは撤退戦へと動き出したフリーダムを見送った後、戦闘指揮官コンバットプランナーに無線で言った。


『こちらCP。規定により私は傭兵には戦闘指揮をしてはならないことになっている。指示を乞うのなら本隊に繋げ』

「では勝手に暴れるとしようではないか」


 無線通話を切ると、空を見上げる。

 そろそろだ。

 イリーガルはレッグポーチの一つを外すと隣に立つ少女に。


「もしものときは戦えるように」

「無理だってぇ……ちょっ、やぁぁっ」


 それでも無理やりに太腿に手を回してつけさせる。女の子としていくら気を許せる男の子とは言えそういうところに触れられるのは、恥ずかしいようだ。


「スタンダードデッキだから突出した性能がない代わりにあらゆる状況に対応できる」

「いきなり言われても分からないって。私、少し前までは普通に暮らしてたんだよ」

「赤は火、青と黒は水、紫は風と氷、黄は土と雷、灰は空間干渉。使うときはカードの端を噛んだらいい」

「そんな一気に言われても」

「色のイメージがそのまま属性。これだけ覚えておけばいい」


 イリーガルは無数のポーチをつけている。ウエストポーチを四つ、ベルトに六つ、レッグポーチを三つ。その中には纏められたカード、デッキが納められている。しかもポケットの中にもある。

 別にカードゲームをするわけではない。これは魔法や魔術を紋様化したものを書きこんでプリンターで量産、さらにラミネート加工を施した使い捨ての補助具だ。単語帳のようにリングで止めたなら簡単な魔導書に見えなくもない。そしてこれには欠点が一つ、表面の紋様と裏面の中央にある色でどの系統の何の属性なのかが分かる。使う前に相手に属性か系統のどちらかがバレてしまうことがあるのだ。


「さて」


 一枚のカードをドローして指に挟み、顔の高さにあげると振り下ろす。するとたちまちカードが光り、その手の中に一本の槍が顕現する。二メートルもの木製の槍で、穂先には一文字だけ刻まれている。


「最適な場所に最適な一文字を。ルーンを使用した魔法や魔術は量よりたった一つの質が勝る」


 空いた手でもう一枚ドロー、今度は指に挟んだまま横に突き出す。若干の青を帯びた白い召喚光を伴ってそれが馬の形に変貌する。八本足の黒い軍馬、全身を覆う黒鉄の鎧と赤い瞳が不気味な雰囲気を漂わせる。


「乗れ」

「え、えっ?」

「早く」


 ぐずぐずしていると少女はイリーガルに押し上げられて無理やり乗馬させられた。

 イリーガルもさっと飛び乗ると馬の腹を蹴る。


「スレイプニル」


 嘶くこともせずに馬は走り出す。それも地面を蹴るのではなく空間を蹴るように、滑るように空に上がっていく。ほんの数十秒で雨雲の中へと突入し、先に投げたカードから展開された魔方陣が見えた。


「では、始めようか」


 人の形をしたその災害は、金色に輝く雷光となって落ちた。

 それは氷雲の端に立っていたレイズたちもしっかりと目で捉えていた。


「なぁっ…………!」


 全幅二キロメートル級、横に長大な翼に滑走路を備え、遥か遠くに浮かんでいた臙脂色のド級空母・暁改が一撃にして消し飛んだ。傍らに浮かぶディスプレイにはその一瞬で一気に赤色の死亡(KIA)という文字が溢れかえった。


「暁壱、弐! 戦闘出力を障壁にまわ」


 言い終わる前に空間が揺らいで見えるほどの多重障壁が幾重にも重ねて張り巡らされた。暁には白き乙女の戦術級と戦略級が乗り込んでいる。いくら単独で戦況を書き換えられる戦略級とはいえ、複数人の戦略級の障壁は貫けまい。

