48 広告に起用されるJKたち 事後報告的なアレ
はい、こんにちは~。
今回は、例の宇都宮市のLRTのPRの件で、だんだんわかってきたことのご報告と、それに関して思うことをつらつらと。よろしかったらおつきあいくださいませ~。
はあ(溜め息)。
いやほんまこれ、溜め息案件だったみたいなんですよね……。
高校生の女の子キャラを使用してLRTのPRイラストを作成した運営さんが、あのあといろいろと……困ったことをしはりましてな。
最初はまあ、ああした「萌え絵」が苦手な女性たちを中心に、紙面に「協力 宇都宮市総合政策部広報広聴課」と入ってたこともあって「お役所がこんなイラストをPRに出してるの?」という誤解から燃えちゃったわけなんですが。
最初がそれだったとしても、やっぱりそこに「協力 宇都宮市総合政策部広報広聴課」の一文が入ってなければそれで終わりやったと思うんですよね。私人に過ぎない運営氏が自分の好きなタイプの女子高生萌え絵でもって地元のLRT開業を応援しただけならば。
それでも文句言うてくる人はいらっしゃろうかとは思いますが、私人がすることは「表現の自由」として守られておりますしね。
運営氏はずっと「宇都宮市からの許諾・協力は得ていた」というお立場だったのですが、宇都宮市は公式に「その事実はない。許諾も協力もしていない」と公表しました。
さらには運営氏に対してこんな改善点を提示しました。
以下は宇都宮広報広聴課の担当者によるインタビュー記事からの引用です。
『●「宇都宮産業PRキャラクター」の変更を依頼
・宇都宮市公認でないことを表記していただきたい。
・宇都宮市公認と誤解を生じさせる記事を取り下げていただきたい。
・キャプションの削除、あるいは画像の取り下げをしていただきたい。
・宇都宮市公認と誤解を生じさせる表記である「宇都宮市産業PRキャラクター」の記載を変更していただきたい。』(引用ここまで)
結論として、運営さんはこれを全面的に飲んで、PR画像から「協力うんぬん」のキャプションをすべて消去し、あらためてSNSに流しました。SNSのアカウント名にも一応「(非公式)」と入れてはりました(とはいえ、SNSのタイムライン上では名前の後半が省略されるため、肝心の「非公式」が見えなくなっちゃってるんですがね……)。
ということは、やっぱり宇都宮市は彼(と呼称しますね)にそんな認可などは与えていなかったと判断できる。
……と、思ったのですが。
ご本人が数日後にご自分のブログできちんと状況を説明する、とおっしゃっていたので首を長くして待っていたところ、なんかすごいもんが来た。よくない意味で、予想以上のもんが。
タイトルは「〇〇(キャラクター名)炎上に対するクリエイター側の見解」。
長くなるのでかいつまんで言うと、まず一言も謝罪にあたる文言がない。
ご本人はずっと「宇都宮市からは許諾を得ていた」というようなことを言っていたわけですが、その点の事実関係やなんかはなんだかぼんやりしていて要領を得ない書き方。つまりはっきりしたことは書いていない。この辺からだいぶ怪しくなる。
さらに「戦うべきは宇都宮市ではない」とし、今回の件で「あいつらが炎上させたのが原因だ」と言わんばかりに敵対心をあおるコメントが多数。実際の人物名や政党名などをあげて、攻撃をあおるようなコメントを並べていました。報道各社に対しても「フェイクニュースだ」「想像だけで記事を書いている」として中傷をしていました。
ちょっとこれには呆れた。
問題の本質がわかっていない上、なんの反省も謝罪もないばかりか、巧みに(とまでは言えないけども)ほかの誰かに目線をそらさせて攻撃させようとまでするとは。
おそらく彼自身は本心から「宇都宮市からの許諾を得た」と思っていたのだろうと思われますけれども、ここまでくるとやっぱり、結果的にそれは思い込みや勘違いというレベルのものだったと考えられる。
宇都宮市から上記のように言われてそれを認識したのであれば、まずすべきはきちんとした謝罪と状況説明だと思うのですが、そのあたりにはまったく触れない発表にすぎませんでした。
