50 同性カップルとその子どもについて
はいこんにちは~。
今回のテーマはこちら。
たまたまなんですが、最近、英語圏のふたりの男性と、その腕に抱かれている赤ちゃんの動画がSNSに流れてきましてね。
どうやらこのお二人はゲイのカップル。当然ながら二人で子どもを作ることはできないわけですが、どうしても子どもが欲しくて卵子のドナーを募り、待望のベビーを迎えた……という流れのようでした。出産したのはドナーの女性であるようです。いやこの動画だけからは詳しくはわからなかったですが、おそらくは。
動画の男性はこのように述べているそうです。
「僕らがどうやって卵子ドナーを選んだか教えるね! 可愛い目と多めの髪と綺麗な笑顔が欲しくてさ…卵子提供エージェンシーの何千人って候補者から数名を選んでさ…」
うーん。
なんか色々と考え込んでしまいました。
まず私は個人的に、LGBTQである人たちにも、基本的に普通の人権と自由が認められるべきだ、という立場ではあります。自分自身の認識に偏りがまったくないとは思ってないのですが、できるだけないようでありたい、と考えている人間です。
とはいえ。
この件に関してはかなりいろんな問題があると考える派。
この男性カップルの件以外でも、某国営放送で紹介された日本のレズビアンカップルが、同じ男性から精子の提供を受けてそれぞれに妊娠・出産をして複数の子どもをもち、幸せに暮らしている……というのも見たことがあり、その時にも同様の疑問を覚えたものです。
まずですね。
赤ん坊といえども、その子はひとりの人間であり、当然ながら人権と自分の意思で生きていく自由を持つ人です。まるでペットをやりとりするみたいに、「ベビーゲット~!」などと喜んでいる場合ではない。そこには親として大きな責任が生じるんだということを、まず親になる人たちには肝に銘じてほしいですよね。
お子さんが小さいうちはいいでしょうが、次第に外へ出てほかの家族や友達と交流するようになれば、自分の家族がほかの家族とは違うこともわかるようになってくるでしょう。
同性カップルからは自然に子どもができるわけではないことも、すぐにわかるようになるでしょう。
その時に、その子のアイデンティティは果たして本当に大丈夫なんでしょうか。「自分はどうやって生まれたんだろう」なんていう疑問が、かなり幼いころから心に生じることの弊害について、まだまだ十分なサンプルがあるとは言えませんし。
紹介したゲイカップルの子であれば「ぼく(わたし)の本当のお母さんはどこにいるのかな」と普通に考えてしまうはず。「そのお母さんは、どうしてぼく(わたし)のことを育ててくれなかったんだろう」とも思うでしょう。
そういう、個人のアイデンティティを構成するとても基本的な部分がしっかりと、またていねいに満たされない場合、それが子どもの心にどんな影響を与えることになるか、当のゲイカップルやレズビアンカップルはどこまでお考えになっているのかな……と。
うん、まあとってもうまくいく場合もあるんでしょうけれどもね。ご当人たちは自分にできる精一杯の努力をしてそうしていく決意なんでしょうし。
でも、男女カップルの関係で生まれてきた子どもであっても、そうそう「万事うまくいく」なんてことはないのが普通。そういうご家庭でも、特に思春期にはいろんな問題が生じるのが当たり前です。
そういうときに、親がどこまで子どもの心に寄り添えるか、ギリギリのところまで追いつめられても決して子どもの手を離さずにいられるか、それをどの親だって試されている……と思うのですよ。
レズビアンカップルの場合は、まだ安心できるファクターがある。彼女たちにとっては自分のおなかを痛めて生んだことには違いないので、ゲイカップルの場合よりはずっと深い関係が築けているだろうなという希望的な観測ができるからです。
ですが、ゲイカップルの場合ってどうなんだろう。
お望みどおりの容姿の赤ちゃんを手に入れて大喜びはいいんですが、もしもこれから、その子になにかの障がいがあることがわかったら? 将来、アイデンティティを傷つけられて心が壊れ、ひどい犯罪を犯すような人になってしまったら?
男女カップルの子どもであってもそうした状態になることはありますが、両親の血をうけついだ子である場合はまだ、それでも手を離されずにすむ確率はあがります(いやそれでも、父親が妻と障がいのある子を捨てて出ていくなんていう話はよく聞きますけどもね……残念ながら)。
それが多様性を認めることであり、LGBTQである人たちにも一般的に幸せな家庭と呼ばれるものを築く権利があるのだと言われれば確かにそうではあるんですが、生まれてくる赤ん坊にも人権と意思と自由が存在するんだということを、ちょっとあまりにも軽くとらえていないだろうか、と。そこが心配になるわけです。
自分の自由や権利を主張するのはいいのですが、そこに巻き込まれる子どもにだって同じ重さの自由と権利があるんだということですね。
どうしても自分の遺伝子を受け継ぐ子がほしいのはわかるのですが、そんなリスキーなことをしてしまうよりは、すでにこの世に「望まれずに」生み落とされてしまっている、保護者のいないお子さんを養子に迎えるなど、もっとほかの方法があるのではないかと愚考しております。
卵子ドナーを探してどうのこうのをするためにはかなりのお金がかかるはずで、冒頭のゲイカップルは明らかに裕福な人たちでしょう。
それほど裕福なのであれば、それを恵まれない子たちを一人でも多く救うという形で貢献してもいいのではないかなあ……なんてね。まあどうしても「自分の子」が欲しい気持ちもわかるので、強くは言えないところではありますが。
はあ、悩ましいですねえ……。
みなさんはどんな風にお考えになるでしょうか。
今回はこんな感じです。
ではでは。




