祝福と呪詛
エルフの森に呼び出され、万能薬をハーネル様に飲ませて十日経った。
ハーネル様も完全に回復したので、ユーゼン村に戻る事にした。
《 息子も完全に目が覚めた。礼をいう 》
ハーデル様が頭を下げる。
「良かった」
「俺は何も知らなくて……」圭が複雑な顔をする。
《 結婚すると聞いた。貴女には祝福を彼には呪いをおいていこう 》
ハーデル様は少しだけ笑って去って行った。
《 では私も君ら家族に祝福を置いていくとしよう。宝探しを楽しんで 》
ゼノス様はそう言ってハーデル様と消えていった。
「僕からもプレゼント」
そう言ってハーネルが渡してくれたのは二つの馬の人形?
地面に置くとみる見る間に大きくなり番のユニコーンと変化した。
「リングが無くても君達の言う事ならきくよ!」
「あ、ありがとう」
直ぐにエルフの森は獣で溢れそうだ。
三ヵ月後、私達は結婚式をユーゼン町で執り行った。
町中がお祭り騒ぎだ。
ポポロに乗ってウェリーが婚約者を連れて来た。
「シェリュー?」
「ううん。今、私はマリー・チェルライト。シェリュー王妃は病気の為動けませ~ん」
笑って、ウィンクしてくる。
ウェリーが「そう言う事になるみたい」と苦笑い。
「ポポロの隠遁の術が大活躍みたいね」
私もウィンクを返す。
ウェリーの実家チェルライトとの繋がりもちゃんと作っていくらしい。
チューヨウ国の貴族も来ているのに……大丈夫かな。
ダッサク共和国教会の後押しが無くなった大統領は直ぐにリコールされ、ヒロ・ガベル・ムトーが新大統領に就任した。
大神官総帥ベクター・ゼステスからはペアリングが届いた。
サリは成人まで教会には行かず、マモルと共に私達の子供として生活する事になった。
新王は賢者ケープにジ・ガベルの姓を与え、一代限りの貴族とした。
村からユーゼン“町”となりケープ・ジ・ガベルとして領主に選ばれた。
成人まで私達が後見人だ。
帝都から来た職人が町の真ん中に領主のためにと大きなお屋敷を建てた。
ケープの両親ジャスとテラには四人目の子供が生れていた。
マークがケープの従者となり町を(大豆畑を)広げている。
人姿のユキとノースが沢山の魔獣を討伐してくるので、干し肉がこの町の特産品になった。
その内に大豆製品を特産物にする。
それが当面の私の夢だ。
―― 名前:ケープ・ジ・ガベル
年齢:十二歳
種族:人属
職業:賢者・ユーゼン町の領主
魔法:火魔法(生活初級)
スキル:完全記憶
使役:精霊サラマンダー
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