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仮想胃袋∞系ようじょはリアル底なし胃袋系女子  作者: 猫猫全猫
食う者と食われる者な1章
31/72

30品目:くぅーねるinあんだーぐらうんど2

小説を閲覧いただきありがとうございます。

感想、評価、ブクマ等いただけましたら、作者は大変喜びます。

どうぞよろしくお願いします。

『せまいところですが……まぁ楽にしてくだされもぐ』


 確かに中は狭い、けど良く考えれば小型の魔物の巣に4人の人間が入ってるって、

なんかすごい。イーターマンが小柄で良かった。

 さて、対談の相手はご高齢のモグーラパンだ。モグーラパンでも例外なく、

上司やお年寄りとの対話はマイルさんに任せると言わんばかりに、

マイルさんを前に座らせるシーラさん。

 モグーラパンに着いていくと言ったカボックさんも当然マイルさんの隣に座らせて、

私とシーラさんは2人の後ろに座った。


「ご丁寧にどうもありがとうございます。えっと先生」

『ほっほっほ。先生だなんてそんな御大層なもんじゃないわいもぐ』

「ですが、モグーラパンの医者をなさってるとか。それに何とお呼びして良いか」

『おお、これは失礼。名乗りを忘れるとは……いやはや年は取りたくないもんですもぐ』


 モグーラパンのご老人はもぐっぐっぐと笑い声をあげる。人間に例えると、

ふぉっふぉっふぉって感じかな?


『わしの名は、モグ=グル=モ=パンといいますもぐ。

こっちは孫のモング=モ=パンですもぐ』


 えっと、モグルーさんとモングモグさん?

 もぐもぐばっかりでさっぱり分からない。マイルさんは平然と自己紹介をしている。

 流石は先生。しっかりしてるなぁ。

 私たちもマイルさんにならって、順番に挨拶を済ませた。


『して、本日はどういった御用ですもぐ? またモングが何か仕出かしましたもぐか?』

『じっちゃん、ひどいもぐ! 今日は何もしてないもぐ!!』


 もぐぐー! と鋭い前歯を突き出し、孫を叱るモグさんをマイルさんとカボックさんが

慌てて止めに入った。

 何とか落ち着かせて、マイルさんが私たちがここに来た理由を説明した。

 キャロラインの根が必要で採取してたところ、モングさんを引っ張ってしまい、

何かの縁があって、意気投合したところ(カボックさんが)、

モグーラパンの王の容体とイモワーム族たちによる復讐でごたごたしていると聞いたこと。

 私たちに何か力になれることはないか聞きに来たこと。

 細かく時間をかけて、モグさんに説明した。


「モグさん、何かお手伝い出来ることはねぇか?」

『実にありがたい申し出じゃが……我らとイモワームの争いは

今に始まったことではないもぐ。他の種を巻き込むつもりはないもぐ』


 うーん。そう言われたら返す言葉もないんだけど……。


『じっちゃん! この人らは調合が出来るみてぇーなんだもぐ。

そっちを手伝ってもらったらどうもぐ?』


 モングがそっと助け舟を出す。

 モグさんは驚きで目を(小さすぎて分かりづらいが)見開く。

 目あったんだ。もっとも退化してて、ほとんど見えないんだろうけど。

 円らな小さい瞳がシーラさんの可愛いモノ欲をくすぐったのか、

シーラさんの方がぶるっと震えている。


『なんと! ……ううむ……そうしてもらえらばありがたいのぅもぐ。

何せこの村で調合が出来るのは、わしとモグぐらいじゃもぐ。

とてもじゃないが、あの量の薬は用意するのが難しいもぐ』

「ぜひ、お手伝いさせてください。モグーラパンの調合する薬というのも

実に興味があります」


 まだ、人の手を借りるのに躊躇があるのか、大したお礼もできないもぐと

モグさんは渋る。

 マイルさんはキャロラインの根を少々分けてほしい、あとイモワームの頭も

手に入るなら……お代はその2品でいいですと答える。

 そうそう。キャロラインの根を探してたら、モングさんを引っこ抜いて

ここまで来ちゃったんだしね。


『ううむ。そこまでおっしゃっていただけるなら、どうか手を貸してくだされもぐ。もちろんお礼はいたします。

正直にいいますと、手伝いが欲しかったんじゃもぐ。

王の容体が思わしくなくてなもぐ。このままじゃ薬が間に合わんかもしれんのじゃもぐ』

「……そんなに難しいお薬で?」

『違いますじゃもぐ。王のお体はとてつもなく巨大でしてもぐ。

用意する薬の量がとんでもない量になってしまうんもぐ。わしとモングの2匹だけでは、

どうしても時間が掛かってしまうのじゃもぐ』


 私とマイルさんの2人が調合出来ると言うと、モグさんは大喜びでぴょんと跳ねる。

 これだけの人手があれば、なんとか薬の用意が間に合うと感謝された。

 じゃあ、さっそくと手伝いに向かおうとすると、何やら表が騒がしかった。

 入口の方で、番兵をしていたモグーラパンが何か叫んでいる。


『……何事じゃもぐ!?』

『い、イモワームが大群を率いて、畑を荒らしてるもぐ!

