マスゴミ②
マスコミの力とは何か。
情報拡散能力が特に目立つが、一番の力は拡散される情報の取捨選択である。
中には嘘の情報を流す事だと考える者もいるが、それは悪手。
調べてわかる範囲の情報であればすぐに嘘がばれてしまうのが今の世の中では、サウノリア王国の時のように自爆となるのがオチだ。
だから嘘を用いず都合の良い印象を作り上げるため、何を隠し、何を伝えるか。
それを選べることが、マスコミの一番の強みであった。
森に入れなくなったマスコミが行ったのは、自分たちが森に入れなくなったという情報の拡散である。
いつものように取材をしに行った。
それなのに、森への出入り禁止となった。
最初に流した情報はそれだけである。
この段階では、ほとんどの情報を隠してあった。
マスコミへの周囲の反応は冷ややかである。
「周囲の迷惑を考えない取材でもしたんだろう」
「いつも通り? あの、テレビとかで芸能人を囲むような取材? そりゃあ、嫌がられるでしょ」
「役に立たない」
世の中の8割が、マスコミを非難する。
もともとマスコミに対する信用度は、かなり低い。
ここまでは織り込み済みであった。
しかし時間が経つにつれ、マスコミに対し同情的な意見がわずかに出始める。
また、魔女の行動に疑問を投げかけられる。
「そこまでしなくてもいいじゃない」
「ちょっとぐらい話を聞きたかったな」
「まぁ、マスコミだし。アレを普通と思い込んでるんだ。しゃーないだろ」
同情的というか、マスコミに対し強い否定をしない意見。それらがネットに書き込まれていく。
そういった書き込みがされる理由の半分は、魔女に情報を出して欲しいという思い。
もう半分は、「強い魔女」だから「弱い一般大衆」に気を遣うべきだという考え。
中には、魔女を恐れ、嫌悪する連中も混じっていただろう。そしてただ強い誰かを貶めたいという腐った考えもあった。
それは魔女バブルという「魔女が正しい」「魔女は善人」という盛り上がりに差された冷や水。
世論は、マスコミによって巧妙に操作されていく。