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第四話 最大攻撃と抵抗1

最大規模災害の到来です。これを乗り越えれば今回の災害は落ち着きます

 今回の(ホール)災害に対し、戦士の数が足りていないのが浮き彫りになりつつあった。駐屯地から帰った自衛隊と戦士の揃ったエリアは被害軽微で住んでいるのでその周辺エリアをお互いどうカバーしていくかを話し合う事になった。


 6エリアの戦士+自衛隊は5をカバー、1エリアの戦士+自衛隊は2をカバー、私達が4エリアをカバー。ただしこれは、駐屯地から持ち帰った物資が持つ限りとの事。その後は戦士としての身ごなしを身につける期間が必要であるとの事だった。


 物資が持つうちに今回の災害が収まるよう、願うばかりだ。


 3と4とで一旦戦士の数を各シェルターで均し、まだ孔の空いている部分をシェラドさんと回って3と4、どちらも小康状態まで持ち込んだ。現地の獣人さん達の話を聞くと、少し緩急がついた後に、暫くの休眠期を置いて最後に一気に大量の異形が押し寄せるらしい。今は休眠期にあたるようだ。今の内に戦士と自衛隊は訓練を、避難者は非難時の訓練と対策を徹底する。


「…きょうもはれだね」


「一気に来る時は大体天気も荒れる。今日はまだ大丈夫のようだな」


「じゃあ、まりょくふやすくんれん、する。――こい」


 体内で魔力を回し、聖剣を呼び出す。今迄10秒も持たなかったものが、今は15秒ほど持つようになった。体力は、朝に走るようにしているが、こちらは余り芳しくない。いつも似たような位置で見てられなかったシェラドさんに抱き上げられる。やはりもう少し成長を待たないと体力向上は難しそうだ。


「体力に関しては俺と組んでるんだから、大人しく抱き上げられてろ」


「いまのところはおねがいします…」


 1週間ほど、そんな日々が続いた。




 そして8日目、朝から黒い雲が現れ、雷雨が襲う。


「間違いない…来るぞ。備えろ」


「わかってる。まりょくもふえた。まかせて」


 ドォオオーンバチバチと雷の鳴る中、その雷に合わせる様に空間が捩れる。巨大なホールが開き、今までより大きな異形がぞろぞろと出て来るのが見える。


 いつもより勢い良く光刃を放たなければ核を破壊出来なさそうだ。出て来て直ぐから群れてくれている。私の出番だ。合図もなく、シェラドが私を頭上に投げてくれる。


「――こい!」


 狙いを定め、勢いをつけた光刃が異形を貫く。近寄られるまでは私が倒す。その時、間近に(ホール)が開く。そこから出てこようとした異形はシェラドさんがさくっとしとめてくれる。近接はシェラド、遠距離は私、と分かれて殲滅していると、一際大きな(ホール)だけが残った。


 あちら側の光景が透けて見える。駅構内だ。電車に轢かれて潰れた異形の姿もちらほら見えるが、それによって電車が止まってしまっている。


 核の潰れた個体は塵となって消えて行くが、核の残った個体は、再生し、車両を持ち上げて投げようとしている。車両の中の人がパニックで悲鳴が辺りに響き渡る。ホームにも何匹かの異形が人々を襲っては喰らっている。地獄絵図だ。


 先ずは車両を持ち上げようとしている異形達を駆逐する。少しづつ塵になる特性のお陰でゆっくりと車両が降ろされるのは幸いだった。続けてホームの異形の中でも少し距離のあって群れている異形を一掃する。


 人々に近い異形は、シェラドさんが一閃して退治してくれている。シェラドさんから離れた別ホームで大量の異形に追われる人々を見つけ、慌てて後方の群れをまず駆逐する。人々と距離の近い異形を注意を払いながら1匹づつ屠っていると、最後の一匹になった際に、異形の核がある場所に急に一番近い人の腕が射線に入る。


