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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

生きる意味

作者: 十六夜凛月

どうせ生きているからには、苦しいのはあたり前だと思え。(芥川龍之介)

「私など、生まれてこなければ良かったのです」

私はそう呟き、家族の遺影の前で懺悔をする。

この場所は、私が生まれ育った家である。

戸建ての昔ならではの雰囲気溢れる、和風住宅である。

12畳程の、小さな個室が遺影の置いて在る場所だ。

そこには仏壇、遺影、掛け軸と目立つ物が少ない。

唯一目立つ物は、仏壇の隣に在る生花であろうか?

目線を仏壇に戻すと、鎮座する遺影は皆、此方に微笑みかけていた。

「そんな自然な笑み、見るのも久方ぶりですよ…兄上」

私はマッチを擦って蝋燭に火を灯し、線香に分ける。

その後に、線香を香炉にそっと入れる。

線香は、私を無視するが如く、ただ上へと煙を上げているだけであった。

私はおりんをりん棒で軽く叩き、その後直ぐに目を閉じた。

チーン…という冷たい金属と金属の接触音が、部屋を支配した。

「不甲斐無い人物で済みません、どうか安らかに」

その音が止んでから、私はそっと目を開ける。

当然、眼の前の遺影は動かず鎮座していた。

「当然の話だが…もう、死んだ人とは会えぬのか」

涙は出ないものの、血の繋がった者が死ぬのは辛いことである。

人の死は、何時になっても慣れるものではない。

否、慣れてはいけぬものである。心優しい者は大抵泣くであろう。

だが、私は涙が出ぬ。家族が死んでも、微塵も悲しくない。

多分人が死んだら、他人事だと傍観するからであろう。

つまり、私は心優しくはないのであろう。


「さて、そろそろ書斎に戻らなければ」

仏壇前の座布団から立ち上がり、一歩二歩と進んだ。

そこにはもう目の前に襖が有り、此処から当然出る事が出来る。

「では、また後で供え物を持って参ります」

誰も居ない空間に言う程、虚しい事は無かろう。

勿論、遺影は別れの挨拶等は口にすることもなかった。

個室から出て、私は歩きながら独り溜息を吐く。

これから一人で生きていくのだ、と考えたからである。

妙に頭と胃が痛く、煙草でも吸ってこの問題を消したい。

だが、そんな煙草は記憶を消すための品物ではない。

危険薬物には手を出したくないので、今夜酒でも飲もう。

そう楽観的に考えても、状況は一向に変わらぬまま。

これから私は、どうなるのか解らない。

強いて言うのであれば、人生が嵐のように荒れ狂ったものに成るであろう。

此世は、絶望に満ちているのだから。

だから私の両親と兄は、事故に巻き込まれて死んだのだ。

対義語である幸福はどうなのか、と稀に言う者が居る。

だから、今私は此処で応答しておこうと思う。

幸福は、一時の精神安定剤だ。そんな感情は、私は必要無い。

何故なら、直ぐに効果は過ぎ去っていくからだ。

実質的な幸せは、此世には存在しないかもしれぬ。

他人からの目では、幸福な暮らしをしているとしても。

自分自身では、()()が足りないと感じてしまうのだ。

世界では、自分自身より不幸な人間が居るとしても。

色々な事を溜め込むと、自分自身が()()なのか解らなくなるのだ。

生活が貧しい訳ではない、家族に問題が有る訳でもない。

何故こんなに苦しいのか、皆目検討もつかないだろう。

何故そう思うのだ、と何度も聞く人も居る。

そんな時には、こう返すのが一番正しい解答だ。

「済みません、自分でも解らないのです」

私でも何故苦しいのか解らないから、申し訳無くそう返す。

その時に工夫するのは、ただ一つだけである。嘘を言うなら、道化になれ。

道化の顔を貼り付け、本性を暴かれないように、敬語を使え。

そして、それが苦痛にならないように、心の中の自分と違った一人称を使え。

そうすれば、自ずと自信の感情を隠せるぞ。今度、皆もやってみろ。

そう言えば大抵の人間は「それは苦しみと言わぬ」と言う。

その後に、諭すように「世界には苦しむ者が大勢居るのだぞ」と言う。

ほれ、引っかかった。これぞ、偽善者という名の蝿だ。虫唾が走る。

顔が引つらないように、同調の意を唱えてみせる。「そうかもしれません」

愛想笑いを浮かべて、話の話題を変えるのが、偽善者に対する対応方法だ。

だが、今更だが偽善者諸君に申したい…苦しみとはなんだ?

身体的苦痛? 精神的苦痛? それとも、ただの気の所為?

