47 広告に起用されるJKたち その3
はい、続きです~。
まず予告していた件から先にお伝えせねばなりませんね。
宇都宮市で開業したというLRTのPRとして流された絵の中に、「協力 宇都宮市総合政策部広報広聴課」という一文があり、問い合わせを受けた宇都宮市が公式見解で「あれは公式のキャラクターではない、あちらが宇都宮をPRしていることは知っているが、ウチは基本的に関係ないよ」と公開した件。
実はこれ、キャラクターである「蒼空はるか」の登場する作品の責任者のほうでは、「ちゃんと許諾を得て協力もいただいている」という認識だった由。
ご本人はここしばらくご入院されていて対応が少し遅れてしまったようなんですが、このほど宇都宮市側との話し合いをされて、SNS上では「円満解決しました」とのご報告が。
まだその詳細についてはわかりませんが、解決したのだったらよかった。
作品の責任者が誤解して、勝手に「協力」の文言を入れた……みたいな流れになりかかっていたので、コンテンツと作者を守るという意味でよかったなと思います。
(※と書いたのに、どうやら本当にそういう流れのようで……。「蒼空はるか」の責任者が「許諾・許可されてます」とのコメントをこっそり削除もしてはるし……こりゃまいったね・苦笑)
さてさて。
ここからは私もあまりまだ整理できてないことではあり、あれこれ穴はあろうかと思いますが考えながら執筆してまいりますね。
お気がむいたらお付き合いくださいませ。
先日から続けて投稿している例の韓国女性DJさんの話と、「今回の女子高生をはじめとする若い女性を商業PRするためのアイコンにする」件とが関係しています。
今回の件で、特に痴漢擁護派の主に男性の人たちや、萌え絵擁護派と思われるオタクな人たちから、このような意見が噴出していました。
「あのDJは自分で露出の多い恰好をして人前に出て被害にあった。だから自業自得だろう」
「DJがあの恰好をするのは女性の人権で自由。だから当然だというなら、商業PRのために少し性的な恰好をした女子高生の絵を使ってPRしてなにが悪いのか。ダブスタ(ダブルスタンダード)だ!」
みたいな? まとめて書いてるので全部ではないですけどもね。
それに対していわゆるフェミニストと呼ばれる人のご返答が難しくて、なかなか理解しにくい感じだった。
「あのDJは成人の女性であり、自分の意思であの服を着ている。女性にはその自由がある。女性が主体的に動いているからあれはOKだ」
「しかしもちろんその服装を理由にしてその人に痴漢や性加害をすることは犯罪であり、犯罪をする側が100パーセント悪い」
「それに対して商業PRのために生身の女性(特に若くて女子高生とわかる姿など)のアイコンを使用し、人々に提供するのは女性の体の客体化であり、女性の人権を侵害することになる」
んー。
何回か似たような主張をしてる人のコメントを読み込んでみたのですが、これがなかなか難しい。
DJさんのことは納得なんですよ。あの方はれっきとした大人だし、プロだし。運営が無理強いしてあれを着させられているのでなければですが、自分であの姿で人前で歌って踊ることを選択しているわけなんで。
あくまでも、悪いのはその体に勝手に触れようとする犯罪者側。それは納得。
つぎの「商業PRのために若い女性や女子高生のアイコンを使うこと」「客体化は女性の人権侵害」。
こっちが難しい。
でも、前回紹介した高校野球の雑誌表紙の件ですこ~しだけわかったかもしれない。
逆に、もしもあれが女子スポーツの雑誌だとしたら、その表紙に男性応援団の顔が大写しで使われているのは奇妙だということになる。主役はあくまでもスポーツ選手たちのはずなのに、応援団の人の顔が紙面いっぱいに大写しのものが使用されているのはおかしい。
なぜ売り手がそうしているのかと言えば、「買い手に男性が多く、男性は若いオンナが好きだから」に尽きるのだろうなと。
「だって売れるから」でしかない。
「若いオンナ」というアイコンでもって、客を呼び寄せようとする手法だと言える。商業主義の弊害ですな。
でも考えてみると、たとえ勝手に撮られた(はずですよね、試合中に雑誌や新聞社のカメラマンが自由に撮るものだし)写真を使用することを本人やご家族が許諾したのだとしても、相手は未成年。
ご本人は、その後に起こるかもしれない、いろんなことについては想定できない年齢だろうと思われる。その写真が理由で万が一、その後粘着したりストーカー化する犯罪者が現れたとして、雑誌社が責任など取れるはずもない。だとすれば立派な人権侵害にもなってしまう。責任のとれない結果になりかねないことを、未成年に依頼するのはおかしい。
プロダクションという後ろ盾のあるアイドルや俳優というわけでもない、素人で未成年の女性の姿を表紙など目立つところに使うというのは、そういう危険性もあるということですからね。
さて一方、それが人格も人権も持たない絵である場合。
これは前にも書きましたが、出す場所さえ間違わなければなんら問題ない。なにしろ絵には人権がないので(ただしR18など制約を受けるべき絵は存在するので、ゾーニングについては考えてほしいですが)。
今回はやっぱり、いくら私人が「宇都宮市の発展のために」と善意でしたこととはいえ、公共の乗り物をPRするためにいわゆる「露出ぎみな萌え絵」「未成年をモチーフにした絵」を使ってしまったことが原因だったなと。それで一般の人の目に大いに触れることになり、叩かれる状況が生まれてしまったんだと思う。
厳密にいえば絵そのものはなにも悪くはなかったんですが、ああいう絵を見慣れない人にとっては「おなかやらパンツやらがちら見えする、またはちら見えしそうな絵」「女子高生を性的なコンテンツ化したように見える絵」には拒否反応が出がちなのですよ。痴漢の問題も大きな社会問題になっている昨今では特にね。
ああいう絵に生理的な不快感を覚える女性が多いのはなぜか、という理由をひとつ紹介しておきましょう。
ある女性が某アニメ専門店へ行ったとき、とある男性がいわゆる「萌えキャラ美少女」の商品を手にして腰をふり、商品におしつけて興奮していた場面に遭遇したのだそうです。
公共の場所でやめてほしいもんですね。
そういう、女性から見ると嫌悪まっしぐらな行為をわりと平気で開陳していながら
「あの絵が性的だというのか! どこが?」
「あれを性的というからには、あなたがあれを性的に見ているってことですね? エッチな人ですね!」
とすっとぼけたりあざけったり、
「女は二次元と三次元の区別もつかないんでちゅね~。頭がかわいそうなんでちゅね~」
などと人を小ばかにしたりするほうが、よほど社会的に困った存在だと思われるんですけども。いやその前にだいぶ子供っぽくて呆れますけどもね。
さすがに某アニメ専門店での出来事については「そういうことは家でやれ」と思いますよわたくしも。そういう人が実際にゼロではないからこそ警戒もされてしまうんですしね。
私自身もオタクの端くれですし、別に相手が「オタク」だからといって嫌悪はしないですけれども、私的な場と公的な場についてはきちんと区別はつけたほうがええと思いますね……。もちろんそれはオタクのごく一部がやっていることやけども。
てなわけであんまり思考がまとまってなくて申し訳ないです。
今回はこんなところでお許しくだされ……すんません。とりあえず「客体化」の問題は難しいわ~。
ではでは。