63 女性の仕事と子どものリスクについて
こんにちは~。
またもややって参りました!
今回もまた某SNSから考えたことが中心です。よろしかったらお付き合いくださいませ。
きっかけは、とある女性のコメントがバズっていたことでした。
その方はどうやらバリバリと外で働いているタイプのお母さんで、コメントの内容はこんな感じ。例によって意訳だと思ってください。
もとは、他のだれかによる「十分にお金があるなら、わざわざ子供を預けてまで働きたいと思う? 私は思わない」みたいなコメントがあってのこれだったようです。
「『子供を預けてまで働きたいか?』
はい! 働きたいです!
理由として
①子供は私の大切な人生の一部だが私の人生そのものではないから
②仕事で得られる達成感・人脈・社会貢献等々と、育児を通して得られるものの方向性などがまったく違うから。
③経済力を確保することはリスクヘッジになる。たとえば夫が働けなくなった場合などに役立つから。
④母が何かに真剣に向き合っているところや勉強したことを役立てているところを子どもに観てもらえるから。
大体こんな感じ。
別に価値観のおしつけではなく、ご本人は「みんな違ってみんないい」とおっしゃっていたので、これは別に構わないかなと。あくまでも個人の意見やしね。
で、こちらに多くの女性たちが共感して「いいね」が何万とついていました。
逆に、子ども時代のことを挙げて「私は母が仕事でいなくて寂しかったからイヤだった」というご意見も。
私も子ども時代、いくつかの理由からこれに近い感情があったのを思い出しました。
それでですね。
先ほども書きましたが、別に今回、真正面から反対するわけではない。この時代、女性だってしっかり稼げるに越したことはないからです。
けれど、なんだかいろんな疑問や不安が湧きおこり。
私はこういう話題のとき、なにより子どもの心と体、そして尊厳のことが心配になる人間なのです。
元コメントのかたの気持ちも言いたいこともまずまずわかる。わかるんだけど、じゃあそれで他人に預けられることになる子どもの気持ちや安全はどうなるんだろう、という不安がどうしてもね……。
私の母も、あの時代にしてはまだ珍しかったであろうフルタイムで働く母親でした。
看護師だったため激務のうえに夜勤もあり、子どもも三人いて、ダンナである父は家事などまったくできず(というかやらない)非協力的な、いわゆる「亭主関白」男。
母は相当忙しかったと思いますし、気持ちに余裕もなかったでしょう。まさに「毎日必死」みたいな感じだったのではと推測します。
当然、子どもは乳幼児期から保育園通いでした。
途中からは父方の祖母が一緒に暮らすようになり、末っ子の弟はあまり保育園のお世話にはならなかったように記憶しております。
母はそんな感じで非常に多忙なうえ、父は自己愛ばかりの人で子どもへの愛情など感じられないタイプの人間。その母である祖母もまた、末っ子の弟だけは溺愛するけれどあとの子どものことは無関心で、お義理で世話しているのが丸出しな感じの人でしてね……。
正直、子ども心に「この人、なんでウチにおるん??」と思っていたもんです。なんら気持ちのつながりが感じられない人だったので。
そんな人だからなのか原因と結果が逆なのかはわかりませんが、母との折り合いもよろしくなかった。ちょっとした言葉の使い方やなんかのことで衝突し、祖母が母に文句を言って泣いている……みたいなことが繰り返されていた記憶があります。
対して、遠方に住んでいてたまの休みにしか会えない母方の祖母が、これまた優しくてとても人間味のある人だったので、余計に不思議でした。「なんでこんなに違うんやろ?」と。
そんなこんなで正直、子ども時代の私は特に精神面では「放置されているな」と思い、寂しさを感じていたのを憶えています。
ところで、母親が仕事で忙しくしていて家を空けがちなことにはもう一つ、こういう問題もありますよね。
ちょいとここから、性犯罪がらみのイヤな話になるので、気になるかたはお気をつけください。
ある程度育ったところで、私は父から性的な虐待(「いたずら」とはあまり言いたくない)まで受け始めたという経緯があり。妊娠や出産とかいうところまでの酷いレベルではなかったものの、それでも「母が夜勤でさえなければ」とどんなに恨めしく思ったかしれません。
少なくとも夜に母がいたなら、あれほど頻繁にあんな被害にあったはずがない。ただ母が家にいてくれるだけでもストッパーにはなったはずです。そこはどう言いつくろったところでゆるがない事実やと思う。
最初の被害から十年以上もたって、ようやく母と上の弟に事実を打ち明けたことがありますが、母はだからといってあの男と離婚するわけでもなく、さしたる対応もとった風ではなく、なんとなく居心地の悪そうな顔をして聞き流して終わらせられた……という顛末も付け加えておきます。
ま、本人はまるで言い訳のように「お父さんにはちゃんと言うたよ」と言ってましたがね。その後も犯行が継続されたのですから、結局それはなんの効力もなく、意味のないことをしただけやった。
母の認識が甘っちょろすぎたんですな。要するにガキやねん。
優しい母親に幸せに育てられて世間の怖さもわからん、ただのお嬢ちゃんやったんやと思いますわ、今ではね。
母親が長い時間外に出て仕事で家を空けることにはことほど左様にいろんなリスクが存在し得る。
