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66 某書籍の出版中止事案について その2

 

 はいこんにちは。

 今回は、もう少し前回のつづきのようなお話を。

 前回も言いましたが、この話題まだSNSで燃えております。


 それで、あれこれとSNSで見ていると、なにか大いに疑問に思うことが多くなってまいりまして。もう少し書いてみることにしました。よろしかったらお付き合いくださいませ。


 とある人とこの件でお話したとき、その人からいきなり「お前は差別主義者」と決めつけられわけですが、その人がこう言ったんですね。

「あの本が出版されることで死ぬ人が出る。だから出版には反対だ。自分も近いうちに死ぬだろう。自分が死んだらそれは差別をしたあなたのせいだからな」みたいなことをね。

 まあセリフはこの通りではなかったですが、これと似たような言い方でした。


 で。

 実は例の本が「デマばかりだ」とか「トランスヘイト本だ」と主張するグループの人たちって、言うことや態度などがこれとそっくりで、なにか一様なのですよ。

 要は、きちんと自分で資料を精査して判断してから、自分の言葉で語っているようには見えないのです。

 日本語としての出版は中止されたとはいえ英語版は出ているわけだから、まあ頑張れば全文読めないわけでもないのでしょうに、あれほど大声で批判するわりに、もとの著作をきちんと読んでいる人がほぼいないようにも見えました。

 しばしば「具体的に、その本のどこがヘイトで差別的なんですか」と質問されている場面をよく見たのですが、誰もきちんと答えない。

「どこぞの医者(あるいは科学者?)が科学的に間違ってると言っていた」というようなことや、お仲間のトランスジェンダーやその擁護をするグループの人々がそう言っていた……というような伝聞ばかり。ちっとも具体的な話が出てこない。

 それでいながら、そこまで激しく他人の著作を批判できる理由が、正直よくわからなかった。


 今でこそよく言われている「情報リテラシー」の観点からも、かなりあやふやな知識で批判しているように見えるのですよね、ほとんどの人が。

「あんな本が出版されたら死ぬ人がでる」というのも、みなさん口をそろえて言うけれど、「一体どこがどんな風に?」「あの本のどの部分が差別的なの?」と問われるとだれも明瞭に答えない。

 そうして、いきなり「あんな本の擁護をするなんてお前は差別主義者だ!」と決めつけをはじめる。処置なしです。


 本来、なにかをちゃんと批判しようと思ったなら、本だったらまず一次資料にあたるものをしっかり読むなりして検討し、そこから話が始まらなければおかしい。

 なぜきちんと読みもせずに批判や非難ができるのか? それも、非難している人たちは口をそろえて似たようなことばかり言っている。なぞです。

 やはりだれか、旗振り役の人がいるんでしょうね。

 この危なっかしさはなんなのか。

 なんとなく、全体に怪しいカルト宗教みたいな危うさを感じました。


 それはともかく。

 とある人が「その本のせいで死ぬ人がでる」「私が死ぬのはお前のせい」みたいなことを言ってきた時、私は少なからず失望を覚えました。


 なんというかね、そういうやり口って、毒親やらモラ気質のある人がよく使う手口やないですか。

 自分の喉元にこれ見よがしにナイフをあてて、「ほらほら、死ぬぞ。俺(私)がこれで死んだらお前のせいだぞ。どうなんだ?」とやる。あれにそっくりやなと。

 そうやって相手の罪悪感を誘い、そこに付け込んで自分の望み通りに動かそうとする。操ろうとする。そういう卑怯な手口。


 なにが不愉快かって、私はその「他人や自分の死を盾にして、相手を自分の思い通りに動かそうとする、相手の口をふさごうとする」という行動が不愉快きわまるのです。

 なぜかというと、私には過去に、本当にみずからの命を絶ってしまった友人がいたからです。

 彼女の人生には大変なことがたくさんあり、私だけでなく周囲の人たちは心配していたのですが、ある日突然、彼女はこの世を去ってしまった。

 その時彼女が「死ぬ、死ぬ」なんて漏らしたか?

 漏らしませんでしたよ。ひとりでいきなり逝ってしまった。


 彼らのいう「死ぬ、死ぬ」がウソやとまでは言いません。かれらが置かれている状況を考えれば、本当に死んでしまう人だって実際いるでしょうからね。

 現代がトランスジェンダーの人々が生きにくい世の中であることは事実でしょう。それで死にたくなってしまう場面だってきっとあるでしょう。それは気の毒だと思うし、今までは私自身もかなり同情的な見方をしてきました。

 でも、今回のことでかなり見方が変わってしまった。少なくとも、きちんとした理由も言えないのに他人の著作を「ヘイト本だ」「差別的だ」「デマばかりだ」と言いまくって出版できないように圧力をかけるようなタイプの人のことは、私は信用しませんし。

 さらには「死ぬぞ、死ぬぞ? いいのか?」みたいなことをやるようでは、もっと信用できないなと。

 生きにくいと感じているのは、なにもその人たちだけではないだろうし。


 やっぱり、相手を自分の思い通りに動かそうと、だれかの死を盾にとるやり方は卑怯だし、本当に亡くなってしまった私の友人のような人たちに対して、ものすごく失礼なことをやっていると思うのです。

 だから、こういうやり口を使って他人の行動を変えさせようとしたり、口を塞ごうとしたりする試みには、私は断固反対します。

 例の本については、とにかく本そのものをしっかり読ませてほしいし、多くの人の目で「本当に差別の本なのか」「トランスヘイトの本なのか」を検証するのが第一だと思います。


 今回もまた重い話ですみませんでした。

 ここまでお付き合いくださったかた、ありがとうございます。

 ではでは。


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