 思っていた。

 思っていたが斯くも残酷に、その思いは裏切られた。

 遠くからでもはっきりと分かるほどの魔方陣が三重に展開され、走り抜けた雷光はいとも容易く障壁を貫いて爆炎を散らした。またもディスプレイに赤色の文字が流れる。


「お……おい……なんだよあれ、なんなんだよあれはっ!」


 叫ぶ間にすべての空母が轟々と音を響かせながら遥か眼下に広がる灰色の海へと墜ちていく。仲間たちの亡骸と共に。


「俺は逃げますよ。さすがにこれは相手しきれません」


 イチゴがそそくさと逃げはじめ、無線機を通して指揮下の者たちへ戦線を放棄して離脱するように言う。兵長でありながらも彼に従う兵卒は多い。


「は、はは…………はははははははぁっ!! ふざけんじゃねえぞ!」


 レイズが飛び出そうとした刹那、上からネーベルの杖が落ちて目の前に突き刺さった。赤い液体でべったりとコーティングされている。


「あっ?」


 そして上を見上げ、煌めく白刃を捉えた。


 ---


「うちらの造った暁がぁーーーーっ!!」


 フリーダムの制御中枢を解析するために待機していた部隊が叫んでいた。

 いきなりの命令というか我儘というかで追加で作られた空母・暁が鉄くずとなって落ちていく様を見て嘆く者が大勢。そのほとんどは女性だ。


「あーあぁ……」

「シグナルは?」

「……ううん、搭乗員全員死亡」

「そんな」


 ディスプレイに表示される死亡報告を見て顔色を悪くする者がいれば、崩れ落ちて泣き始める者もいる。今まで重傷はあれど、緊急時はレイズに掛けられた呪いともいえるような魔法の中にある転移魔法で、強制離脱させられるため死者は出ていなかった。

 だが今回は一撃で……。


「レイアちゃん、ちょっと来て」

「なに鈴那?」


 青い髪の女の子が黒髪の女性のもとに寄っていく。レイアは小さな体に見合わない大きなライフルを背負っている。なんで背負えるのかが不思議なくらいに大きいライフル、それは前時代では対戦車ライフルと呼ばれたもので、今では超長距離狙撃に使われてもいない古いガラクタ。しかももうこの時代では生産されてもいない。

 しかしなぜ使っているかと言われたならこう答えるだろう「狙撃をおそわったころからつかいなれているから」と。実際それで戦果を挙げているため、頭の固い役立たずという風には見られていない。


「あれ、撃てる?」


 指差す先には空に浮かび、眩い光を散らしている何者かが。


「うーん……」


 レイアは目を凝らして眺めると言った。


「あてられるけど貫通はむりかなぁ」


 補助具なしではほとんどの魔法を戦闘出力で使えない、その代わりに優れた解析能力を持ち、それを使って暁を次々と墜とした何者かを見ていた。その澄んだ青い瞳は、幾重にも障壁を展開しながらも飛行魔法や召喚魔法を使用しているように見える。

 明らかに戦術級以上の魔法士だ。先の破壊行動を考慮したなら確実に戦略級と言えるほど。


「ライブラリに載ってないの」

「ないわねえ……ブルグントのと、レイズしかないし。白き乙女はそもそも独自基準だから載せてないし」

「じゃあ未登録の魔法士」

「それしかないか」


 チカッと閃光が煌めく、同時に視界を奪われて破壊の音が轟く。悲鳴は掻き消され、ほぼ条件反射で展開された障壁は薄いガラスを砕くようにバラバラになって消し飛んでいく。

 パラパラと氷の礫と浮遊都市の足場の欠片が土砂降りの雨のように降り注いだ後、急に視界が晴れて静かになった。破壊の中心には槍が突き刺さり、悠々と寄ってくる馬に乗った青年。あたりには気を失った白き乙女所属の者たちが転がる。


「ほぅ、さすが天使。これを受けて意識が落ちないか」


 青年は馬に乗ったまま槍を引き抜く。


「あなた、何なの」

「イリーガル」


 ゆっくりと長大な槍を両手で持つと、真横に構える。


「とりあえず、運が悪かったとかそういう捉え方でいいと思う」


 言葉と同時だった。

 イリーガルは思い切り槍を横薙ぎに振るった。本来は一撃必中の投げて使用する槍をあえて投げずに振るう。その威力は本来のものよりも格段に落ちたものだったが、破壊を振り撒くにはすぎた威力。

 爆発物は一切なかったはずだ。地下のパイプラインもここには水道しか通っていない。だというのに大量の地雷を埋め込んでいたかのように浮遊都市の路面が炸裂した。同時に魔力を乱雑に震わせる妨害も放たれる。

 意識を失い抵抗できなかった者は何もできずにバラバラにされ、鈴那とレイアも容赦なく体を吹き飛ばされた。散弾のように襲い来る破片に身を撃たれ、それでもギリギリで展開した障壁で致命傷は避けて。


