53 映画のハナシ「ミステリと言う勿れ」
はいこんにちは~。
今回は映画のおはなし!
ちょっと前に、ダンナとぶらっと観にいってまいりました~。
ネタバレはなしですのでどうぞよろしく。
こちら「ミステリと言う勿れ」は原作のある作品で、もとは何かというと、少女漫画の巨匠・田村由美先生によるマンガ作品です。2022年にテレビドラマ化されて人気が出、今回の映画につながったということのよう。
実はわたくし、テレビドラマになる以前から原作マンガの存在は知っておりました。電子版のほうで、冒頭が少し無料になっていたタイミングで読ませていただいたのです。
もともと田村由美先生の作品は好きでして。初期作品「巴がゆく!」は後年から追いかけた感じですが、その後の「BASARA」「7SEEDS」などなど出される作品が本当に名作ぞろいですよね。一時期、有名どころ以外の作品もかなり読ませていただいていた読者のひとりでございます。
ただ田村先生の作品は、なんというかちょび~っと「説教くさい」感じというのが初期のころからありまして、わりと読者を選ぶ感じではありました。初期のころはそれでもだいぶ薄めだったし、まずはエンタメとして成立させようとなさっていたかと思うのですが、先生ご自身がお歳を召したためもあってかこちらの「ミステリと言う勿れ」(2018年~)では、よりその「説教くささ感」が強まった感じが。それで、私自身は少し敬遠ぎみだったのです。
んが!
テレビドラマになった「ミステリと言う勿れ」はその感じをうまく薄めて(おそらくは脚本・演出のかたと、主役・久能整くん訳の菅田将暉さんの演技に負うところが大きいかと)エンタメ作品として成功していて。全編とても楽しく拝見したのでした。
主人公は天然パーマがトレードマークの大学生、久能整くん(菅田将暉さん)。本人はカレーが大好きで「ぼくはただの大学生ですよ」と言うのですが、ぼんやりしているようで非常に頭が切れ、さまざまなトラブルや事件をいつのまにか解決している……という不思議なミステリー作品です。とはいえ「ミステリと言うな」と言われているのでそう呼んでいいのかどうかは謎(笑)。
特に菅田将暉さんの整くんはコミカルでユーモラスなシーンがとてもうまくハマっている感じで好感度がものすごく高い。彼が言うと、なにやら説教くさいセリフでもわりと自然に耳に入ってきてしまう。そこがスゴイ。
ともかく全体に、登場人物のいろんな立場や考え方や気持ちを丁寧い追っている作品という印象です。
ダンナは普段あまり日本の映画は観ない人ですが「●さん(私)が行くなら行く」と言いまして、一緒に観にいくことに。
映画の公式サイトを見ると、今回の映画になった部分は原作マンガで読者から「広島編」と呼ばれていて人気の高い部分なのだそうな。
テレビドラマの最後で、整くんが「行きたいと思っていた広島の美術展のチケットをたまたま手に入れる」というエピソードがあるのですが、映画はその続きから始まる感じ。
広島でその美術展に行き、ついでに広島のあちこちを観光していた整くんでしたが、彼をずっとつけてくる女子高生がいました。
彼女は狩集汐路(原菜乃華さん)。代々、遺産相続争いの中で必ず死者が出ているという狩集家の遺産相続候補4人のひとりでした。
整くんはこの遺産相続事件に否応なしに巻き込まれる形に。
このほか、インテリ系メガネ男子に町田啓太さん、ヤンチャ系男子に萩原利久さん、専業主婦で小さな娘がいる母親に柴咲コウさん。ほか、錚々たる出演者のみなさんが登場されます。
実は彼らの親にあたる人4名が、すでに8年前、一緒に車に乗っていたとき、崖から転落して全員死亡しています。当時は事故として処理されてはいましたが、こちらにも不審な点が多く……。
少しずつ小出しにされていく事実、テンポのよい展開、過去へとさかのぼるほどに次第にわかってくる狩集家の恐るべき謎……! 最後はすべての伏線がきれいに回収!
スタイリッシュで独創的な演出をするという松山博昭監督と素晴らしい演者によって、緊張感のある決してダレないストーリーがどんどん展開されていきます。
ほかの邦画作品では「これ、わざわざ映画にする必要あるの……?」みたいな辛口コメントもわりと言っちゃうダンナですが、こちらに関しては「面白かった~」と。
うん、本当に面白かった!
ミステリ作品なのでネタバレしないで語れることはほぼないんですが、ええと…
多分ですが、中に出てくる朗読劇の映像は、おそらく田村由美先生ご本人が絵を手掛けられたものではないかなち思います。「あの独特な手の形はそうじゃないかな!」と思って観ておりました。
まだ公開中だと思いますので、気になったかたはぜひどうぞ~。
ではでは。