だから、あまり安易に「仕事やめないで働こう!」みたいなことを言ってしまうお母さんたちには不安を覚えたわけです。
「ちょっと待てよ」と。
「もうちょっとしっかり考えておくべきことがあるんとちゃうかな?」と。
だってキレイごとで済まんもん。
そら、ふつうのご家庭なら両親がバリバリ外で働いていても、保育園やら学童保育やらにお世話になりまくっていても、何ごともなく、愛情の欠乏も感じず幸せに育つお子さんはたくさんいらっしゃるやろう。
でもその一方で、残念ながら私のような状況になる子もいる。
今は私も学校で勤めていますが、かつて勤めたところでは、本当に父親からのレイプによって妊娠と出産を経験したというお子さんもおられました。
先生からそう聞いてはいたけど、私はどこまでも「知らない体でいてください」と言われて、そのように接していましたけどもね。
そら、全部のご家庭がそうではないし、全部の父親がそんな鬼畜であるはずはないけども。
そういう家やって現実にあるわけやし、そういう父親かって現実にいくらでもおるんですわ、悲しいけどね。
こと、この件に関してだけは「被害者がわずかなんだから目をつぶれよ、そこまで事前に考えとく必要はないやろ」みたいな話は通らへんしね。だれより子どもの人権問題やからね。
だから、せめてお子さんが自分でそれなりに身を守れるぐらいに成長するまでは、やっぱりきちんと親が、それもできれば母親が、そばにいて面倒を見てあげたり、必要な性教育をしてあげたりという、丁寧なケアが必要やと私は考えます。
そこすっとばして「自分のキャリア大事!」「お金ほしい!」「母親の自己実現大事!」みたいな話は、やっぱり通らへん。
それやったら子どもはあきらめてもらうのが、結局その子のためやないやろうか。
少なくとも私はそう思っていたし。「こんな育て方するんやったら、そもそも生んでいらんかったわ」てね。今じゃダンナとムスメと幸せに暮らしてるから、普段そんなことは思い出すこともなくなってるけどね。
大体が、うちの親は「デキ婚」なんで、そもそもろくに責任も取れんのに欲望が我慢できんタイプのしょーもないカップルやったんでしょうけどね。
あ、一応ことわっておきますが、キャリアが途切れる、収入が減るのは大問題よ?
子どものそばにいたくても働かざるを得ないお母さんたちのことはもちろん理解してますよ?
今はそういうお話やないんでお間違いなく!
「金銭的な余裕があってもなお、子どもを預けてまで働くか否か」ってことね。
子育てで仕事をやめざるを得ず、それでお母さんのキャリアが途絶えてしまうのは、日本の制度が遅れているから。問題はそこなのであってね。
そのしわ寄せを当の子ども本人におしつけて尻ぬぐいさせるのは、やっぱりおかしいよと。
それこそ、スウェーデンみたいに男女とも同じように育休を取ることが義務づけられていて、仕事に戻るときには以前と同じポストに戻ることが当然、というスタイルにしていくのが望ましいでしょう。
ご家庭でいろんな理由はあるのでしょうけど、ある程度収入があるのであれば、わざわざ乳幼児のうちから保育園等にあずけてまでお母さんが外で働くのは……まあ、子どもの心と体の安全が「完璧に」担保されるならOKやけど、そうでないなら少し立ち止まってよ~く考えてみたほうがええんちゃうかな、と私は思います。
まずは子どもファースト。
子ども作った以上はまずそれであって、親の自己実現やらなんやらはちょいと脇へ置こうか? 一旦でええからさ。
それか、ちゃんと子どもの安全のための手立てを考えるかや。
それがワガの私利私欲でできへんねやったら、アナタ自身がまだお子ちゃまってことやから、子どもはあきらめよし。
子どもは子ども育てたらアカンよ。
と、そんな風に思いました。
あ、そうそう。
なんで「できたら母親で」って言うかっていうと、昨今の子どもが巻き込まれる事故案件をいろいろみていると、どうもね……男性って小さな子どもの面倒をきちんと見ることに向いてないように見えるからです。
夏の水難事故でお子さんが亡くなる悲しいニュースでは、しばしば「父親と一緒にでかけていたところ……」って報道されますやん。あれが母親やったら、あそこまでの事故になっていない可能性があるということちゃうかなと思っていて。
以前に読んだ「スマホ脳」という本で、人間の脳というのはこの一万年ほどほぼ変わっていないとありました。
一万年前の人類は、基本的には男は狩猟などの仕事、女は自分たちの集落であつまって子育てや家事全般、木の実の採集などをしていた……と考えられていますわな。あ、もちろん女性も狩りをしなかったわけやないようですが。
男性はだから、どうも小さな子供の様子を丁寧に観察して、その安全を見守りつつ細やかに世話するには向いてない脳をしてるのかも? と私は考えております。もちろん得意な人もおるやろうし、努力次第で向上もするでしょうけどね。これは傾向の話。
特に乳幼児など、本当に細やかな世話が必要な子どもについては、やっぱり母親が見てあげないと、最悪、命に係わることも起こってしまう(確率が高くなる)。
だから敢えて「できれば母親が」と私は言います。
なぜなら子どもの安全が最優先だから。
……ふう。
なんだかんだ、今回もかなり長くなってしまいましたね、すみません。
皆様はどのようにお考えになるでしょうか。
ではでは、今回はこのあたりで!




