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居眠り卿と木漏れ日の姫  作者: 中里勇史
カーリルン公領統一戦争

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43/55

ザロントム攻防戦開始

 ザロント川はザロントムに水を供給する重要な川である。ザロントム市内を通ってザロントムの南西に出て、南に流れるように湾曲している。

 ニレロティスはザロント川に右翼が接するように布陣し、左翼側には堀を穿った。正面には盛り土をして、さらにその前面に木柵を立てた。兵力で勝る敵軍に包囲されたら勝ち目はない。左右からの攻撃を制約して、攻撃面を正面に限定するのが狙いだった。

 今のところ、ニレロティスの狙いは成功している。敵が木柵の突破にてこずっている間に、盛り土の上から矢を射かける。一部で木柵が破られたが、そこから突入した敵は盛り土に進路を阻まれる。盛り土を這い上ろうとする敵を、上から槍を突き下ろして倒した。


 公爵軍とデベルロント軍の攻防が始まると、籠城していたトンゾロント軍も動き出した。城門を開けて突出し、公爵軍の背後を突こうとする。それを、各門に五〇〇人ずつ配した公爵軍が包囲して頭を押さえた。

 門からの出撃が不可能とみるや、トンゾロント軍は城壁の上から縄を垂らして垂直に降下してきた。

ザロントム卿(トンゾロント)はぼんくらだが、やつの兵はいろいろやってくれるな」

 ニレロティスは城門の封鎖部隊に対処を命じた。何が何でもトンゾロント軍を城壁内に押し込めておかなければならない。

 城門前での攻防も続いている。縄は城壁の各所から垂らされており、複数箇所から城兵が降りてくる。

 地上に降り立つことに成功したトンゾロント兵が徐々に現れ始めた。彼らが仲間の降下を援護し、城壁外に出た兵が五人、一〇人と増えてきた。

「まずいな」

 状況を察したニレロティスが、予備として残しておいた五〇〇の騎兵を出陣させた。

 他の門は死角になっていて様子が分からない。これもまずい状況だった。自分が敵の指揮官だったら、ニレロティスらから見えている側を囮にして他の門でも同じ方法で城兵を外に下ろす。

 思った通り、騎兵の活動範囲外でトンゾロント兵が三〇〇人ほど城壁外に降下しており、城門を封鎖する公爵軍を攻撃してきた。

 騎兵で辛うじて撃退できたが、城壁の上から矢を射かけられて十数人の騎兵がやられた。城壁から距離を取るようにしていたのだが、城壁外に降下したトンゾロント兵は城壁上の兵と連携を取って騎兵を城壁付近に誘い込んだ。

「トンゾロント軍の指揮官は優秀だな。あの手この手で揺さぶってくる」

 正面のデベルロント軍に集中したいが、籠城しているトンゾロント軍の活動が活発で気を抜けない。背後に気を取られていると、正面の敵への対処が遅れる。ニレロティスにとってはつらい局面が続いた。

 今のところ、合計九〇〇〇の敵に対して六五〇〇で善戦してはいるが、長くは続かないだろう。だが、ここを抜かれるとカーンティーエが危険にさらされる。カーリルン公を守るためにも粘るしかなかった。


 そして日没が近づいてきた。敵の攻撃が次第に弱まり、日没とともに攻撃がやんだ。


どうやら長い一日が終わったようだ。

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