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暴走生命の世界 バイオロジカルウェポンズ  作者: 七夜月 文
14章 魔都侵攻作戦 ‐‐死と慟哭の街‐‐
552/798

寒空の下で 4

 そして物音ひとつしなくなるとスクリーンに映像が映され、舞台にライトが灯ると精鋭の制服を着た女性が二人たっていた。

 強化繊維の制服をきた金髪の女性が前に出てきて自己紹介する。


『精鋭の皆さん本日はお集まりいただきありがとうございます。作戦説明をしますのはわたくし、向日葵隊隊長アマノガワ・ハナビと王都技術開発部八重桜隊隊長、セングウ・キサキの二人で致します』


 アマノガワという単語に会議場が一時ざわつく。


「ねえねえフルタカ、あの子王都であった祝賀会で会ったよね」

「今は静かにしておけキイ」


 すぐに会場は静まり返りそれを待っていたハナビはスクリーンに映る映像を切り替えるように指示を出し説明を続ける。

 映されるのは燃え黒煙を上げるシェルターと大きな昆虫の群れ。


『今回の作戦は前もって王都で計画されていた魔都攻略作戦、相手は死の演奏家、アークエンジェル、クラックホーネットなどと呼ばれる蜂をベースとした災害種になります。強さは皆さま過去の話また戦闘に参加さられた方もおられますが、災害種の名前に恥じない強さを持っております』


 そして、次に分割された画像に種類の違う生体兵器の画像が映される。

 黄色と黒、赤と黒、黒と白の縞模様、色も形も大きさもバラバラだがすべて蜂型の生体兵器。

 蜂型の生体兵器、災害種、クラックホーネット。


『種類は近隣のシェルターの目撃情報。元工業系シェルターヒバチ、元工業系シェルターハギを襲ったもの、また開発系シェルターホウキでの目撃情報のデータより参照しリスト化したものになります。クラックホーネットは役割ごとに形が違い、獲物見つける偵察や小型で機動性を有する拠点の防衛小型、死骸を運ぶ輸送を行う中型、交戦する攻撃型の大型、そして旧首都に飛来して以来いまだに居場所すらわからない女王』


 一つのシェルターをその数で圧倒し攻め込みシェルターに住む人口の9割を連れ去った災害種。

 それから間を置かずに、別の災害種が襲ったシェルターから逃げる市民を襲撃し逃げ惑う多くの人間を連れ去った悪魔。

 その羽音が聞こえれば死が迫っていると人によって死の演奏家と呼ばれ、救いを持てお目逃げ惑う人々を連れ攫われる人間が天使に天へと運ばれるようだと皮肉を込めてアークエンジェルと呼ばれる生体兵器。


『一番厄介な点はやはり飛行型のシェルターであること、そして数が多いこと、小型のエクエリでは効き目が劣る硬い外骨格で覆われた昆虫型であること、強力な毒を持っていること、ベースが連携の取れる生き物であることで、生体兵器となったこれはそれがさらに強化されたことと並べれば次々と出てきます』


 次に遠目からとった廃ビル群。

 空にクラックホーネットにらしき昆虫型生体兵器が映っており皆が魔都の画像だと認識した。

 そのあとに上空からの魔都の写真。


『今映している画像は旧文明時代の魔都の様子で、国が壊れた今、建物は崩れ道も塞がり現在とは大きく異なってはいますが、今現在の画像は用意できませんでした。様子を見ようと飛ばしたドローンも操縦者のいるアンテナ車ごと破壊され、いまだに魔都内の様子は一切わからないままです。しかし魔都への進入路はあります。首都へと続いていた線路や大きな道路これらを通って魔都の中央を目指してもらいたい』


 大昔の地図に赤い手書きの線が加えられる。


『さて皆さんは今回の作戦で戦うアークエンジェル、いやクラックホーネットがなぜ旧首都を襲ったのかご存じでしょうか? 奴らは電波を感知し正確に攻めてきた、地上に出てシェルターができた今もシェルター内でしか通信はできず前線基地ですら護衛のつけたアンテナ車を中継地点に配置するか伝令を送ってではないと指示が出せない。それはなぜか電波を発生させるから、我々はそれを逆手に取り生体兵器を集める電波発生装置を開発。すでに生体兵器を引き寄せる試験に合格し実用段階に至った』


 スクリーンが上がりその後ろに控えていた大きな塊にライトの光が集まっていく。


『それがこの篝火です』


 いくつものライトに当てられる塊は白く四角い、近づいていくハナビの身長をゆうに超える大きな箱。

 排熱部やコントロールパネルように気持ち程度の穴が開いており、それ以外は装甲が張られた四角い箱の中に収められている。


『名前の由来は開発者ツタウルシ・カガリ様の名前からと、生体兵器を引き寄せることから命名。犠牲を払い廃シェルターヒバチより15個の人工知能の回収に成功。いくつか破損したものがあるものの11個の装置が完成。そして装置の改良により数新範囲の拡大と障害物を超えるほどの強い波を生み出し、この対空陣地、また海洋で待機している都市戦艦、ミカヅキ、ヨツハ、クズリュウの3隻への通信が可能になります。すると発信機による位置の特定、ここと海上からの空間燃焼気化弾頭付きミサイルで篝火周辺を一気に焼き滅ぼす、装置作動後は巻き込まれないように速やかな避難が必要になります』


 喋る彼女たちの後ろには3隻の都市戦艦の画像が映され、すぐにミサイルの画像に代わり、最後には薔薇の精鋭それぞれのシンボルマーク。


『黄、白、青、紫、橙。以上5つの薔薇の名を持つ精鋭には、縦2メートル、横3メートル、奥行き4メートルのこれを運んでいただき魔都の中央クラックホーネットの巣の近くに設置していただきたい。護衛には各地より集めた精鋭たちを同行させます』


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