否、この苦しみは誰にも解らぬ私だけの秘密だ。

苦しみというのは、他人と共有出来るものではない。

だから誰かに協力してもらうという、生半可な考えは通用せぬ。

自分自身で解らぬ自分自身の問題は、解無問題に等しいのだ。

だが私の場合、解無問題だとしても途中までは計算してしまう。

何故、自分はこんな駄目な人間なのか?

どうして、周りの皆は此方を向いてくれないのか?

どうしたら、この人間は他人に認められるのだろうか?

そう考えて考えても、途方に暮れて疲れ果てるだけだ。

それを繰り返すだけで、誰も正式な答えを教えてはくれない。


「他人から認められるには、どうしたら良いと思う?」

友人との語らいの際、そんな事を相談した。

「簡単な話さ。自分が何とも思わなくとも、誇れるものを持てば良いのさ。

 きよしなら簡単に見付かるさ。例えば、んー。そうだな…詩や歌を書いたりとか」

悩みを相談した自分が馬鹿だと思った。

だが、話題を振ったには返答をしなければ。

できる限り、笑顔を見せて。相手を不安にさせないように。

「俺…やった事無いんだ」戯けた口調で、相手に悟られないように。

「やった事無いって?…ハッハッハ、正直に言うと俺も無いんだよなー」

ならばそんな事を言うな。君は一体、私に何をさせたいのだ?

「でもさ、切っ掛けとやる事は何でも良いと思うよ。お前は何でも出来るからな」

何でも出来るなら、こんな事で悩んでいる訳ないだろう。

少し頭に来た。「いい加減な事は言わないでくれ」

誠也は面に驚きを浮かばせ、その後、直ぐに苦笑いをした。

「酷いじゃないか。此方はアドバイスしてやってるのに」

相手はその後、何も言わなかった。

そうだ、この人物は自分だけが私の理解者だと誤認しているのだ。

腸が煮えたぎるような感じがする。此奴の顔面を殴りたい。

だが、道化は道化なりに嘘を言い続けなければ。

でも…私の理解者なら教えてくれ、「私は何をすれば良い?」。

誠也の前で本来の「私」が出てしまった。口を紡ぐ。

口を滑らせた。だが、口を塞いでも、もう後戻りは出来ない。

彼は私を見詰めた後、口元を笑わせて言った。

「やっと正直な質問をしてきたな」

そんな笑みを見せないでくれ。

私は、他人に本心を伝えるのが嫌いだ。

だが、これは特例であろう。自分から無意識に話してしまった。

私は自棄になって、もうどうでも良くなった。

「早く教えてくれ」もう正直に聞いて、早く終わらせよう。

「まずは何か実践してみる。それをずっと続けられば、それは誇れるものになる」

私はまた愛想笑いを浮かべ、誠也にこう言った。「そうか、やってみる」

それは口実だけだ。実際、今の今までやった事すらない。

それを予知するが如く、誠也は私に向かって盃を渡してきた。

「何をする気なんだい?」私は誠也にそう聞いた。

「君も酒でも飲んで、パーッと呑気に過ごせば良いさ。

 飲み過ぎは良くないが、楽しんで飲んだら嫌な事も少しは忘れられるだろう?」

誠也は酒を片手にこう言ったが、そんな事が出来たらどんなに楽であろうか?

