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幼馴染との再会

出店を見てはしゃいでいたコタが、突然立ち止まった。

「マコ、コタ、どうかしたの?急に立ち止まって」

前を歩いていた姉さん達も立ち止まる。

「いや、コタが急に動かなくなったから」

聞かれても答えようがない。

皆の視線を集めたコタが、震える手で前方を指差す。

指された方を見てみると、そこに居たのは一人の女性。

その女性もこちらに気づいて、驚いた顔をしていたけれど、驚き顔を満面の笑みに変えて近づいて来た。

「あら、あらあらあらあら、アスファリムにマコフォルスじゃない。

ツクリウリュートまで揃ってどうしたの?」

そこに居たのは、ボク達の幼馴染、19歳で結婚し、村を出たフルフラリフル姉さんだった。

会うのは5年ぶりになるかな。

「フルフラリフル!どうしたの?

何でこんな所に居るの!?」

驚いた姉さんの声が大きくなる。

「何故王都に居るんだ?

5年前南の村に嫁いだだろ?

旦那さんの仕事の都合か何かで引っ越したのか?」

リュート兄さんも驚いている。

するとフルフラリフル姉さんは、笑い出した。

「ふふ……ふふふふふふふ………。

こんな所で立ち話も何だから、私の仕事場に行きましょう。

人気の食堂なのよ」

笑っているけれど、何だろう…何だか怖い?

ボクだけじゃなく、姉さん達も固まってしまった。

「あらあら、大丈夫よ。

この時間はいている時間なの。

私も休憩中だから、遠慮しないでね」

フルフラリフル姉さんの笑顔が、見慣れた笑顔に戻ったからか、アス姉さん達も頷く。

「ええ、そうね。

私達の話も聞いて欲しいし、お邪魔させてもらうわ。

ね、リュート兄さん」

「あ……ああ、そうだな。

二人も紹介しないといけないし」

リュート兄さんがコタとミトさんへ視線を流すと、ミトさんは普通に頭を下げて挨拶をしたけれど、コタは固まったままだ。

「コタ、コタ…、本当どうしたんだ?」

肩に手を乗せ揺すってみると、ぽんっと軽い破裂音と共に、コタがタヌキ姿に戻ってしまった。

「「「「コタ?」」」」

4人の声が重なる中、コタはタヌキ姿で気を失っていた。


*****


フルフラリフル姉さんが働いていると言う食堂は、王城にほど近い、街の中心部に建っている大きな宿屋に隣接した、村にあるような規模の食堂の倍程ある、大きな食堂だった。

驚いた事に個室なんてのまであった。

「飲み物適当に持って来たわ。

遠慮しないで飲んでね」

テーブルに着いたボク達の前に果実水が置かれ、フルフラリフル姉さんも椅子に座る。

まずはミトさんの紹介、そしてコタも紹介……したいのだけれど、まだ気を失っているままだ。

どうしたんだろう?

それから、ボク達が冒険に出た事、村長の条件クリアする為と、旅の安全の為にもリュート兄さんをメンバーに誘った事を伝えた。

「それでリュート兄さんも一緒に行ってくれるって村長に手紙を出したの。

そしたら諦めてくれたみたい。

気をつけて無事に戻って来るようにって返事が来たわ」

「そう、本当に旅に出るのね、おめでとう。

ずーっと言ってたものね。

夢が叶って良かったわ」

「ありがとう」

姉さんとフルフラリフル姉さんが微笑み合うのを見て、ミトさんが小声で

「二人とも美しい。

けれどやっぱり俺は儚い美しさより力強い美しさが、生命力が溢れて感じるから良いと思う。

うん、やはり俺にはアスさんが一番だ」

などとボソボソ言っているけれど、皆聞かなかった事にしている。

「そう言えば皆、名前変えたの?

ツクリウリュートの事も違う名前で呼んでいたわよね?」

フルフラリフル姉さんに聞かれて、コタの正式な名前と、タローを使わない呼び方を考えた事、コタが名前が長くて覚えられないと言い、呼び名をコタが考えて、それが気に入ったから使っていると言う説明をした。

「あらあら、それなら私も呼び名が欲しいわ。

私なら【フル】かしら?」

フルフラリフル姉さんがノリ良く言うのに、アス姉さんが頷く。

「そうだと思うわよ。

名前の最初の二つを使うみたいだから。

ただリュート兄さんは何でもコタの好きな男性と顔が似てて、名前も似てるからって、リュートにしたんだって」

「しかもコタは『リュート様』と呼んだりしてるんだよね」

ミトさんがからかった言い方をすると、リュート兄さんは、ちょっと困った顔をする。

「様付けは止めるように言ったんだけど、とっさに出るみたいだな。

俺はそんな大した男じゃないのになあ」

いやいや、リュート兄さんは凄いです。

何てったってボクの剣の師匠のんだから。

「それで?

フルフラリフル姉さんは何で王都に居るの?」

自分達の話が済んだからと、ズバリと切り込んだ。

そこでボク達はとんでもない話しを聞くこととなる。

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