60 某アニメ・性加害シーンについて
こんにちは。
今回もまた、のんびり参りましょう~。
今回はこれ。やっぱり某SNSで燃えてしまった某アニメと、それをとりまく人たちに関する考察となっております。よろしかったらお付き合いくださいませ。
最初にこの話題を目にしたのは、とある人がとあるアニメの一場面の動画をSNSにあげていたことがきっかけでした。
あいや、ここで先に断っておきますが、他人の創作物、マンガでもアニメでも、製作者など著作権を持っている人や団体の許可なしにその一部または全部をSNSなどに公開してはならないことになっています。著作権の侵害になるので、立派な犯罪行為なんですよね……。著作権者によって訴えられたら即負けますので、やめておいたほうが吉です。
SNSではそれをよく知らずに、本当に気軽にマンガの一場面やらアニメの一場面を切り取って流す人をよく見るのですが、困ったものです。
さてさて。
そんなわけでともかく、とあるアニメの一場面が切り取られてSNSに流されました。
流したのは恐らく男性でありオタクであろう人。「最初からクライマックス」(?)とか「フェミに燃やされそうw」とかいうコメントが付いていたような記憶がありますが、そこらへんはよく覚えてないです。
それで。
それがそのまま、実際に多くの人によって拡散されてしまいました。多くの「いいね」もつき、ブックマークも非常に多くされていたようです。
そしてこれが、元のコメントを流した人の予想通りにというか、燃えてしまったわけです。
もと作品についてはいわゆる「なろう小説」が原作のファンタジーアニメとのことで、本来はもう1年以上前に、深夜帯に地上波で放送されたものだったそうです。
ここでは敢えてタイトルは載せませんが、こちら作品には冒頭で美少女たちが暴漢に襲われてレイプされかける……という場面があるのです。流されたのはその部分を切り取ったものでした。
言葉で説明するのは難しいのですが、なんというか……女性や過去に性犯罪に遭ったことのある人が見ればぞっとするような表現であるのと同時に、観る人(多くは男性を想定されていると思われる)がセクシーな場面として、あくまでも「エンタメ」として楽しむために制作された、と理解できる表現でした。
その証拠になるのかどうかわかりませんが、SNSでの男性たちの反応は「エロい」とか「(自慰行為のスラング)できるww」といったもののオンパレード。
要するに、AVでよくあるレイプものを消費するのと同じような反応というのか。
このアニメは、一応深夜に放送されたとはいえ全年齢向けであり、地上波で放送されたものでした。
個人的には、一応深夜帯である……ということで、ギリギリ「ゾーニングされている」と理解できないことはない、という立場ですし、「すべての創作物からレイプシーンを取り除け!」みたいなことも言うつもりはない。
物語の展開上、それがどうしても必要なことはありますし、製作者側に「女性がレイプされているシーンを見させることによって観客を性的に興奮させよう、楽しませよう」という意図がなければ問題があるとは思いませんし。でないと、そういう社会問題を扱った作品が作れなくなっちゃいますからね。
たとえば「ベルセルク」というマンガ(アニメにもなっていますね)には酷いレイプシーンがしっかりありますが、あれは非常に「酷い暴力」として描かれていると個人的には思います。まあエロいかエロくないかと問われればエロいかなとは思うけれども、もともと青年誌で連載されている作品でもあるし、あちらも深夜枠での放送でしたしね。
いずれにしても、主人公ガッツ自身も少年時代に被害に遭っていて心に傷を持っているし、レイプ被害にあう女性キャラもひどい心の傷のために心神喪失のような状態に陥り、その恋人であるガッツは彼女の負わされた傷や痛みといっしょに向き合うことになる……という展開なわけで。
あれならば「レイプを楽しいエンタメシーン」として製作者が扱っているとは思われない、と私は思います。
ほかにもSNSでは「はだしのゲン」や「残酷な神が支配する」や「バナナフィッシュ」など例が挙げられていましたが、いずれも性行為を描いてもそれで見る人を「性的に興奮させて楽しませよう」とはしていない、という大きな共通点があるかと。行為そのものもはっきりとは描かれていない作品も多いですしね。
けれども、くだんの作品はそうではなかった。
女性が思わせぶりな赤い顔をして嫌がってはいても、やっぱりAVのような性を弄び、観客を性的に興奮させて楽しませる意図が見えるものでしかなかった。無駄にチチが揺れてる(ヒジョーによくある・苦笑)とか、そういうのが好きな男性好みの表現がいっぱいでした。
暴漢はすぐに主役であるヒーローによって「成敗」される、まあよくあるパターンではあるのですが、「だからいいのだ」とはならないだろう、というのが大方の女性たちのご意見。
まあ私個人は、「きちんとゾーニングされていればよかったのに」ぐらいな感じですけれどもね。こういうエンタメが世の中からなくなることはないだろうし。一番悪かったのは、これを切り取って拡散した人であるのは間違いがない。
江戸時代にだって、いわゆる春画のようなエロコンテンツは存在していた。
性的な欲望というのは、人間の本能のひとつでもあり、ただただ規制すりゃあいいってものでもない。
それがあることによって、現実に生きている他人を無理やりレイプするような人が少しでも減るというのなら、それはそれで存在意義がないとは言えない。そういう立場です。
それはそれとして。
なんかしょっちゅう「ああいうものが無くなると性犯罪が増えるぞ? いいのか? いいのか?」と反対意見を述べている女性に対して脅迫めいたことを言っている男性アカウントが散見されるのですが、あれもどうなんやと。
わたくし個人的にああいうタイプの人を「イイノカ星からきたイイノカ星人」と命名しましたわ(笑)。
だから別に、「描くな」「作るな」とは言わない。そういう作品が世の中にあってもいいだろう。というか、やっぱり必要な人がいる以上、なくてはならないものだろう。
ただ最低限、ちゃんとゾーニングはしようよと。
江戸時代だって、老若男女が普通に行きかっている場所で春画を見せびらかして大喜びしていたら大いに顰蹙を買ったことでありましょうから。
と、今回はこんなことを考えておりました。
みなさんはどのようにお考えになるでしょうか。
ではでは、今回はこのあたりで~!




