バンブ林
今日は村の東側をまわる。
真っ白なバンブ(竹)にも色を付けていく。
見事な若竹色の壮大なバンブ林が完成する。
大きな小屋には秋に伐採された大量のバンブが乾燥させてある。
乾燥させたバンブの色は老竹色に。
そう言えば、民家の屋根もバンブで作られていた。
キッチンの物は陶器が少しで後は全てバンブ製品だ。
バンブ職人が種類ごとに数人ずつ居て、食器、箸は勿論、カトラリー全て揃えられている。
装飾品、釣り竿から弓矢まである。
冒険者見習いの子供達がバンブを割る仕事をしていた。
ケープもこの時期はよくしていたらしい。
今日の薬草は
―― ヨムギ草 (薬草は蓬によく似)食用可
葉の表はで、葉の裏は生成りのうぶ毛あり
花は紫褐色
葉の裏が緑で花が黄色ならベツムギ草(食用可だが苦い)
効用: 傷薬・胃腸剤(生葉)
便秘薬・痒み止め(乾燥茶)
うぶ毛はもぐさになる
それ以外は、ナンデン、ゲンノーコなど色を付けていく。
バンブ林の内側には植え付けたばかりのキャベツ畑が広がっていた。
この村は暖かいせいなのか、世界が違うためか、キウイやブルーベリーの花が咲いていた。
あっちの世界の家の庭にどちらもあったので良く知っていた。
よく圭兄と取って食べては洋服を染めて怒られていた。
部屋に帰って気付いたのはベッドもバンブで出来ていた。
木材は高くて手が出せないらしい。
森は魔獣が出る。
昔から木材の入手は帝都近くのエルフの森からがほとんどらしい。
それ以外は上級冒険者がチームを組んで森に入り、魔獣を狩りながら職人が木を切る。
年に二十数本しか取れず、また怪我人も多くでる。
必然的に木材は高くなる。
この村人は三百人ほどだ。
一日での色付けは二~四家族または十五人程が予定になる。
薬草等にまだ時間が必要だが、後一月ほどで終わりそうだ。
しかし、効率が良いとは言えない。
隣村はこの村の倍は人が居るらしいし……
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