62 美ママとおばさんママについて
というわけで(?)ただいま旅行中なわたくしなんですが、「今日はホテルでこの旅行のエッセイ書こかなー」と思ってたら、某市でお昼ごはんを食べにお店に入ったタイミングでSNSの変なコメント見つけて、いきなりモンモンとしてもーた。
……てなわけで、今日はこちらの更新です。よろしかったらお付き合いください。
コメント主さんは、別に私とはなんのつながりもないどこぞのママさん。三十代らしい。めっちゃ年収があるらしいけど、まあそれはどうでもいい。
この方が、土日にとあるフードコートに出掛けたときの感慨を綴っておられた。
要約するとこんな感じ。
「子どもがいて同じ30代でも、美ママの人とイケてないおばさんできれいに分かれてるなあ。そしておばさん妻には100パーセント、イケてない夫がくっついてる」
いや大きなお世話やろ。ってなわけで、案の定燃えておりました。そらそうやろ……(苦笑)。
だって文面が明らかに後者を嘲笑ってましたもん。
こう言うからには、ご本人は仕事もバリバリやって子育てもしていながら、自分自身のお手入れも怠っていない「美ママ」なのでしょう(いや単なる釣り垢かもしれんけどね・笑)。
SNSでは客観的に判別もできないわけですが、少なくともご本人はそう自負しているのでしょう。
これに対して
「ほっとけよ」
「そんなふうに他人をジャッジするなんて、メンタリティが中学生どまりですか?」
「ダサくて悪かったな! 子どもに汚されるから、敢えて汚い格好してるんや!」
などなど、辛辣に反発する声がかなり聞かれました。
逆に、
「忙しくても、もっと自分のことも大事にしなきゃな……」
みたいな反省の声もいくつか見られました。
さてさて。
私はね……うーん、別に、当該SNSのルール違反をしてるわけやなし、フードコートでこの人がどんな感情を持とうが、それをSNSに流そうが、基本的には自由やから構わないと思う。
思うけど、当然ながらそれに対する反発や批判をされるのも仕方ないかなとも思う。
私がまず思ったのは、この方は「ママ」ってことやったんで、この人のお子さんが気の毒やな、ということでした。
大人、つまりこのママのことはもうエエねん。何を考えて生きてようが自分の責任やし、自分のやったことは自分に返ってくるだけのことやし。もうエエ大人やねんからね。
三十もだいぶ過ぎて、人からちょっとなんか言われたからいうて、人間なかなか自分を変えられるもんやないし。
よっぽどのことでもあって、本人が死ぬほどの決意でもせんと、そうそう変われませんやん。だから大人はほっとくしかない。冷たいようやがこれはもうしゃあない。
脱線したので戻します。
子どもって、とくに幼いうちは親の価値観にどっぷり浸かって成長しますやん。否が応でも、普通はそうですわな。親も子を選べませんが、子どもはもっと親を選べへんし。
この人のお子さんは、外出先で他人をこんな風に観察して心のなかで小馬鹿にし、SNSで全世界に向けてその内容を発信するようなお母さんの価値観に、ずっとさらされて成長するわけですわな。
うわ、きっつ。
想像したら頭痛がしてきましたわ。めっちゃ気の毒。
「おばさんママのとなりにはイケてない夫が」という発言からして、ご本人には大変「イケてる」ダンナさんがいるのでしょうが、「類友」の習いもあるように、きっと価値観の似通ったダンナさんなのでしょうし。
うわ、キツさが累乗するやん!
そのままなんの疑問も持たずに成長したら、その子はこのママさんのような価値観やメンタリティを当たり前と思って生きる大人になるんでしょう。
表面上の友だちはたくさんできても、たぶん根底の部分で人には嫌われるので、幸せになりにくいかもしれません。
そのまま行ってもーたら、相手や自分の見てくればかり気にして、肝心の中身がとてもお粗末な大人が爆誕するのでしょう。
若いうちはだまされる人もいるでしょうけど、そのうち馬脚を表してしまって嫌われたり捨てられたりするかもしれない。
逆に思春期になって、友だちとの関係や読書などから次第に「うちのオカン、サイテーちゃう?」と気づかれてしまった場合。
こっちの方が希望があるとはいえ、これはこれでお子さん本人がかなりしんどい思いをする羽目になると思われます。
私もそんな感じやったんで(親が両方とも、まったく尊敬できないメンタリティの人間だった)、ついそんなふうに想像してしまうわけですな。幼稚な親を持つと子どもが苦労しますやん。
それこそ「余計なお世話」やろうけどね。
なんにしても、自分の人生を選んでいくのは結局のところ子ども本人やし。
お子さんが成長した暁に、
「ママが年のわりにきれいなんは、ママの努力の結果なんやろうし凄いと思う。そこは尊敬する。でも、それ以上に中身をもっと磨いている、人間として賢い母親が僕は(私は)欲しかった」
なんて、情けないこと言われる母親になっちゃったとしても、まあ後悔せんといてねーとは思う。
今はちょいとチョーシこいて他人を見た目で判断して悦に入ってるんやろうけど、自分が「アリとキリギリス」のキリギリスさんになってへんかどうか、よーく考えはったほうがええかもしれん、この「美ママ」は。
数十年後に泣いたとしても、もうとっくに後の祭りやからね……。
と、今回は旅先のホテルでそんなことを考えておりました。
ではでは~!




