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遠い場所から来た化け狸

荷物を置いた場所まで一旦戻り、少年の話を聞いた。

わからないことだらけだったけど、ひとまず話を聞いてから、質問をしようということになった。


「ニホン?聞いたこと無い国ね。

ダイガクイチネンセイ?って言うのもわからないわ」

「タヌキとバケダヌキと言うのも別物なの?」

話を聞いた後、わからなかったことを聞いているのだけれど…

「タヌキは動物で、化け狸は妖怪だよ。

化け狸は化けることが得意なんだ」

「ヨウカイ?バケル?」

聞いてもわからない。

「えーと、つまりタヌキと言う動物の進化系で、人に変化することができる……でいいのかしら?」

「妖怪は進化系じゃ無いんだけど、説明のしようがないから、もうそれでいいや。

あと、化け狐や化け猫と違って化け狸は人以外にも化けることができる、化けのエリートなんだよ」

バケギツネ、バケネコ………意味不明だけど、聞くと話が進まないだろうな。

「変化のことを【バケル】って言うのね?」

うん、そう。と頷く。

「で、ダイガクイチネンセイと言うのがガッコウって言うもので、教え処の大規模バージョンって感じかしら?」

「多分そう」

「そして、ニホンと言う国から転移してきた…ってとこかしら」

うん、そう。と頷いた後、少年から質問されて、今度はこちらが答える番だ。


「やっぱりここって異世界か。

もしかして…って思ったけど、日本人じゃない人種に見たことない植物、しかも言葉はペラペラ通じるし、服装なんかもテンプレな【冒険者】って感じだし、今時ではありえないレトロな弓や剣を持ってるし、さらっと魔物やお城とか言ってるし、途中からアレ?って思ってたんだよ。

ちょっと前から異世界モノって大流行してるし、そんな世界あるなら行ってみたいとか思ってたけど、化け狸で異世界転なんてしちゃったの、オイラが初じゃない?

オイラスゲーー!

あー、でもよくある神様との対話とか、チート能力とかは付いてないのかな?」

…………なんだろう…全っ然意味不明な言葉をぶつぶつ呟きだした……。

「ステータス オープン!

……やっぱりそんなのないのか。

ファイア!……ウォーター!………ヒール!

…………魔法も使えないのか、つまんない。

んー、んーー、あと異世界テンプレだと………はっ!ハーレムか?

このお姉さん筆頭に、ケモっ娘や、エルフなんかにモテモテになるのか?

よくある話だと、最初に出会った異世界人はハーレム要員だから、このお兄さんもなのか?

ヤバイなぁ、真っさらなんだよね、オイラ。

最初は手取り足取り腰取りしてもらわなきゃダメだから、まずはお姉さんからだよな。

お兄さんイケメンだけど、オイラ腐の要素ないから、ごめんなさいだよ」

………………そろそろ止めてもいいかなぁ。

姉さんの顔も無表情になってしまってる。

「…………ふー……。

この国に子供に手を出す人なんていないから。

それより何より、全くの範疇外!」

ため息からの完全否定。

「えーー、確かに二歳半だけど、子供じゃないよ」

「「二歳半!?」」

叫び声が姉さんと被った。

「あ、二歳半って化け狸年齢でのことだから。

生まれてから、と言うか人年齢だと、明日で19だよ」

「「19!!!!」」

再び叫び声が被る。

「19ってあり得ないでしょ!」

「12、3歳かと思ってたのに、ボクより年上?」

「えー、12歳とか酷くない?

確かにちょっと低いけど、165センチはあるんだからね」

ボクの身長はこの国の平均レベルの185センチくらいだ。

女性の平均でも170センチなので、男で165と言うと、成長期に入るくらいの子供の身長だ。

因みに姉さんは180センチ弱あって、女性では背が高く、コンプレックスを持っている。


「はーーーー……。

あなたが害のない生き物だと一応思っておくわ。

明日一緒に村へ連れて行ってあげる」

大きなため息をついた姉さんは、弓を手に立ち上がる。

「頭こんがらがってるし、何が何だかでモヤモヤしてるから、ウォーターボア狩りに行ってくるわ。

マコフォルス、この子のことお願いね」

あ、逃げた……。

ボクだって逃げたいのに、ズルイ。

仕方ないので、野営の準備でもしておこうと立ち上がると、視線を感じた。

「…………野営の準備するんだけど、手伝ってくれる?」

ボクが声をかけると、

「やったー!異世界冒険モノなら、野営はテッパンだよね。

テント張るの?魔物避けの罠でも仕掛けるの?

それともご飯の準備?

出来ることならなんでもやるから、教えて」

とても喜ばれた。

まあ、楽しそうならいいか。

★★お知らせ★★

連続更新は今日までです。

次回からは水曜、土曜の週2回更新となります。


次回9日水曜更新です。

暫くお待ち。

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