表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
颶風院姫燐はヤリサーの姫であるッ!  作者: 小野山由高
第2部「因縁! ヤリサーの姫とヤリマン狩り!!」
20/52

20本目「閑話! 友はかく語りき!!」

◆  ◆  ◆  ◆  ◆







 貞雄氏のことでござるか?


 …………ふむ、拙者に貞雄氏について語れと申されるか……。


 ……個人情報保護法に反することは当然語れぬでござるが、まぁ貞雄氏のことでござるからなぁ……。


 まぁ語れるところは語っていくでござるよ。







 拙者と貞雄氏との出会いは、高校の2年の時でござる。


 クラス替えで同じクラスになったのがきっかけでござるな。


 当時、貞雄氏は()()()()だったでござる。




 ……聞き間違いではござらんよ? ナニと聞き間違えたのかは敢えて聞かぬでござるが……。ああ、貞雄氏関連ならば致し方なしやもしれぬ……。




 そう、貞雄氏はテニス部だったでござるよ。同好会ではなく、部活でござる。


 なにゆえテニス部なのか?


 ……実は貞雄氏に聞いたことがあるでござる。


 彼曰く、




「テニス部ならモテるだろう!?


 高校でダメでも、大学でテニサー入ればモテまくるに決まってる!」




 とのことだったでござる。


 ……彼の純粋な瞳の前に、拙者は説得を諦めたでござるよ……。




 このことからもわかる通り、貞雄氏の原動力は『モテること』――ぶっちゃけて言えば『性欲』でござる。


 おっと、肝心なのはここからでござる。引かずにもう少し聞いて欲しいでござる。




 貞雄氏がテニスをしていたのは『モテたい』という動機からでござったが――困ったことに、彼は()()()()()()()()()()のでござるよ。


 どういうことか?


 …………貞雄氏、ああ見えて高校男子テニス・シングルスでインターハイ準優勝なのでござるよ。これは立派な実績でござろう?


 先のことを話す前に、もう一つ貞雄氏について拙者の思うところを語らせて欲しいでござる。




 気付いている方も多かろうが……貞雄氏、言葉を選ばずに率直に申せば――『バカ』なのでござる。ただ、決して悪い意味だけではござらん。


 彼は『バカ』なので、時々()()()()()()()()()()()()でござるよ。


 そう――高校のテニス部の時も、『モテたい』という本来の目的から逸れて、ひたすらにテニスに打ちこんでいたのでござる。


 本人は『モテたい』ということを完全に忘れたわけではないのでござろうが、口では申していても女子(おなご)と触れ合うことよりもテニスにのめり込んでしまったのでござる。全国の頂点にあと一歩で届くほどに。







 さて、先ほど拙者は貞雄氏のことを悪い意味ではなく『バカ』だと評したでござるが、その本質についても触れておくでござる。


 要は……貞雄氏は驚異的な集中力を持っている、と言えるでござろう。


 あまりに一個のことに集中してしまうが故に、元々の目的を忘れてしまうような『バカ』に見えるということ、と拙者は考えているでござる。


 モテたいがためにテニスを始め、テニスを上達させるためにのめり込んで周囲を見ず、なぜかモテないと思って首を傾げている――




 ははは!


 ご理解いただけたでござるか?


 その通り、貞雄氏はモテないわけではないのでござるよ。


 彼はモテたいがために始めたテニスに集中する余り、女子のことが逆に目に入らなくなっていただけなのでござる――『モテたい』という願望が『テニス』とイコールで結ばれてしまったがために、他が目に入らなくなってしまったのでござる。


 これを『バカ』と言わずにどう言えばいいのか……拙者には相応しい言葉が思い浮かばぬでござる。


 はぁ……実際、彼のことを好ましく思う女子もいたはずなのに、事あるごとに『何で僕はモテないんだろう?』などと問われる身にもなって欲しいでござる……もう最後の方は拙者も含め、友は皆スルーしていたでござるよ……。







 そして貞雄氏の『バカ』はその後も続くでござる。


 高校からテニスを初めて、努力一本で実力をつけていた貞雄氏の成績……想像つくでござろう?


 壊滅的だったでござる……幸い、進級できる程度の成績は維持できていたでござるが、進学は絶望的でござった……推薦という道もあったのござろうが……。


 あまりにも酷かったため、拙者思わず言ってしまったでござる。




『ヤリ学には伝説のヤリサーがあるらしい』




 と。


 それから何が起こったかはもう理解いただけてるでござろう?


 ……貞雄氏、『伝説のヤリサー』に入るために今度は勉強に集中しだしたでござるよ。


 その結果は――言うまでもござらんな。彼がヤリ学生となっていることが全てでござる。







 『なんとかとバカは紙一重』と申しますな。


 ……ああ、貞雄氏に限っては、この言い方で合ってるでござるよ。


 なんせ、基本的には『バカ』寄りでござるからなぁ……友に対して『バカ』とはなんだ、とお叱りを受けそうでござるがな。


 けれども、ひとたび『スイッチ』が入ると――疑いようもなく『なんとか』の方に切り替わるのでござる。


 敢えて『なんとか』と呼称しているのは、先のテニス部の時からわかる通り……集中していること以外には『バカ』になってしまうからでござる。


 進級ギリギリ・赤点スレスレだった人間が、たった半年足らずで我が国の最高難易度の大学に一発入学……普通に出来ると思うでござるか?


 ――貞雄氏はそれがやれてしまうでござるよ。







 ああ、貞雄氏について結局何が言いたいのか? でござるが……。


 彼が集中しだすと物凄いですぞ、ということでござるな。


 ……類稀な能力を持っているが故に、本人が一番望む女子との接触ができないというのは不憫に思うでござるがなぁ……。




 けれど――彼が集中するものに理解のある、ある意味では同じような『なんとか』な女子がいれば……。







 おっと、拙者の語りはこの辺りでよろしいでござるか?


 ……ふむ、お疲れ様でござる。拙者も思いがけず熱く語れて楽しかったでござる。


 貞雄氏は誤解されやすい御仁でござるからなぁ……友として理解してくれる方が増えてくれれば良いな、と常々思っていたでござるよ。







 さて、貞雄氏について語るという任は果たしたので、拙者への報酬をいただきたく存じますぞ。


 我がアニ研では人材が不足しているでござる。


 なに、そのまま入会しろとまでは言わぬでござるよ。


 ただ数日ほど、徹夜で手伝っていただければ――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