表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/144

39 「弱者男性」についてつらつらと


 こんにちは。

 ここ数日、鳥さんからエックスとか名前を変えたSNSでトレンドワードにあがっていたのがこちら「弱者男性」という言葉。

 ご存じないかたのために少し説明しますと、これは日本にいる、収入が少なくて30代以上ぐらいの、女性にモテない男性たちを指す言葉のようです。

 いや「定義がちょっとちがう」という場合はまたどなたか教えてください。

 とりあえずそのSNSでは、少し前からこの「弱者男性」を自認する人たちによる女性へのヘイトコメントが多くなっているのです。もちろんそれに対する女性たちの反発もすごいですが。


 かれらは「女尊男卑」という言葉を使い、「男尊女卑」よりも今はそちらが問題だと主張することもある。

 例としてよくあげられるのが、電車の女性専用車両。ほかにもプリクラのお店に男性だけで入店するのを禁止されるとか、男性トイレ内だけに防犯カメラがあることとか、デパートコスメでは男性客だけ塩対応されるとかいうのがあるようです。

 自分たち「弱者男性」よりも女性ばかりが優遇されて自分たちは排除されている、差別だ! というのですね。


 これに関してはまあ、そういう対応がとられるようになった原因を考えてみれば当たり前ではある。痴漢被害やそれに類するいやがらせ、犯罪まがいのことが主に男性によって引き起こされたという事実があるから、会社や店側もそういう対応をとるようになった。そうしなければ女性客に来てもらえなくなる、それは店としては困るわけなんでね。

 デパートコスメについては、販売員さんが実際変な男性客に粘着されるという事態がけっこう報告されているようです。ちょっと甘い顔をして対応したら「あの店員はオレに気がある!」と勝手な誤解をしてストーカー化することすらある。「そら塩対応にもなるやんか……」と私なんかは思ってしまう。


 さてさて。

 で、最近某番組で、この「弱者男性」を代表する(と標榜する)人が登場したことで、このところSNSでも話題になっておりました。

 この人はその界隈では有名人らしいのですが、私は存じ上げませんでした。

 ネット上にはご本人のnoteが公開されているらしいので、そちらの内容をかいつまんでご紹介。


〇現代は弱者ほどつながりにくい時代

 SNSなどがあって、わざわざコストをかけてまで特定の人とつながる必要性を感じない時代であり、魅力のない人にとっては他人とつながりにくくなっている。

 未婚男性は性的に魅力が少ない人が多く、収入も低くコミュニケーション能力も高くないためつきあうメリットが少ない(つまり女性に選ばれにくい)。


 こちらに関しては「うんうん、なるほど」という感じ。


〇日本は性的な役割分担が強い国であるため、セルフケア能力が低い男性が多い

 だから、未婚の男性は自分の健康や食事の管理が不十分になりやすい。


 う……ん? なんかだんだん怪しくなってきたぞ。

 少なくともうちのダンナは未婚の期間が長くて「もうオレ結婚はできないかも…くすん」ってなっていたと聞いているけど、セルフケア能力は最初からダントツ高かったし……。なんなら私よりはるかに高いし(笑)。そこはもう、親御さんの教育次第な気もする。あとは本人の気の持ちようというか、努力次第な気が。

 それを言うなら、女性にもセルフケア能力の低い人、けっこういるわけだしなあ。

 つぎ。


〇男性は女性に比べると他人を助ける能力があまりない

 ゆえに、男性が男性に助けを求めてもあまり助けてもらえない、期待できないということ。だから女性に助けを求めたほうがいい。

 よって男性のケアは女性がするべき。

 男性にとっては友人関係よりも、恋人や結婚相手ができることが一番幸福になる道だから。

 だからAIによって相手の年収や見た目がわからない状態で、性格のみで男女をマッチングさせられたら、「弱者男性」のつらい現状を回復させられるのではないか。


 だいたいこんな感じ。

 ううう~ん??

 ここまでくるともうだいぶわかんなくなりました、ごめんなさいね。

 男性同士だと、どうしても上下関係、マウントとりなどが激しくて互助的な関係が築きにくいっていうのは、見ていてもなんとなくわかる。

 年をとって定年になってから、一緒に遊ぶ友達もいないというのは女性よりも圧倒的に男性のほうが多かったりもしますしね。


 しかしだから、生身の生きている女性をその「弱者男性」にあてがうように動け、というのがわからない。

 女性は人間であり、当然ながら人権がある。

 「弱者男性」にももちろん人権はあるわけですが、彼ひとりの人権を守り、幸せにするために彼女ひとりの人権を侵し、不幸にするわけにはいかない。

 またもや人権と人権のぶつかりあいですな。

 AIでマッチングするにしても、結局は収入やら見た目やらを開示してから双方の意思を尊重して話が進められないなら、それは人権侵害になってしまう。


 なんかこう、「オレたちゃ弱者男性だ、でも女が欲しいんだ女をよこせ!」「女自身の意思なんてどうでもいいんだ!」と騒いでいるようにしか見えない。

 いやそれほど切羽詰まっているのだろうなとは思うのですが、そのわりには女性のことをまるで尊重する気がなさそうに見えるのが恐ろしいところ。相手をまるで人間だと思っていなさそうなのがな~。


 人権のない存在に対してなら好きにすればええわけですよ、それこそSFになっちゃいますがセクサロイドとかね。身の回りのこと全部やってくれておいしいごはんも作ってくれて夜の相手もしてくれてうるさいことはなんにも言わずに「はいはい、よしよし」ってしてくれる存在……。うん、まあ男性向けのエンタメにはよく出てくるやつですね、はい。


 そういう下衆な欲望はべつに男性にだけあるもんじゃなくて、もちろん女性にもある。

 ステキなお金持ちイケメン男子が甘やかして褒めちぎって溺愛しまくってくれる……とか、よくあるやつですやん。だからお互い様。一方的に相手のことばかりバカにするもんではない。


 それでも、フィクションと現実をごちゃまぜにしたらアカンわな。

 人権のあるリアルな相手には通用しないこともいっぱいある。自分の欲望ばかり優先させてはいられないのがリアル世界ですわな。


 もちろんこの世には「弱者」と呼ばれる人たちがたくさんいる。「弱者男性」に限らず、貧困であるとか、マイノリティであるとか、いろんな理由でね。

 そういう人たちをすぐ「お前の努力が足りないからだ」と言って切り捨てるのは現代社会のありかたではない。大昔の弱肉強食そのままの時代ならいざしらず、今ならある程度の互助機能があってしかるべき、なのは本当だと思います。

 ただ、他者のあるべき人権をひどく侵害しない範囲で、でのことですけどもね。


 はあ、難しい。

 とりあえずSNSで男女お互いに口汚くののしりあっている人たちからはすこーし距離を置いてみていますが、この問題、いったいどう決着をつけていけばいいのでしょうねえ。


 あ、でもAIが「この人こそあなたにふさわしいです」ってはじき出してきた人のプロフィールを見たら、男女とも「私の相手はもっとランク上の人にきまってる!」って怒りだしそうでもあって……。

いやかなりの確率で怒るような気がするよ、私は(苦笑)。


 いやはや、人間の欲望って怖いっすね……。

 ではでは~。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