私には嘘でも誇れるものも、忘れられる都合の良い脳等、何一つ無いというのに。

貧弱な体、特徴無い顔立ち、知識に偏りが有る、嫌な事は一度も忘れない。

そんな人など、この世界に大勢居るであろう。そんな私だ。

「お前は兄より優秀になろうとしているのか?…前に言った筈だ。

 優秀なのは、兄だけで良いと。お前は俺の下に居れば良いだけだと」

兄は笑わずにそう言った。兄のせいで私はこうなった。

だが、そんな事を言ったら父親が怒る。

「お前は従順なのが取り柄だろう、反抗する気か?!」と。

顔面に拳が来る。そして鈍い音が鳴る。鋭い痛みが残る。

父親の言う通り、兄はこんな唐変木と比べて、優秀な人材である。

健康な体、整った顔立ち、学は大人よりも上、自己肯定感が高い。

流石は学校を首席で卒業した者である。将来有望な逸材だった。

「まぁ、死んでは無いもの同然だがな」私は皮肉めいた言葉を呟く。


私は自分自身の書斎に戻り、万年筆を片手に持つ。

眼の前には大量の書類が、山積みにされ、処理されるのを待っている。

やりたくなくとも、やらねばならぬ。

それが、此世を生きる唯一の生存率を上げる方法であるのだ。

「独りでやるのは、少々骨が折れるな」

数時間が過ぎ、私は気怠げになり、少し庭に出ることとした。

庭は日本庭園のような広さと美しさが有った。

庭園の木陰に隠れている鹿威しは、カコンッと乾いた音を鳴らしている。

他にも八重桜の木が植えてあって、風情が有るであろう。

少なくとも、他人の目からすれば、そう見える事だろう。

だが、私は自然や芸術に関する興味は全く無い。

「私は、庭園に住まう虫や害獣が嫌いなのだ」

私は自分の服から、マッチと煙草を取り出した。

口で煙草を持ち、両手を駆使してマッチに炎を点ける。

それを煙草に移せば、煙草を吸うことが可能となる。

上空へと上がっていく煙は、まるで昇天する魂のよう。

「今日も、忙しくなりそうだ」

煙草を独りで吸いながら、空を見詰める。

薄灰色の煙が上がっていくにも関わらず、空は快晴であった。


書斎に戻っても、書類が足を獲得し、逃げていることもなかった。

何故冗談でそう言うのに、現実ではそのような現象が起きないのだろう。

私は一通り手紙や書類を見て、机へと突っ伏し、溜息を沢山吐いた。

「はぁ…」今更ながら、この作業をしていた父は凄いと思う。

しかもあの人は、話しながらでも仕事をしていた。

流石だ。私には程遠いな…今の自分と父を比べる。

そして気付く、威勢が足りていないのでは?

突っ伏している父を見た事がない…これか、父が格好良く見えた原因は。

確かに突っ伏したままでは格好悪いし、横の鏡を見て思った。

このまま突っ伏したままでは、ただの瀕死の病人のようではないか…


眉間のシワを解し、再度資料を見詰める。

しかし、書いてある内容が多過ぎるのだ。

「猫の手も借りたい…猫でも飼うか?…だが、私は動物も嫌いだし…」

再度机に突っ伏し、暫し動くのを止める。

先程煙草を吸ってから、もう二時間経った。

また煙草を吸うのは、流石に気が引けた。

少し前までは気にしなかったのだが…

珈琲でも入れるか、と考えたが豆が今無い。

仕方無いので、紅茶を飲むこととする。

一々お湯を沸かすのは面倒だが、やらねばならぬ。

使用人が居れば良いと思い、募集したのだが、未だに来る気配無し。

「こんな場所に来たい者など、現れることは無かろう」

紅茶は程良い温かさが有った。だが、まだ飲まない。

少し冷めてからが、私の好みなのだ。

資料を書きながら、私はふと思う。音楽が聴きたい、と。

無音空間では、作業は捗らん。海外から輸入した機械で音楽を聴こう。

この音楽の名前は解らぬが、実に良い曲だ。

なんでも、トランペット?…という楽器で演奏しているそうな。

私も何時か、生の演奏を聞いてみたいと感じた。

音楽に惚れ惚れしている場合ではないので、私は手を動かし続けた。

「この作業は私のためではなく、死者のためだがな」

死者は、仕事が出来ぬ。当然だろう。

だから、私は稼業を受け継がねばならぬ。これは運命さだめだ。

私は時計を見、今が夕刻だと気付いた。

道理で腹が減っている訳だ、何か食える物は有るだろうか?


台所へ行くと、小さな木箱が山積みにされていた。

これは両親の友人や親戚から受け取ったものだ。

「供え物や食料として使って」と言っていた。

当然、供え物としても活用している。

だが、大体食料として拝借してしまっている。

まぁ、実際母もやっていた事だから良いだろう。

私は慣れぬ手で包丁を持ち、料理を行った。

「うむ…こんなものか…」

案外上手くいった。私の長所は料理かもしれん。

だが、出来た料理には彩りが余り無かった。

母がどう彩り豊かな物を作っていたのか。

それは分からない。取り敢えず、野菜を加える。

幾分かマシになったが、母の手料理には敵わない。

何が違うのだろう…もしかして、経験か?


「いただきます」

12畳程の個室に戻り、仏壇から少し離れた机で食べる。

うむ、味は中々上手くいったものだ。自炊は良いものだな。

遺影の前には3人分の白米を少し供えた。

主食や副菜は上手くいったら供えるようにしよう。

まだ包丁の握り方も曖昧だ。今後に乞うご期待。

今の時刻は此処では分からないが、月は天の中央に居座っていた。

「さて、腹も膨れたし風呂に入ろう」

私は立ち上がり、食器を持って部屋を出た。

台所にある洗い場に、食器を置く。カチャン、と硝子の音が響いた。

蛇口を捻り、水を出す。冷たくて気持ち良い。

清々しい。水は、傷ついた心に澄み渡るようだ。

優しい手付きで食器を洗い出す。

食器は洗い終わった後、風呂場へと向かった。


ギシギシ、と床が軋んでいる。

そろそろ、家も建て替えなくては駄目か?

