79 映画「妖怪百物語」
はいこんにちは。
今回は映画のお話~。
ほかのエッセイでもちらっとご紹介したのですが、あらためましてこちらで。
そもそもこれを観ようと思ったのは、地元で長年映画館をやってらっしゃる館長さんによるSNS上のスペースを聴いたことがきっかけでした。
もともと「鬼太郎誕生秘話 ゲゲゲの謎」を上映されていて、それに関連して、昭和の時代の「妖怪ブーム」に乗って作られたというこの古い日本映画を出してこられたところが、ものすんごくツウだなあと思いまして。
「妖怪百物語」は、なんと1968年製作の古い特撮映画です。
79分。原題は「The Humdred Monsters」。
安田公義監督、脚本は「大魔神逆襲」の吉田哲郎さん。
ストーリーのさわりをちょっとご紹介しましょう。毎度のことながらネタバレはなしです。
江戸時代、とある貧しい長屋。
大家さんの三十両の借金を理由に、豪商・利右衛門がその長屋を取り壊し、岡場所にかえようとあれこれと悪どい画策をしていました。
利右衛門は寺社奉行・豊前守と結託しており、とある夜、豊前守をもてなす趣向として百物語という怪談を語る会を催します。
これをするとき、最後にちゃんとつきもの落としのおまじないをしなくてはならない、と言い伝えられているのですが、傲慢な利右衛門はそれをせず、代わりにと出席した人々に大金をふるまいました。
その後、利右衛門たちは手下の悪いやつらを使ってあれやこれやと長屋のみんなを苦しめます。卑怯な手口で何人も殺されてしまう場面も。
やがて利右衛門たちグループの男たちに、少しずつ不思議な怖い事件が起こり始め……。
タイトルに「妖怪」とあるのですが、こちらはいわゆる時代劇としてしっかりと作られた内容だなと感じました。むしろ人間ドラマが中心。
全体に美術が素晴らしいです。小物までちゃんと当時のものらしい感じに作りこまれていて、もっとじっくり見られたらよかったなあと思いました。
当時の特撮ですから、色々ご苦労もあったろうと思うのですが、妖怪たちも不気味でよかったです。
また、役者さんたちがみなさんきりっとしていてお顔立ちや立ち姿も品がよく、発声や活舌が明瞭で。なにより鼻濁音がみなさんきれいでさすがだなと思いました。
あ、そうそう。
冒頭のテロップで出演者に「浜村淳」さんのお名前があったのですが、最後までどのかたが浜村さんだったのかまったくわからなかった……(苦笑)。
今しらべてみたところ、役名は「伍平」さんとなっていました。が、どれが伍平さんだったか今となってはよくわからない! 残念!
そもそも私が知っている浜村さんのお顔って眼鏡をかけてらっしゃるものばかりだし、ずっとお若いときの映画だろうしで……ムリもないんですが残念!
短い映画ではありますが、見ごたえはたっぷり。
機会がありましたら、どうぞご覧くださいませ。




