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卒業へ送る歌

永遠(とわ)の記憶(メモリー)

作者: 伊豆野音美

ほころび始めた 自衛隊の桜

見慣れた街が 少し違って見えた

だってもう この道を歩くことなんてないから

わかってるようで わかってなかった

この日がやってきたから


三年前がこんなに遠い

入学式とクラス発表 初めて見た顔

全員で飛びきった 初の大繩

自分たちで炊いたら 黒焦げになったご飯

地元の名所をみんなで巡った

先輩の圧倒する合唱


信じられないね 遠い過去なんだって


行事の隙間にあった 何気ない日常

他愛無いことでけんかして 仲直りするそんな日が

理由(わけ)もなく続くと思った


それぞれの夢みんな違う 

だから当然、道も違うだろう

「さよなら」の言葉のホントの意味を

わかってるようで わかってなかった

この日がやってくるまで


去年すらこんなに遠い

一週間の職業体験 初めての仕事

思った以上に多い宿題 部活

チームワーク意識の 球技大会と合唱コン

東京で迷子になったこと

先輩の跡を継いだこと


なんでだろう それも過去なんだって


行事の度にあった たくさんの練習

めんどくさくてすっぽかしたり

ヤなこともいい思い出になったと


それぞれの考えみんな違う

だから当然主張も違うだろう

「さよなら」の言葉のホントの意味を

わかってるようで わかってなかった

この日がやってくるまで


何もかも最後になるんだ 

志望校を探して悩みぬいた夜

修学旅行ではしゃぎまわったこと

完全燃焼の合唱コンで泣いて笑ったこと

仲間の合否に一喜一憂

夜中まで過去問解いて


もっと先だと思ってた わかれたくない


どこかに揺れてた 小さな恋の実

親友のくれたサヨナラの手紙

たくさんの思い出とともに 空へ


わかってるようで わかってなかった

この日はもうすぐ幕開け 

紙っぺら一枚の卒業証書 けどそこにすべての思いが


僕らの心の 永遠(とわ)記憶(メモリー)

いつまでも忘れないから いつまでも忘れないから


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