「まっ…!あ!!」


 光刃はその腕を切断し、腕の切断の分だけ勢いの落ちた光刃は核への攻撃力が落ちて仕留め損なう。腕が落ちた人が痛みで動きの鈍った瞬間に、異形の牙がその人の上半身へと齧りつく――そこへ光刃をもう一度放ち、異形を倒す。


 塵になっていく異形の口腔内で上半身に牙を食い込ませた痕の残る青年が、視点の定まらない状態で現れる。がくりと膝をついたまま、呆然と座り込む。そこまでの深手ではなさそうであったが、精神的に1度死んだに違いない。


 腕からの出血だけでも止めないと危ない。私は唇を噛みながら青年を迎えに行こうとした。が、それを止めてシェラドさんが電車の上を飛び越えながらその青年を迎えに行く。紐で締め上げて腕の出血を止め、肩に担ぐと同じルートで戻り、(ホール)の入り口辺りで待機している神官に青年を託す。


 残りの10匹は、そういうトラブルはなく、遠距離を私、人間に近接した敵はシェラドさんが受け持ち、事なきを得た。そしてこの(ホール)も、以前と同じように異界へ溶け込んで森林に急に駅が現れたように変化する。


 駅併設のデパートの一部も付いて来た。慌ててそちら側に異形が居ないか確認しに、シェラドさんと向かう。アクセサリ売り場と、切り取られたように地下1・2階が巻き込まれているのが見える。1Fには異形は見当たらない。


 B1へシェラドさんと向かい、2匹の異形を仕留める。犠牲者は1人、一番境界に近い人が殺されている。B2,5匹の異形に追われる店員さん達を見つけ、人からある程度距離のあるうちに光刃で止めを刺す。B2での死者も1名、最初に異形が近くに出現し、(ろく)に反応出来ないうちに食われたとの事。


 ここらの空間に漂っていた暗雲が晴れていく。電車内の人は持ち上げられた時に斜めになって圧死した人などの犠牲が出たが、それでも今迄見た事がない程の人数になった。戦士達に一旦人々を預け、他のシェルターへ救援に向かう。


 傷は負っていても訓練の成果か、戦士の死人は出ていない。群れに向かってコンボで光刃を放つ。


 それでも殲滅を終わると巨大(ホール)が現れ、元の世界と繋がった。


 其処は発電所だった。原子力炉付近に異形が現れて暴れたらやばい。私は注意事項をシェラドさんに伝え、まずは原子炉の危険性を伝える。そしてその便利さも伝えて、従業員の確保もなるべくしたいと告げる。


 原子炉付近に異形の影がない事を確認し、後で神官に癒して貰おう、と心に決める。内部、人の居る場所に集中していた異形を見つけ、部屋に篭って抵抗してくれている作業員達を助け出す。先に助けた人をシェルターに入れて貰えるよう獣人戦士に託し、階段途中に作業員の遺骸を目にしながらも、異形を殲滅していく。


 発電所内部は入り組んでおり、全てを回りきるのに非常に時間が掛かる上に見落としが出てしまう。責任者のような意思の強そうな作業員さんが、案内をかってくれた。


 後ろからの案内どおり、隅々まで確認が出来た。外回りに関しては一旦立て篭もって頂いている間にざっと殲滅する。ここでも従業員さんの死体を3人確認する。


 離れた位置にある建物内に侵入する前に、もう一度案内を頼んで異形を退治していく。従業員の死体を見る度、案内してくれる責任者さんの顔が曇る。しかし、既にお亡くなりになっている方々に出来ることは私にはない。それよりも一人でも生存者を増やす為、なるべく早く建物の中を探って異形を見つける度に瞬殺していく。


 新たに5人、救出し、部屋に立て篭もったはいいが、部屋内にも異形が発生して全滅した人々も居た。それから追加で15人を救出したところで、異形の影は消えた。


 このシェルター周りの暗雲も晴れる。戦士の方々には、この方々は、こちらに人と共に転移してきた都市部の住居が使用可能になるかも知れない事を説明し、保護して貰った。


 もしかして、全てのシェルター近くで巨大(ホール)が現れてしまうのだろうか。


長くなりそうなので一旦切りました。まだ大災害回が続きます

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