隣村からの使者
この村の特産品はバンブ(竹)細工と綿花だ。
秋に取れた綿花の種を取り、綺麗にブラッシングまでするのは見習い冒険者達。
そして、糸にしていくのは熟練の職人さん達。
この村ではここまで。
機織りの仕事は隣村らしい。
何故なら染色粉を生産していてそこまでがこの村と隣村との共同作業だったらしい。
ところが、色が消えてしまい、染色が出来なくなった。
特産品の染色粉が無くなってしまった。
機を織っても色が付いてない木綿は安く買いたたかれている。
隣村の村長は私にどうか染色粉の色を取り戻して欲しいとお願いに来たという話だった。
「善処します。暫く時間をください」
この応えはあっているのだろうか?
三日後、教会へ向うと、アテネが待っていた。
隣村も色付けをお願いされたことを伝える。
すると
『 十二ほどの村々を回っていずれは帝都まで行って欲しい。
ただ、村と村の異動には護衛を雇うことを約束してほしい。
何故なら魔獣は減ってきているが、強盗を働く者がいるから 』
護衛を専門にしている冒険者がいるようだ。
『 そうね……あなたが怪我したらいけないから
ユキちゃんに 治癒魔法使えるようにしとくわ。
あなたは何か欲しいものある?
あぁ《徳》は+1ね 』
「この世界にはお風呂はないのですか?」
『 この村はないですね。帝都に近づけばあるわよ。
それと、水魔法を工夫すると“クリーン魔法”が使えるようになるから 』
「工夫? では、私も治癒魔法欲しいです」
『 えっと……聖女と僧侶以外が治癒魔法を持つのは危険よ。
ある国が聖女を独り占めしているから、良く思われないかも。
ユキちゃんなら大丈夫だと思うけど…… 』
「そうなんですね。じゃ、なんか作り出す魔法はありますか?」
『 うーん、少し考えさせて
じゃ、また三日後に来てね。じゃ! 』
《 彩 ボク魔法ツカエルノ ?》
「そうみたいよ。治癒魔法だって、怪我したら治してね」
《 ワーイ 彩 ナオス 》
言葉が少し上手になっている。
魔法?
疲れた身体が楽になる
「えっ! 今、魔法使った?」
《 ? ナオス? 》
「それだ!身体が楽になったよ。有り難う」
モフモフのユキを撫で回す。
怪我以外で疲労回復にも効果がありそうだ。
―― 名前:ユキ (主人アーヤ)
年齢:四歳
種族:聖獣
スキル:回復魔法Lv.1
―― 名前: アーヤ・ジカーベ 《徳Lv.1》
年齢: 二十五歳
種族: 人属
職業: 精霊の使途・画家
スキル:鑑定
魔法: 火(生活初級)・水(生活初級)
ペット:聖獣ホワイトタイガー (ユキ)
《徳》が増えていることに気が付いたのは寝る前だった。
いくつ貯めれば良いのだろう?
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