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颶風院姫燐はヤリサーの姫であるッ!  作者: 小野山由高
最終部「伝説! ヤリサーの姫!!」
51/52

51本目「卒業? ………………卒業ッ!!(後編)」

「♪~」




 僕の頭がフリーズしている間に、姫先輩はご機嫌な様子で鼻歌を歌いながら自分のバッグから何やら取り出している。

 筒状の――えーっと、ぶっちゃけるとローションだ。実は僕も使ったことがある。……ナニにって? 察しろ。

 トロトロローションを楽しそうに、自分のご立派様へとふんだんに、丁寧にぬりぬり……。




「ひ、姫先輩……そのローションは……?」


「これですか?

 ……ふふふっ、必要でしょう? だって、()()()()()()()()♪」




 濡れる濡れない以前に、そもそも入れる場所じゃないところに入れるつもりでいらっしゃる……?




「な、一体……なんで……!?」




 もう言葉にならない。

 まるで急に姫先輩の人格が変わったかのようにしか思えない。

 シャワーを浴びている最中に別人に入れ替わった?

 実はこいつ、姫先輩のフリをしているサキだったりしない? ……いや、サキならシャワー中の先輩を襲ってそのままトンズラするか。犯罪じゃねーか。




「――貞雄さん」


「!? は、はい?」




 姫先輩はじっと僕を見つめ、真剣な口調で語り始める。







「わたくし、幼いころからヤリを嗜んでいたでしょう?

 なので――()()ことが好きなのですよ。もちろん、ただの暴力としてヤリを振るうなどあってはならないこと、と理解はしております。

 そして成長するにつれ、その…………せ、性行為についても知りました。

 色々と、衝撃でした……」




 う、うん……まぁ、理解はできる……。

 男もそうだけど、女ならなおさらだよね……僕には想像することしかできないけど。

 で、男はそこからエロいことに頭が支配されて、女は逆にエロいことを忌避するようになる――とかどこまで本当か知らんけど、そんなことをどこかで耳にした気がする。

 それはともかく――




「もちろん、わたくしは自身が『女』であることを明確に自覚しております。

 けどですね!」




 ――姫先輩の目つきが変わった。

 それはまるでサキのような――自分の『欲』に染め上げられた(ケダモノ)の目に僕には思えた。

 …………さっきまでの僕もそうだったろうけどね……。




「更に成長して、その、様々な性行為についてこっそりと勉強したんです!」




 お、おう……。

 まるでエロに執念を燃やす思春期男子みたいなこと、お清楚な姫先輩がしてたんか……。

 ……ありだな。




「それで、()()()()()()()()()()()()()()と知ったのですよ!」




 やっぱりその方向!?




「ああ、貞雄さん! 貞雄さん貞雄さん貞雄さん!!!」


「うわぁっ!?」




 ついに、興奮した姫先輩が僕を押し倒した。

 ……さっきと真逆、僕が姫先輩を見上げる形になってしまった。

 両手はがっちりと姫先輩の手で押さえられている。

 ってか力強い!? 割とマジに力を入れているのに逃げられないよ!?

 ふーっ、ふーっ、と息が荒くなっている。




「ああ……まるで夢のようです……! わたくしの『夢』が叶う日が来るなんて……!!」


「ちょ、先輩!?」


「大学なら、と思っても皆さま()()()()()()()のことを話すと離れて行ってしまいますし……貞雄さんだけですわ、こんなわたくしを受け入れていただけるのは!」


「は、初耳なんですけど!?」


「??」




 不思議そうに姫先輩は首を傾げる。

 ……不思議に思うようなこと、ここまでに何かあったか?




「あら? 本多さんや植井さんが『貞雄には俺たちから伝えておくから、姫は()()()が来るまでは黙っているんだ』ということでしたが……」




 おぉいっ!?

 どういうことだ先輩共!?






 ――その時、僕は思い出していた。







 ――『このサークルの男――()()()()()()()()()()()()()?』




 植井先輩だったっけ。確かサークルの新歓の時に言われた言葉だ。

 ……なぜ僕は今までこの言葉の真の意味について考えなかったのだろう!







 ヤリサーに入れば彼女が出来る、()()()()

 ヤリサーに入るならば彼女がいなければ――()()()()()()だ。姫先輩に。

 もちろん、姫先輩が強引にそんなことするわけはないんだけど……。

 で、植井先輩とか他の人も、きっと姫先輩に告白したことがあるのだろう。

 その時に姫先輩は馬鹿正直に自分の好み――『突きたい』を話し、『あ、やっぱ告白なしで』となったんじゃないかと思われる。

 ……そりゃあね、多様性があーだこーだ言ったところで、結局のところ大半の男は突くのはいいけど突かれるのは基本的には嫌だよねぇ……そもそも突かれるような身体の作りになってないし。




 そして、本多先輩たちは姫先輩を僕に押し付けるために、姫先輩に『自分たちが伝えるから黙っていろ』と言ったわけだ。

 ……それを素直に聞く姫先輩もだけど……。

 クソっ、あの先輩(ド畜生)共……僕を生贄にしやがった!!!!!







「せ、先輩? 入れるのであれば、サキの方が良いのではないでしょうか!?」




 サキは女だし、男の僕よりよっぽどいいんじゃないだろうか?

 それにサキだって望んでいるだろうし……あいつはあいつで、自分が突く側だと思ってそうだけど。

 ……あと、あいつだったら生贄に捧げても僕の良心は全く痛まないし。




「うふふ、変な貞雄さん」




 が、姫先輩はくすくすとお上品に――でも獣の目のまま、僕を組み伏せたまま笑う。




「サキは女性ですよ? ……その、最近は同性同士に偏見を持つべきではない、とはわかっておりますが……わたくしはあくまでも女性として男性を愛しています。なので、女性はちょっと……。

 それに、サキは養子にいったとはいえ、血のつながった妹ですし」




 …………ごもっともだ!?

 いや、そもそも『突きたい』という衝動が『男を(性的に)突きたい』に繋がること自体がおかしい、ような?




「さぁ、貞雄さん。今度はわたくしの番ですよ……♥」




 もう待ちきれない、と言った姫先輩が僕に覆いかぶさり、熱烈な口づけを求めてくる。

 ……やだ……気持ちいい……♥

 激しいディープキスは数分くらい続いただろうか……。

 ……あかん、頭がぽーっとする……。




「飲み込んで……わたくしのゲイボルグ……♥♥♥」




 ちょっ、待っ……
















 アッーーーーーーーーーー!!!!!













◆  ◆  ◆  ◆  ◆







 …………こうして、僕と姫先輩はこの日、互いに童貞(処女)処女(童貞)卒業(喪失)したのだった……。







 でもいいもん!

 姫先輩のこと、それでも大好きなんだもん!!


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