「ワナビ」のこと
今回は、前出の「日記をかくということ」の補足のような感じです。
毎日日記をかく、という話は前回もさせていただいたわけなのですが、少し書き忘れたことがありましたので。
実は昨年(2015年)、私は西郷隆夫さんという方の講演を聞く機会に恵まれました。
ご存知のかたもいらっしゃるかとは思うのですが、西郷隆夫さんは、かの西南の役や司馬遼太郎さんの小説「翔ぶが如く」などでも有名な、あの西郷隆盛の曾孫、つまりひ孫でいらっしゃいます。
ほかにも数多くの有益なお話はあったわけなのですが、そのお話の中で、ひとつ、こんな事がありました。
「なりたいもの、やりたい事、成し遂げたいことがあるときには、それを書き続ける、言い続ける」ということです。
少し補足しますと、それは単に「〜になりたい」と周囲に意思表明するというだけのことでなく、もう既に自分がそうなったかのように表現するということだそうです。
たとえば、小説家であれば「小説家になりたい」と言うのではなく、「私(俺・僕でもかまいませんが)は小説家になった」あるいは「私は小説家だ」、という風に。
時制が過去や完了になって、すでに実現したかのように表現しているところが違いますよね。
しかも、それを毎日五回、たとえば日記や紙に書き続けたり、周囲の人に言い続けたりするのだそうです。何か成し遂げたいことがあるのなら、そうしたことをやり続けるだけの力というか、気力というものが必要だと、それがあればいずれ実現する、いや気付けばもう実現しているのだと、そういうお話だったかと思います。
この「小説家になろう」に小説を載せている方には、所謂「ワナビ」と呼ばれる方が多いのだろうなとは推察するのですが、もし読者さまの中に「小説家になりたい」と思っておられる方がいらっしゃるなら、是非、実行されてはいかがかなと思います。
別に小説家になるつもりなどない方は、たとえば「小説家」のところを「優しい人」とか「勇気ある人」とか、なんでもお好きな形に置き換えて考えられれば良いのではないでしょうか。
勿論、そうなるための努力は十分にした上でのお話ではあるのですが、なにかひとつ、お役に立てるお話なのではないかなと思い、ちょっと紹介させていただきました。
ちなみに、隆夫さんのお話だと、司馬遼太郎さん原作でドラマ化された「翔ぶが如く」は、半分ぐらいは嘘であって、テレビのために脚色されたものです、とのことでした(笑)。まあ、言わずもがなではありましょうか。
今回は補足のため、ここまでと致します。
以下は、当日配布されたパンフレット記載の西郷隆夫さんのプロフィールから引用したものです。
よろしかったらご参照くださいませ。
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西郷隆夫さん プロフィール
1964年神戸市生まれ。 現在、鹿児島県鹿児島市在住。
本籍鹿児島県。中京大学法学部法律学科卒業。
87年㈱大丸松坂屋百貨店・食品部入社。2009年に同社を退社、
フェスティバロ社入社。2014年3月に㈱開墾舎設立。
西郷家にまつわる作品やグッズの販売をもとに、鹿児島に根付く郷中教育の伝統、明治維新を中心とする歴史や南国文化、薩摩の誇りを多くの人に伝えている。
座右の銘は「敬天愛人」
ちなみに私は、「ワナビ」という単語の本当の意味を、つい最近知りました……。
ダメですね~、あはは……(苦笑)。