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31 MtFさんの女子トイレ使用に関する最高裁判決


 こんにちは。

 前にも「心の性ということ」で書いたことともリンクする内容ですが、今回はこちら。


 近ごろはLGBT法のこともあり、なにかと話題の性同一性障害をもつ方やトランスジェンダーと称される人たちのお話です。

 マイノリティと言われ、マジョリティからは認識もされなかったり無視されてきたりした人たちが、ここへきてようやく人間として当然の権利を主張しやすくなってきたことは喜ばしいですね。


 ただこれによって、今は様々な軋轢や問題も表出しはじめているなと感じております。

 少し前から、MtF(男性として生まれたものの、心の性が女性であるとして戸籍や体を女性に変えていく、あるいは変えたいと願う人たち)の問題がいろいろと浮上していますよね。


 もちろん一部のことではありますが、これまで男性用トイレを使用していた人が自由に女性用のトイレや公衆浴場、プールなどのロッカールームなどを一般の女性と同様に使用したいと主張しています。

 最近では、経済産業省に勤める公務員であるMtFの人が自分の職場を相手どり、職場内の女性用のトイレをどこでも自由に使えるようにしてほしいと裁判所に訴え出ました。

 当初、東京高裁では「使用制限は適法」との見解が出たのでしたが、それを不服とした原告がさらに最高裁へもちこみ、この7月11日にその判決が出たのでした。

 結果は「使用制限は違法」。


 今回の件をうけてその判決全文を読ませて頂いたのですが、女性ひとりを含む裁判官の見解はどれも、私は妥当ではないかなと思いました。よくバランスが取れているし、ちゃんと原告の人権に配慮している。

 なによりこれが、彼女(と呼称しますね)の過去の職場での状況や医師からの正式な診断などに基づいて細やかに判断されたものであることは大きいかと。

 判決文の中でも、これが社会全体に即座に敷衍(ふえん)される話ではなく、この職場限定のこと、とは書かれていましたし。


 ご存知でない方のために捕捉しますと、この人は50代で、長年女性ホルモンの投与を受けており、女性としての姿で勤務しています。また性的な衝動は高くないと診断されているとのこと。一部の遠い女子トイレだけは使用を許可されており、周囲の女性たちとのトラブルもなかったと。

 ですが戸籍上、この方はまだ男性なのだそうです。さらには健康上の理由から性適合手術も受けていない。

 ちょっと下世話な話になって申し訳ないんですが、つまりは「ついている」状態のまま。


 ここはなあ……やっぱり疑問に思ってしまいました。

 いくら健康上の理由であっても「ついてるまま」は、ちょっとなあ……。女性がそれを怖いと思う気持ちはよくわかる。

 一般的な女性のみなさんが、「そんな人が自由に女性用トイレに入ってくること」に対して危機感を覚えるのは自然な話だからです。いくら女性ホルモンを打っていたって、生来の女性から見れば十分筋力や体力も上なんですしね。

 いくら医師の診断がおりていても、そしてこの人個人は問題を起こさない安全な人なのだとしても、そしてこの判決は飽くまでもこの職場内だけでのことなのだとしても。最高裁でこういう判決が出てしまうと、今後、各所で似たような判断が下される可能性があるわけです。


 もちろん、多くの性同一性障害で悩むかた、トランスジェンダーと呼ばれる方は善意で行動する人たちでしょうし、当然ながら犯罪者予備軍ではない。

 問題なのは、これに乗じて「そうか、女装して『自分の性自認は女だ』と主張さえすれば、オレだって女性用トイレや女性用浴場に入れるぞ! そこで女を犯したり触ったり、見たりし放題だ、やったぜ!」と考える一部の犯罪予備軍である者たちなのは確か。

 ただ、今のところそれをその場で「あなたは本物だから入ってOK」「お前はそうじゃないからNG」と判断する方法がない。


 悪いのはそういう卑怯な犯罪者たちなのであって、性同一性障害のかたやトランスジェンダーの方々ではないのですが……。

 やはり同じ女性として(過去に男性からの性被害に遭ったことがある人は特に)そうした恐るべき状況を危惧しないわけにはいかないでしょう。


 どうやって「ニセモノ」や「犯罪者予備軍」を排除するのか。

 性犯罪は、起こってしまったらもう取返しがつかない。警察は常に「起こってしまってから」しか動けないんですからね。でもそのときにはもう、女子トイレや女性用浴場やロッカールームなどで被害にあった女性や子どもたちの心も体もすっかり傷ついていることでしょう。そこが問題なわけです。


 本当に信用できる医療機関、政府から認可を受けた機関が診断を出し、たとえばマイナンバーカードみたいなもんに(アレはアレで今まだ問題が山積ですけども)記録できて、トイレや浴場の入り口でかざせば入れる……とかにでもせんと、女性は安心して公共の施設を使うことができないと思う。

 性同一性障害で悩む人たち、トランスジェンダーとして苦しんできた人たちを不必要に排除してはいけないし、かれらの人権もまた尊重されねばならないのですが、それに乗じて犯罪を犯そうとする輩は決して誘い込んではいけない。

 なにか工夫が必要やと思うんですよね……。

 アイデアはないんか、ええアイデアは!


 みなさんはどうお考えでしょうか。

 今回はこんなお話しでした~。ではでは。


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― 新着の感想 ―
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[一言] 自分がしんどくなるので、件のニュースやツイ関連は見てなかったのですが、具体的な現場状況としてはそういうことだったのですね。 戸籍が男性のままの理由が、健康上の事情あって変更するに必要な手術…
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