と思っていたらその攻撃的な部分がいつのまにか消され(なんの告知もなくサイレント削除)今度はさも「宇都宮市側による勘違いだ」みたいなことを書き足したり。
そうかと思えばブログ全部をばっさりと(やっぱりサイレントで)消してしまったり。
とにかく朝令暮改というのか、ひたすらバタバタと、しかも一言の訂正告知などもなく、黙って自分の発表した文章を消してしまうというやり方。
「ああ、これは……」と、ついに私も理解してしまった。いくらなんでも信用ならない。
本来、●●市みたいな公的な機関で絵を描くお仕事などをいただく場合、きちんと契約書を交わして制作途中も何度もやりとりをして細かく修正して……という流れが普通のはず。
というのも、私も実は自分の地元の市からお仕事をいただいて、ちょっとしたパンフレットのマンガを書かせていただいたことがあるから。経験者ってことですな(苦笑)。
今回の案件では、別にそんなプロセスがあったわけでもなく、勝手に絵師さんたちにイラストを依頼し、どんな絵を描くかも運営氏が細かく指示して作ったPR絵に、勝手に「協力 ●●市」のようなキャプションを入れてしまった。これはちょっと、いや相当に非常識な行動です。
何らかの法律に引っかからんのか?? と正直いろいろ疑問に思う。
要するに運営さんは、そのあたりの常識をご存じのかたではなかったんやなと。
おいくつぐらいの人か知りませんが、大人になったらそのぐらいは知っておこうよ……って力ぬけた。
まあね、百歩譲ってそれはまあええでしょう。ひとたび間違っていたとわかれば、反省して改善し、必要な各所へはきちんと謝罪したうえで次へ進めばいいだけだから。
しかし今回の運営さんにはそれができなかった。
むしろずっと「フェミニスト活動家が」「左翼が」「〇〇党が」と暴れまくる、SNS上によくいるオタクの人たち──「ネトウヨ」とか「表現の自由戦士(略して表自)」などと揶揄される人たち──に近いマインドの人だったのね、と理解するに至りました。
宇都宮市と、巻き込まれた形の絵師さんたち(キャラクターを描いた人と、背景画を描いた人)はひたすら困惑し、迷惑をこうむったことでしょう。本当にお疲れ様です。
絵師さんといえば、特に背景の方のイラストレーターさんが、この運営さんコメントが出てから「これまでは黙っていたのですが」という感じで、いかに困惑しているか、運営に対して疑問を覚えているかということをSNSで細かくコメントしておられました。
特に特定の人物や政党に対する思想・信条みたいなものについては自分は無関係ですときっぱりと主張しておられました。
そう考えるとブログのタイトル「クリエイター側の見解」っていうのも、ほかの絵師さんたちとコンタクトを取っての総意でもなんでもなく、単にこの方の個人的な思想・信条にすぎないということになり、かなり卑怯感が増しますね……(苦笑)。そこは「わたくし個人の見解」でええやんと。なんかすごく、すごーく姑息さを感じるやり方。
その後、この応援キャラクターのアカウントはこの問題について疑問を述べてくる人に対してすぐにブロックするという動きを繰り返しているとのこと。
つまりこのまま「なかったこと」にして幕引きしたいんでしょうね。
……はあ。
まったく人騒がせな。
あいや、ここまで書いた翌日に、今度は新たに同じキャラクターの別のイラストを使って「栃木県子ども総合科学館」のPR画像を流してました。例によって、またもやさも「公式です」と言わんばかりの文言つき。
女の子は前回よりも露出多めで腹がべろんと見え、ちんちくりんミニスカのセーラー服、ふとももむきだし、と……。見たところ絵師さんは別のかたですけども。
今回は特に「子ども向け」の施設のPRということで、本来であればさらにハードルは高くなるはずなんですが。大丈夫なんだろうかこれ。
はあ……反省なんてしないわけね、なるほど。
今度は栃木県から何か言われるのか、そうでないのかはわかりませんが、ともあれ今回の動きとしてはここまでですかな。
てなわけで、いろいろ溜め息まじりの後日談でございました~。
ではでは。