「ふむ、存外持ちこたえるか。さすが人に墜ちた天使と遊離体」


 イリーガルは馬から飛び降りると、トドメを刺すべく二人に迫る。

 鈴那は魔法を使おうとするのだが使えない。原因はイリーガルから放たれる不可聴の騒音、魔力を掻き乱す波だ。形になりかけた魔法が姿を現す前に波に揉まれて崩れてしまう。


「なんで」

「ん? 魔法士はジャミングの影響下で魔法を使えないこと? そんなの普通の電波と同じだ、より強い電波でジャミングを上塗りしてしまえば問題ない」


 つまるところ、目の前にいる化け物は自分で妨害しつつも無理やりに魔法を使うということをしていることになる。

 白き乙女の正規戦闘員はジャマー影響下でも魔法を使えるように訓練されているが、それでも使えないほどの強力なジャマーを無効化しながら使うということは、まず魔法戦では敵わないことの証明になる。


「では、さようなら。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 イリーガルは無慈悲にレイアに向けて槍を突き出し、咄嗟に身を引いた。命の危機を感じるほどの妙な気配に驚いてのことだ。そしてそれは正解だった。

 見えない風の刃が音速越えで走り抜け、紙吹雪を置いて行った。よく見ればその一枚一枚がお札のようなもので、突然燃え上がると火の鳥になって襲い掛かってくる。その隙にレイアと鈴那は逃げていく。


「どこの役のぉあっ……!?」


 燃え盛る鳥を払い飛ばそうとすれば、腕に凄まじい重圧がかかり体勢を崩した。見れば槍が半ばから綺麗に切断され、展開していたはずの障壁にとても細い切れ目が入っていた。


「…………来たか」


 斬られた槍を手放すとたちまちカードに戻り、焼けて消えた。

 パンッとポーチを叩きながらバックステップで下がると、どこからともなく斬撃が飛来する。対象に直接触れずに切断するための魔法はいくつかあるが、どれも使用は困難なものばかり。


「デッキオープン」


 十三枚のカードが浮かび、イリーガルの肩の高さでふわふわと浮かぶ。風に流されることもなく、そこに浮かぶカードの中から数枚を手に取るとすぐに補充されていく。


「風に斬撃、そして札とくれば」


 カードを投げ放つとすぐさま透明な壁が構築される。そして数秒の差で氷の砲弾が突き刺さった。

 続いて固い何かが壁を突き破って斬りかかってきた。片手には刀を、もう片方の手には術札の束を。


「さて、勝てるかなこれは……」

「投降するか死ぬか、好きな方を選べ」


 刀を向けられながら言われた言葉には、どちらにせよ殺すという意思が感じられた。

 イリーガルはすぐに構え、戦う意思を示したが相手の視線は馬上の少女に向けられていた。なんでそっちにいるんだというような視線だ。


「あ、えっと……」

「行け、スレイプニル」


 少女が余計なことを言う前に馬が走り出す。

 ほんの少しだけ刀を持った敵対者は目で追っていたが、すぐにイリーガルに視線を戻した。


「で、どうするんだ」

「……バカ正直に白き乙女最強とやりあうつもりはない」


 左手で灰色のカードを適当に掴むと足元に投げつけ、右手で灰色と赤色のカードを掴む。

 ふっ、と妙な浮遊感を感じたときは足場が崩れていた。イリーガルは手に燃え盛る炎剣を握りながら、瓦礫を蹴って相手に迫る。

 浮遊都市の部分がすぐに流れて、凍った雲が姿を現し始める。


「対魔法士戦の基礎、相手に魔法を使わせるなってな」


 術札がばら撒かれると、すぐに赤と紫のカードを指に挟んで振るう。身体に打ち付ける強風に抗って赤々と燃え盛る火炎の波がすべてを飲み込み、術札だけを焼き払い灰へと還していく。相手の膨らんだポケットからさらさらと灰色の粉が散ったのを見て、イリーガルは片手の炎剣を氷に突き立てる。

 シュゥゥと蒸気を発しながら氷に食い込み、ある程度のところでもう一本、今度はただのピッケルを召喚してアイスクライミングを始めた。


「しかしまあ、まともにやったら勝てないがこれは……」


 真下を見下ろすと遥か下に海が見える。そしてそこに落ちていく瓦礫と氷と、おそらく人の形をしたもの。いくら魔法士と言っても魔法がなければただの人だ。補助具に、それも刻印型や術札などに頼るのならば魔法が苦手だということだろう。あのまま落ちていけば慣性中和も速度軽減も障壁の展開もできずに海のゴミになってしまうはず。


「……ま、いいか」



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