このままじゃ、薬はおろか俺たちの飯が危ういもぐ!!』

『何? こんな近くまで迫ってきたというもぐか!』

『そうなんだもぐ!

 まさか王のテリトリー近くまで接触してくるとは思わんかったもぐ!!

 あいつら、王が動けないからって調子に乗ってるもぐ!!

 ……どうするもぐ? 戦える連中はほとんど地上に駆り出されてるもぐ!

この村にはまともに戦えるやつがいないもぐ』

「なるほど、地上は陽動で直接本拠地を叩きにきたってわけね」


 中々賢いじゃないとシーラさんが不敵に笑う。


「そこのモグーラパン! 私とカボックをイモワームのとこに案内しなさい!!」

『あ、あんたたちは……さっきの人間もぐ?』

「助太刀するわ。どうせ、私たちは調合出来ないし、ここにいるよりも

イモワームを追っ払った方が役に立つと思うの」

「だな。適材適所ってことだ」

『し、しかしもぐ……』


 渋るモグさんを押しのけて、番兵が「そいつはありがたいもぐ! こっちだもぐ!!」

とシーラさんとカボックさんを引き連れて行ってしまった。


「モグさん、急いで薬を用意しましょう。2人なら大丈夫です。

イモワームに後れを取ることなんてありませんよ。

それより第2陣、第3陣のイモワームが押し寄せないとも限りません。

一刻も早く王の容体を回復させ、イモワームが来れないようにしなければ!」


 マイルさんの説得にモグさんも重い腰を上げる。


『わかりましたもぐ。イモワームはシーラ殿とカボック殿にまかせますじゃもぐ。

マイル殿、くぅーねる殿はこちらへ。調合場に案内しますもぐ』


『>サブクエスト「モグーラパンを救え(調合編)」を開始するおん♪』


 モグさんが正式に私たちにお願いしたところで、イベントフラグが立ったようだ。

 久々のアナウンスにおんちゃんが嬉しそうに告げた。 

 調合編ということは、もしここで調合かそれに類似するスキルを取得していない場合は、

イモワームとの戦闘編とやら突入してたのかも。

 何にせよ、モグさんとモングさんに連れられて、私とマイルさんは

調合場へと向うことになった。


 ***


『ここですわいもぐ』


 案内された場所はなんと村の地底湖だった。

 ここに一体何が? とマイルさんと2人で疑問符を浮かべていると、


『ちょっと待っとるんじゃもぐ』


 モグさんが、地底湖の近くに設置してある石像へと近づく。

 モグーラパンを象ったと思われるずいぶん古めかしい石像だった。

 ご先祖様の像とかそんな感じかな?

 モグさんが何を確認すると、モングさんを呼び寄せる。 


『モング。たのむもぐ』

『よっし。じっちゃん任せとけってもぐ!』


 もっぐもっぐー! と勢いよくジャンプしたモングさんは、

大きな耳をフルスイングして、石像の頭を3回べしべしべしと殴った。

 私もマイルさんも突然のことで、唖然としてその様子を見守るしかない。

 すると、石像の口の部分がかぱかっと開かれた。

 中で何やら、宝玉みたいなものがキラキラと輝いている。

 モグさんがつんつんと宝玉を撫でると、


 ――ズモモモモモモモ!!


『ちょっと揺れますもぐ!』


 もう揺れてるんですけど! と思ったが、揺れに耐えるのに必死で、言葉がでない。

 石像を見ると、どんどん地面へと埋っていく。

 その代り、地底湖に橋が姿を現し始めた。そして、地底湖の中央に島のような物も現れる。


「ほほう! 何という仕掛け!! これをモグーラパンたちが作ったのでしょうか?

実に興味深いです!!」


 同じく揺れを耐えるのに必死なマイルさんだが、目の前の光景を見逃してはならないと

言わんばかりに目を見開き、メモを取るのを忘れていない。

 学者先生のあだ名は伊達ではなかった。

 石像が耳だけを残して、すっかり地面に埋ってしまうと、橋と島の両方が姿を現した。


『あの地下に王宮がありましてな。王が住んでおりますのじゃもぐ。

調合場の方は、王宮の広い調理場を借りてそこを使用していますもぐ。

何せ、相当な数のキャロラインを仕込まねばなりませんからもぐ。

ささ、ついてきてくだされもぐ』


 そうじゃないかとは思ったけど、あの下にモグーラパンの王がいるのか……。

 私とマイルさんはモグさんとモングさんに連れられて、地底湖の下に存在するという

モグーラパンの王宮へと足を踏み入れた。

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