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アーリア物語 ~神と白竜と私(勇者)~  作者: いちこ
エピローグ エピローグ
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エピローグ 仲間と友人たちと帰りを待つ者

 星歴1年1月、それぞれが新しい歴史の始まりを迎えて数日。モンスターの脅威は例年通りになり、平和な日常が戻っていた。


 クリフト王国ではリリー・ブラックヴェル、レオニス・フォルトハート両名の活躍に対し、その多大なる貢献に報い子爵の地位を与えるという異例の出世を果たす。しかし誰一人としてこれに反対をする者は居なかった。シズクは相変わらずリリーの元で侍女として働いている。


 ヨハンは白竜の宣布を聞き、ハンスの家族と喜びを分かち合った。アルトは宣言通りにその名をもってハンスの意思をこの世界中に示し名を残したのだ。


 エレノアは第一子を妊娠しており、現在は休業中だ。エリクは今ならアイツの気持ちが良く解ると出産を待ちわびているらしい。


 ヴィクターはと言うと、妹に先を越されてしまい置いていかれまいと精進しているようだ。最もこの姉弟に関してはその信頼関係にヒビ入る事はないだろう。


 ヨルマは「世界を救った冒険者の所属ギルド」として新人を積極的にスカウトしたいらしいが、エリクに大反対(説教)され大人しくしている。


 トーリンはその名を大陸中にとどろかせた。今や王都だけでなく各国からトーリンの腕を見込んでと鍛冶依頼が来るらしい。


 王立魔法学校はロッツ著の教科書が好評で、ハーコンもあれ以来生徒の伸びが楽しみで仕方ないと言った様子だ。ロッツはその名を知られて有名人になったが、その度にアルトの名前を出しているそうだ。


 エレナ王女はアルトとチッチに会えず寂しいと騒いでいるようだったが、嫁ぎ先が決まって今は落ち着いているらしい。だが時折あの美しい白き妖精の姿を思い浮かべてはリリベルと戯れている姿を見る。


 ガレス王は娘の為を思って心を鬼にして嫁ぎ先を決めたのだが、それはそれで気になるらしく相変わらず娘の世話を焼きたがる。年頃の王女様には酷な事だろう。


 フォルガーはストーンハースに戻り、その鍛冶の腕をトールバーンに認められ独立した。トーリンと同じく各国からの依頼で忙しく、それはトールバーンよりも目立つようになってしまった。


 キルケインは白き竜の守護者として、その身を捧げ魔族から竜人族へと変わった。同胞たちも同じくだ。その力を持ってアルトと白竜の守った世界をこれからも見守り続けたいと言っている。





 そして王国の西方、ハイエルフのシルヴィアが守護する森では相変わらずの日々が続いているようだ。彼女にとって長い人生、残りは600年とも900年とも考えられるがこれ以上の経験などないだろう。あの子以上に大切に思った人間はいないだろう。


 あのマナの竜と同じような白銀の髪と紫色の目をした男子の事を思い出し、今日もシルヴィアは森を守っている。変わったことと言えば、時折シズクが遊びに来るようになった。彼女はずっと待っているらしい。シルヴィアと同じように、あの少年…いやもう立派な大人であるアルトの帰りを。

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