風呂は少し前に建て替えたのだが…

薪を持って来て、風呂を沸かす。

火はなかなかつかない。息を吐くのも疲れた。

諦めず挑戦し続けると、努力の結果、火はついた。

「嗚呼、疲れた」

湯船に浸かると、ドッと力が抜ける。

温かいお湯も自分が温かくしたもの、か…

独りで出来ることも、案外多く有るものなのだな。

料理、洗濯、掃除、仕事…やる事が多くて脳が溶けそうだ。

これ以上湯船に浸かっていると危険かもしれぬ。

私は湯船から出て、体を拭いた後、寝間着に着替えた。


昼間と同じ庭園でも、雰囲気は違うものだ。

夜だと日中より涼しくて有り難い。

遠くから虫の声が聞こえるが、風情は感じない。

ただ、耳障りな音だとは言える。早く静まってくれないだろうか。

虫は人間の言葉を知らない。ただ、無情に鳴き続ける。

「泣きたいのは此方の方だ」漢字は違うがな。

台所にあった酒を持ってきて、縁側で飲む。

前屈みをして自棄酒のように、豪快に飲んだ。

まぁ、量としては全然飲んでいないのだが。

夜風は肌寒かった。もう少し着込めば良かったかもしれぬ。

嚔をして自然と、座っている場所近くの沓脱ぎ石を見てしまう。

そこは兄と小さい頃に落書きを書いた場所だった。

昔は此処で兄弟仲良く遊んでいたな、と考える。

何を書いたか、なんてどうでも良い。

思い出が有るのが嬉しい。

兄と落書きをし、父に叱られ、母に慰められる。

これが日常だった。だが、それは突然終わる事となった。


兄の名前は秀一ひでかずといった。

兄弟は二人きりで、必然的に遊び相手は私だった。

当時、兄は12歳。私は6歳だった。

庭でかけっこをしたり、川で泳いだり、本を読んだり。

彼は私に色々な事を教えてくれた。嬉しかった。

教養のある兄が、私と楽しそうに遊んでいる。

それは、楽しい思い出だ。今でも思い出す程の。

そんな或る日の事だった、兄と私の関係が悪くなったのは。

兄は14歳になり、思春期へと突入した。

年頃の男は、大抵親に反抗するものであろう。

だからか、父親は要らぬ事を言った。

「お前は確かに優秀だ。だが、清の方が従順。

 お前は人間性としては、弟に負けているのだぞ」と。

その言葉を言ったのは兄を、元の従順たる優秀な男に戻したかったからであろう。

だが、それは逆効果だった。それを聞いた兄は、私を見て歯軋りをした。

そして、憎悪の目で私を見た。怖かった。兄のそんな顔は初めてだった。

「お前に色んな事を、教えなければ良かったよ。

 そうじゃなきゃ、お前の人間性がどうとか言われなかったのに」

兄はゆっくりと話し、最後私に物を投げた。額には血が。

「優秀なのは、兄だけで良いんだ。お前は俺の下に居れば良い。

 全て、俺が特出していなきゃいけないんだ。それが長男の特権なんだよ、清」

その後、兄は従順な元の性格に戻った。だが、私は。

「こういうものは、何と表せば良いの…兄上」

よく分からない感情が生まれ、一人苦しんでいた。

兄は教えてくれない。父親は此方を見ない。母は慰めてくれる。

だが、慰めてくれている途中に、兄が邪魔をしてくる。

「母上、そんな者は放っておいて良いんですよ。

 これは教育ですから、ね?…清も反対していませんし」

私を見る目は、まるで虫を見るかのような目であった。

私は母の傍から離れ、極力母に頼らないようにしていた。


家庭内環境は最悪だった。もう、あの頃には戻りたくない。


あの日以降、私達は一緒に遊ぶ事も、ろくに話す事もしなかった。

「兄が変わってしまったのは、私のせいなのだろうか?

 否、違う。私には何の才能も無い。落ちこぼれだ。

 なのに、何故彼は私に嫉妬をしたのだろうか…分からぬ…」

一人だと、話す相手が居ない。それだけは、少し悲しいかもしれぬ。

誠也等の友人は居るが、酒を呑みあったあの日以来、会っていない。

誰か、私を見てくれ。対面だと、嘘しか言えない、哀れな道化を。


だから、私は何度も仏壇の前に行く。取り憑かれたかのように。

家族は嫌いだ。だが、あの人達は何も言ってこないから気が楽だ。

此方の話を聞いているような、笑いかけているような遺影の前で。

死んでいるからこそ、嘘を言わなくて済むのだ。なんと楽なのだろう。

「夜遅くに済みません。また来てしまいました」

今の私の顔は、どんな顔をしているのだろう?

分からない。分からないけれど、醜い顔をしていると思う。

話したい。嘘で人を笑わせたい。周囲を明るくさせたい。

一人は嫌なのだ。誰か、私に、生きる意味をくれ。

人間よくなるも悪くなるも一寸の間だ。(泉鏡花)

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