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94 ゴジラ受賞! とアジア人差別について

 

 こんにちは。

 まずは「ゴジラ-0.1(マイナスワン)」!

 このほど第96回アカデミー賞で、アジア作品では初の視覚効果賞受賞! まことに、まこっっとに、おめでとうございます!

 結果を心待ちにしておりましたが、私も勝手に我がことのように喜びにあふれました。


 聞けば監督がこの賞をとるのは55年前のスタンリー・キューブリック監督以来だそうで。そういう意味でもひとつの偉業を成しとげられたのではないでしょうか。まことに喜ばしいことです。

 しかもそれが日本の特撮、そのキングたるゴジラで! 最高ですわ!


 ……さて。それはそれとして、ですね。

 今回、それやこれやでアカデミー賞の情報を探してみていた中で、少し残念な映像が世界を駆け巡っていることを知ってしまいまして。


 昨年は主演女優賞、男優賞ともアジア系のかたが受賞されていたそうなんですが、今回はその方が、受賞者へオスカー像を渡すという流れに。まあ毎年そうなんですよね、アカデミー賞って。

 ところが今年は、名前を呼ばれて壇上にあがった受賞者(白人男性)が、前回の受賞者であるアジア系の俳優さんには目もくれず、オスカー像をひったくるようにして受け取ってさっさと白人プレゼンターとの握手やハグをしに飛んでいった……ように、見える映像だったわけです。

 その後、アジア系俳優さんとも握手やハグをしている写真が回ってはいましたけどもね。

 ですから、少なくともこの件に関してだけは、私も「どっちかな? 単純に興奮しててうっかりそうなっちゃっただけ? 単なる切り取り記事みたいなもんかな……?」と慎重に考えてうかつな判断は避けておりました。


 ですがその後、SNS上では海外での経験が豊富な人たちがいろんな経験を投稿しはじめたのです。

 そしてくだんの俳優の態度を「ああ、あるある」「やられるよね、こういう空気みたいな扱い」と。

 旅行者として、ごく短期間だけ外国を訪れただけだと感じないことを、留学や仕事などで長期滞在してきた方々は肌で感じておられるらしい。


 かつてあったような、たとえば黒人に対するようなはっきりとしたヘイトや差別とは違うけれど、アジア人に対しては「まるでそこにいないかのように遇する」「はっきり無視する」というようなことをしておきながら、後で「差別だろう」と断罪されないために、さもフレンドリーにふるまって握手してみたりハグしてみたりする。

「ほら、ボクはキミを差別なんてしていないよ? わかってるよね??」みたいな、ある種の「圧」をさえ感じるような態度に出る。そういう「ポーズ」をする人というのが、一定数いるらしい。


 ひょえー。知らんかったわ~、と目から鱗が。

 私が勤務している地域の学校には、ALTの先生(大抵は外国人で、英語の授業で英語学習のサポートをする先生)がおられるのが普通ですが、その先生方からそんな無礼な態度を感じたことは微塵もなかったもので。


 あ、いや。ひとつだけ例外があったな。

 まだムスメが小さかったころ、当時ダンナが勤めていた会社の同僚たちが集まって、外でバーベキューパーティをすることになって呼ばれていったのですが。

 そのときダンナのチームで同僚として働いていたアメリカ人男性(白人)が、奥様とお子さんを伴って参加していました。


 わたくし、そんなに英語が堪能なわけではないのでドキドキしつつも「少しだけですが英語、話せます」とだけ言ってテーブルを囲んで食事をしたんですが。

 奥様はごくにこやかにゆっくり発音してくださった一方で、その男性いきなりめっちゃ早口で英語をまくしたててきた。とんでもない早口。なに言うてるかなんて当然わからへん。

 ……いや、これ意地悪だよね?

 完全にわざとやっとるやんな??

 と、確信できるレベル。


 今にして思えばそう思えるわけですが、そのときは「???」となるばかりで。

 これ、日本人の悪いとこですけども、ついへらへら笑ってごまかしてしまいまして。

 後でヒッジョ────にイヤな気分になり、後悔しました。とてもイヤな思い出として残っております。


 黙ってるのも癪なもんで、このことは後日、ダンナにも話しました。

 あ、ダンナも英語はあんまりしゃべれる方やないです。

 ほうしたら、


「あー。△△(その男性の名前)さんね。そーゆーとこあんねん、あの人」と笑ってるだけでした。

 メンタル強えな、ダンナ!

 腹たたへんの?

 いやあっちの人たちからしてみたら「英語もしゃべれへんオマエが悪いんやろ」っちゅう話なんやろうけどね?

 でもALTの先生がたのフレンドリーで優しい対応を見てたら「いや、絶対ちゃうわ!」という気持ちが年々強まってきてしまって。


「オレ(私)は白人だぞ、エラいんだぞ」と無意識にしろそうでないにしろ思っている、その傲慢さに辟易してしまう。

 まあさすがに「ここは日本やねんから日本語しゃべれ!」とまで言うつもりはないけども~。そこまで言うてもーたらこっちが傲慢ってことになってまうし~。


 あ、でもALTの先生は「カンジ、むずかしいですう」って苦笑しつつも勉強されてるもんなあ。可愛いし、素敵ですよね。ああいうほうが。

 やっぱり、その人その人で違うってことなんでしょうね。

 一律に「だから白人は~」とか言っちゃうのは、それこそ差別のもとですわな。

 自戒、自戒。


 ってなことをつらつらと考えてしまったアカデミー賞でしたあ。

 ではでは。


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