好きだから、上手く彼に伝わらない! この想いどうしたらいい?
私には高校1年生から好きな男性がいる。
隣のクラスの海神君と言う男の子。
彼とは高校1年生の時に同じクラスになり私が一方的に好きになる。
さり気なく優しかったり、そういうところをあまり人に見せない
ように気を遣っていたり。
派手さはないけど、一緒に居て落ち着く感じがいい。
・・・でも? 高2になるとクラス替えもあって別々のクラスになる。
彼は今は私の隣のクラスになった。
あまり私からも彼からもお互い話しかけられないから、二人になって
も話す事がないし。
お互い挙動不審になってしまう。
“奥手”の二人が付き合っても上手くいかないのかもしれない。
それでも私は彼が好きなのだ!
『・・・あ、あのさ、』
『・・・う、うん、』
『今度二人で会ってくれない?』
『えぇ!?』
『・・・あ、うん、二人の時に話したい事があるから、』
『・・・あぁ、ううん、』
『じゃあ、』
『・・・うん。』
こういう時、“テンパって、ちゃんと伝えたい事が言えていない事に気づく。”
いつ会うのか? 何処で会うのか? 時間は? 待ち合わせ場所?
・・・何も私は彼に言えてない。
何とか勇気を振り絞って言えた言葉が、“今度二人で会ってくれない?”
という言葉だけだった。
震える声を必死に絞り出してでた言葉。
これだけでも私にとっては十分言えたと私自身を褒めてあげたい!
・・・だけど? この言葉だけじゃいつ彼に言えばいいのか分からない!
次会ったら? 今度はいつ会うか彼に話そう。
私が頭の中で、そう思っていたら?
彼が私の前を一人で歩いきた。
『・・・あ、あのさ、』
『前の話! 次の日曜日に、○○公園に、何時に来て!』
『えぇ!?』
『“約束!”』
『ううん!』
彼が私にそう言って通り過ぎて行った。
私はビックリして、彼が言った言葉を直ぐに忘れないうちにメモした。
彼はこういう時は、“男らしい”んだと気づく。
やっぱり好きになった人が彼で良かった!
*
・・・そしてドキドキの日曜日。
私は朝方まで彼と二人だけで会う緊張で眠れず、朝は何を着ていくか
服選びに悩み、彼と待ち合わせしていた公園に向かった。
『やあ!』
『おはよう!』
『・・・うん。』
『何処に行きたい?』
『えぇ!?』
『“少し今日は俺に付き合って!”』
『・・・あぁ、ううん。』
『取りあえず、見たい映画とかあれば観に行こうか!』
『あぁ、うん。』
お互い口数が少ないから会話があまり弾まない。
それでも私は彼と一緒に居れるだけで幸せだった。
彼の横に今日は居れる! “今日だけ私が彼を一人占めできる!”
ウキウキとドキドキが混ざり合って、感情がいつ爆発するかヒヤヒヤしていた。
『映画? 本当にあれでよかった? アクション映画だよ!』
『でも海神君、あの映画見たかったんでしょ。』
『えぇ!?』
『映画館の中に入ったら、ポスターに釘付けだったし。』
『・・・えぇ!?見てたの?』
『うん、だから私も海神君が観たい映画なら観たいと思って。』
『ごめん、俺に合わせてくれたんだね。でも今度は牧浦さんが食べたい
物を食べに行こう!』
『えぇ!? いいの? 最近、流行っているオムライスの専門店があるんだ~』
『じゃあーそこに行こうか。』
『うん!』
・・・でも? 流行っているオムライスの専門店の前では行列が出来ていた。
店員さんに何時間待ちかと訊いてみると?
“4時間待ちと言われて諦める。”
『海神君は何が食べたいの?』
『“中華かな。”』
『じゃあーそこに行こう。』
『・・・で、でも、』
『気にしなくていいよ、私も中華が食べたい!』
『ほんと!? じゃあ、行こうか。』
『うん。』
彼が私を連れてきた中華屋さんは、彼が子供の頃からよく行っていた
中華屋さんらしい。昔ながらの中華屋さん。
私は彼の好きなモノや好きな食べ物に興味がある!
好きな人が好きなモノを女の子は何でも知りたいモノ!
そういうのもいいなと、この時の私は思っていた。
『ごめん、俺が好きなモノばっかりで!』
『いいよ、私も海神君が好きなモノとか知りたかったし。』
『そう言ってもらえると良かったよ。』
『次何処行こうか?』
『待ち合わせした公園に行こうと思ってる。』
『えぇ!?』
『“だって俺に牧浦さんが話があるんだろう。”』
『・・・あぁ、ううん。』
『俺も話したい事あるし、落ち着いた所がいいと思って。』
『そうだね。』
二人で仲良く中華屋さんで少し遅いお昼ご飯を食べて、最初に待ち合わせ
した公園に着いた。
お互い公園のベンチに座り、どちらが話を先に切り出すか様子を
窺っていると? 彼から私に話しだしてきた。
『俺はずっと好きな子や彼女は要らないと思ってたんだ!』
『えぇ!? なんで? 海神君モテるのに、、、。』
『なんか女の子と付き合ったりするとその時間に取られて他に好きな
事とか出来なくなるんじゃないかとか考えてさ。』
『・・・あぁ! う、うん。』
『でも? なんか今日、牧浦さんと一緒に居てすごく楽しかったし
彼女が居るのもいいなって。』
『うんうん! 私も海神君みたいな彼氏が居たらいいなって思う!』
『えぇ!?』
『あぁ!?』
・・・この後、お互い照れて何にも話が出来ずそのままお互いの家に帰った。
“好きだから、上手く彼に伝わらない! この想いどうしたらいい?”
この悩みは? 少しは解消できたみたいだ。
はっきりお互い言わなくてもお互い何となく想い合ってる事は分かったから。
勿論! “この先、彼と付き合えるかは分からない!”
それでも私は彼と一緒に少しでも居たいと思うの。
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