平凡軍人と非凡な猫。
皆様の応援のおかげで
続編開始です!
ふと目が覚めると、見知らぬ天井が見える。
「ん……あぁ、そういえば」
此処は『クラウディア』一般軍人寮の
昨日から赴任された俺が、割り当てられた一人部屋だ。
昨日は赴任早々、再会したり殴られたり大変だった。
今日は平和なことを祈ろう。
そう思い、起き上がろうとして
腹部の違和感に気付いた。
「え、何。なにこれ」
柔らかくて丸い何かが、俺の腹に乗っている。
こんなもの乗せて熟睡していたのか。
肘をついて身体を起こそうとするが
『それ』の重さが邪魔して起き上がれない。
このままだと普通に遅刻するだろう。
流石に嫌だ。
「ふっ……!重っ」
なんだコレ。新手のいじめか。
両手を伸ばして触れると
ふにふにとした感覚が伝わってくる。
……ん?ふにふに?
嫌な予感。
慌てて『それ』を持ち上げる。
柔らかくて、丸くて、ふにふにした
『それ』の正体はーーーー
「……猫?」
元帥執務室。
「えーっと、トア中佐?
何その生き物」
「中佐じゃねぇ、『中佐相当官』だ」
「いやそこはどうでもいいんだよ。
なんでその猫がここに居るんだって話」
「知るか」
金砂の毛並みに、蒼い目の長毛種。
俺の上にいたのは、そんな猫だった。
置いて行く訳にもいかず
とりあえず抱きかかえて元帥の所まできてみたのだが
「やっぱ外に置いて来るしかないか……
でもなぁ」
確かクラウディア本部内は動物厳禁だったはず。
此処で面倒をみるのが不可能なのはわかっている。
でも、ほら、なんか
……可哀想だろ。
窓の外を見上げて考え込んでいると
案の定、アベル元帥は震える手で猫を指差した。
こいつ、猫嫌いなのか。
ーーそう思っていた。
だが。
真実は、もっと複雑で。
「なんで、君が、第四部隊大将と
一緒に寝てたの?」
「はぁ?」
第四部隊。
諜報活動に特化した、裏方部隊。
大将?猫が?
「嘘だろ!?どう見てもただの猫じゃ、」
「その方は大将ホムラ。
正真正銘、第四部隊を率いる大将だよ。
ちなみに女性」
女性っつーかメスだな。
こんなのが大将って……
「ホムラさんはね
誰にも見つからない潜入捜査で有名なんだよ」
そりゃそうだ。
猫なんだから。
世界最強の防衛部隊『クラウディア』。
その将来が心配になった。
完成度下がった気がしますが
気にしない方向でお願いします。