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三話 されたこと、されたこと。
ここから先はあまり書きたくない。
まずなぎさは僕の目の前でクズらによって性的暴力をされた。
泣き叫んで助けを懇願するなぎさ。
それをどうすることもできずただただ見つめることしかできない僕。
あれだけ自信があった。それなのに今は無力だったことがものすごい悲しかった、悔しかった。
「助けて、助けて片山君!」
彼女の叫びが痛いほどに僕の頭の芯まで響く。
やめてくれ。
「やめてくれよ」
その言葉は誰にも届かなかった。
「痛い! いたいいたいいたいいいたぁあああぎゃあああああああああああああ」
叫びがだんだんよくわからない言葉になっていく。
もういやだ。
「あ…………あぁ……」
暗闇の中、その小さな声が僕の耳に届いた。
「なぎさ……!」
無我夢中でなぎさの名を呼ぶ。
返ってくるのはクズ共の笑い声。
なぎさは死んだ。
僕は気を失った。――おそらく、強いストレスからだろう。
今、思い出しても、つらい。
涙が止まらない。