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十字軍⑥/森の人③

「神様の名前を使う奴らもアタシの名前を使う奴らも、まとめて消えちまえばいいさね」


 結局、テロ活動をしている『森の人』は魔女によって処分された。

 余計な仕事をする羽目になった魔女は大いに怒り、テロリストを糾弾する。


 テロ活動が気に入らない、そこに自分の名前を使われればもっと気に入らない。

 魔女は一回制裁を加えれば十年は二度目がないだろうと思っていた。

 それがたった一年も待たずに二度目があったため、ちょっとではなく、本気で怒っていた。


 怒りの対象では無いアズ外交官は、そんな魔女を見て冷や汗を流す。

 自分が何かされるという事はないのだが、思わず距離を取りたくなる程度には近寄りがたい凶暴な雰囲気であった。



 しかしタイミング悪く、二度目の制裁をしてすぐに魔女の家を訪れたのだから、しょうがなかった。

 状況の説明と対応の協議をしたかっただけなのだが……。


「ああ。あの連中、懲りずにテロを繰り返そうとしていたからね。

 アタシが止めて聞かないくせに魔女信仰とか、巫山戯るんじゃないよ」


 ちょうど森の人がテロをしようとしていた為、魔女はそれを止めていたのだ。

 本当にアズは運が悪かった。



 制裁自体、魔女はやりたくないのだ。やらずに済むならそれで良い。

 なのに制裁をやらねばならないのでストレスが溜まる。


 放置はあり得ない選択肢だ。

 それは結果として森を危険に晒す。

 調子に乗った馬鹿と、馬鹿を危険視する連中に巻き込まれるようになる。

 本当に面倒くさいと魔女は思っていた。



「ああ。そう言えば、彼らは何故、十字軍にテロ行為をしていたのでしょうね?」

「森への立ち入り禁止が気にくわなかったみたいだよ」

「すみません。それがどういった理由でテロに結びつくか、分かりません」

「アタシだって知らないよ」


 なお、何故テロが起きたのかは誰も理解できなかった。テロリストは殲滅された為、もう誰も理解できない。

 テロリストの言い分とは、だいたいそんなものである。


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