私には聞こえる!“お姉ちゃん手を繋ごう”という少女の声が!?
私には聞こえる!“お姉ちゃん手を繋ごう”という少女の声が!?
私はそんなに霊感がある訳じゃないが、、、。
何処からともなく“霊の声が聞こえる。”
別に聞きたい訳じゃない! 見えもしない【霊】の事なんか誰かに
話しても、信じてもらえるはずもないからだ。
私の母親と7つ下の弟は、はっきりと霊が見えるらしい。
父親は、全く見えない人。
だから、私は母親と弟と一緒に居ると? 必ずこう言われる。
『何時も楠葉の横には、小さな女の子がべったりくっついているのね。』
『えぇ!?』
『“別に悪さする霊じゃないから、いいんじゃない!”』
『そうね、“何処から来たの?”』
【○○だよ。】
『そう、お父さんやお母さんは?』
【分からないの。】
『そう、だったら! お姉ちゃんにくっついてるといいよ。』
『ねえ、やめてよ!』
『大丈夫だよ! この子はいい子だから。』
『でも? “もう死んでるんでしょ!”』
『そんな嫌がんないの! この子が可哀想じゃない!』
『私の方が可哀そうでしょ!』
『まあまあ、喧嘩しないでよ。』
【喧嘩しないで。】
『そうそう、この子もそう言ってるよ。』
『自分より小さい子を泣かせないの!』
『ひょっとしたら? 生きてたら私よりも年上かもしれないじゃない!』
『・・・まあ、そうかも。』
『そうね。』
一応、声だけ聞こえている私も2人の会話に参加できるのだけど?
父親は、全く霊感がないから会話に入ってこれない。
だから、弟が父親が分かるように解説しながら会話する。
我が家では、殆どの会話が【霊】の話になるからだ。
会話に入れないと? 家の中では共通の話が出来ない。
全く霊感のない父親は、いつも何かしらの霊を連れて帰って来る。
それが毎日の会話になるのだ!
『またあなた! 家に連れて帰って来たの?』
『えぇ!?』
『何処で連れて帰って来るんだかな~』
『おじさん?』
『そうそう! 姉ちゃん正解だよ!』
『家に来ても何もしてあげれないわよ!』
【成仏したい!】
『あら? 物わかりがいいのね。』
『なになに?』
『お父さんはいいの!』
『本人がそう言ってるんだし! お母さん、この男性を
成仏させてあげようよ!』
『そうね!』
『・・・・・・』
霊がはっきり見える二人は霊が成仏したいと言えば、成仏させて
あげられる。
私には無理だけど。
そしてお父さんに憑いていた男性の霊は成仏した。
・・・でも? 私にくっついている女の子の霊は成仏したくない
のか私にずっと憑いている。
女の子の声は、毎日私に話しかけてくる。
【手を繋ごう】
【これいいな~】
【お姉ちゃん! お姉ちゃん!】
【おんぶして】
【これ欲しい!】
【お姉ちゃん! 遊ぼう!】
【ここに行きたい!】
私も、歳の離れた妹ができたいみたいで可愛いのだけど...。
他の人には一切見えない!
見えないから、普通に会話も出来ない!
外では、可哀そうだけど女の子ばかりが私に一方的に話している
状態がほとんどになってしまう。
家に帰ればやっと、普通に女の子と会話ができるのだが...。
『ごめんね。』
【いいよ! 分かってるから。】
『あなたは、他の人には見えないから! 外では会話できないの。』
【うん。】
『あなたは、本当にいい子ね!』
【お姉ちゃん大好き!】
『私もよ。』
いつも女の子が私にこう言うわ。
【お姉ちゃん手を繋ごう!】
この子の願いを叶えてあげられるなら? 私は叶えてあげたい!
でも? 流石に幽霊とは手を繋げない。
可哀そうだけど、本当にごめんね。
最後までお読みいただきありがとうございます。