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出会いと魔石の色

酷い怪我の描写があります

 月に二度帝都からこの村に荷物が届く。

二人の冒険者が交代で郵便配達のような事をしているらしい。

今回この村を訪れたのは、ウェリーという大柄の冒険者だった。

早馬で帝都から十日でやって来るという。

革鎧にマスク付の兜を身に付けた上級の冒険者みたいだ。

村役場には荷物・手紙・魔石・鉄鉱石など多くの物が運び込まれた。

代わりに馬車には竹製品と雌のグラスバード二十羽程が積み込まれていく。


 購入した赤い魔石を見て思いつく。

ゴミ捨て場横に置かれている箱に魔石が集められている。

これはまとめて破砕し、畑に肥料として使用するそうだ。

昔から使い終わった透明な魔石をそうしていたらしい。

大きめの魔石を十個ほど取り出し、赤い魔石の後ろに並べる。

シャッターを切る。

鑑定:火の魔石とだけしか表示されない。

注釈欄に

(火の魔石は赤透明色に、水の魔石は青透明色に、土は青紫透明色)

他が思い出せない……(魔力が無くなれば透明に)かな?

ケープもそれ以外の魔石を見たことがないと言った。

「ペースト」

赤と青に四個ずつ魔石に色がついていく。やった!

しかし、もう二個は色が付かなかった。

大きめの白い魔石を三十ほど集めて村役場に持って行く。

「誰か三色以外の魔石の色ご存じゃないですか?」

食堂にいた数人の人が

「風の魔石が緑だ」

「黒と黄色を見たことあるぞ」

「何魔法の魔石でしょう?」


兜を着けた冒険者が私の姿を見て驚いていた。

すぐに頭を下げ、

「いや。預言の人だと思って、ジロジロ見てすまない」

この村の預言の話は有名で知ってはいたが、使徒様が現れたと先程

村人に教えて貰ったらしい。

とても紳士的で好感が持てる。

「黒が闇魔法で、黄色が光魔法だ」と教えてくれる。

そしてこれが風の魔石だと持っている魔石を見せてくれる。

綺麗な翡翠色だった。他の魔石の色も詳しく聞いてみる。

写真を撮り、注釈に(風の魔石は翡翠色で透明、闇の魔石は漆黒、光の魔石はレモンイエローの透明色)

「全てペースト」

次々と魔石に色がついていく。殆どが赤と青で風の魔石が三個、青紫が二個、

色が付いてない物が二個だった。

その場にいた人々が感嘆の声を挙げる。

魔石は村長さんに預け、私は赤の魔石を四個頂いた。


帝都から来た銀板(シルバー)冒険者はウェリーと名乗った。

食事の為、マスクを外すと顔の傷が露になった。

私は立ち上がってしまい、息を呑んだ。

「大丈夫ですか?驚かせてしまったかな?」

ウェリーが手で左顔を押さえる。


村人はもう慣れているのでそう驚く人はいない。

しかし、彼の左半分の顔にある獣に削られた酷い傷痕に私は驚いてしまった。

私は申し訳なくて思いっきり謝った。

「失礼な事をしてしまいました。すみません」

「大丈夫ですよ。お互い様と言うことで」

そう言って笑ってくれたが、右顔が見える方に異動してくれた。

ますます申し訳なくて、私は涙を溢してしまった。

「使徒様どうかなさいましたか?」彼が慌てている。

「彩、いいえアーヤと読んでください。敬語もいりません。

ここのお主人も足を怪我されているし、そういう世界にいるのだと……

すみません」

「いや、驚かれるのは良くありますが、泣かれたのは子供以外では初めてで……」

彼が慌てているのが解る。

「本当にすみません。私が弱いだけです」

小さくなったユキが私の膝に乗り頬の涙を舐めてくれた。

「ありがとう。大丈夫よ」無理矢理笑顔を作る。


「そうだ、聖獣さん。俺の相棒に会ってくれませんか?」

ウェリーが話を変えてくれた。

「行く?」

《イキタイ》

「行きたいそうです。私も会って良いですか?」

「はい。もちろん」

彼の食事が終わるのを待って、簡易な馬小屋に行く。

「これは!」

私が驚いたのは、彼が連れていたのは馬ではなく、一角(ユニ)(コーン)だったからだ。


読んで頂き有り難うございます。

感想等いただけると嬉しいです。

宜しくお願いします。

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