過去作を読み直すにあたって
こんにちは。
今回はあまり間が空きませんでした。
というのも、ずっと長期連載していた小説とその外伝が完結して一段落し、ちょうど今は「次、何を書こうかな~」と考えている時期だからです。
その後は「うちのダンナはぽっちゃり男子」やら「つれづれ司書ばなし」やらを更新しつつ、次作のアイデアを練っておりました。
実は裏側 (ムーンライトノベルズ)での長編作品の外伝を、読者さまからリクエストされておりまして。でもその本編、昨年半年間ほど連載したものなんですが、その後ほかの長期連載をしていた関係もあって設定やなにかをわりときれいに忘れてしまっているため、まずは読み直しからせねばならない事態でして(笑)。
いやよくあるのですよ、これ。
せっかくリクエストを頂いた以上はお応えしたいので、ぼちぼちと昨年の自作を読み返していたのですが……いけませんねえ。
なにがいけないって、とにかくあっちこっち書き直したくなってしまうこと!
これは小説を少しでも書いた経験がおありの方はみなさん「そうそう、その通り」とうなずいていただけるかと思いますが。
「無謀な毎日更新などやっているわりには」という但し書きつきではあるものの、一応、そんなに誤字・脱字はない方ではないかと自負しているのですが、表現はいけない。
やっぱり一旦全部忘れて、完全に「読者の目」になって読み直してみると、くどすぎる表現やこなれていない描写が目に付くものです。漢字も勝手に変換されるもので、ついつい使いすぎてしまうため、なるべく平仮名に開く作業も必要。
個人的には、そのシーンにおいて必要不可欠な描写がきちんとしてあれば、あとはあまりくどくどとキャラクターの周囲の様子などはそんなに描写しない派です。たとえば、直接ストーリーとは関係のない絨毯の柄やらカーテンの色やらはいちいち書きません。
もちろん、周囲の景色や天気などに人物の気持ちを投影して描写するのはアリだと思いますけれど。
そういえば昔、某有名なファンタジー小説で、とある異世界のお祭りの描写だけに何ページも費やしているものがありました。お祭りだけではありません。異世界の森の様子、街の様子など、とにかくこまごまと丁寧に描写する作家さんだったのです。
もちろんそれは、読者がだれも見たことのない世界を構築しているのですから、こまごまと書く必要があったのだろうということは、今では理解しております。
ですが当時の私は中学生か高校生。若かったこともあって、そうしたことに字数をとられて肝心の人間模様があまり進まないと、なんだかイライラしてしまったものでした。
年齢によって時間をどう感じるかが変わってくる、というような話も聞きますが、本を読みなれてあるていど年齢を重ねた読者と、まだ本を読みなれていない若い読者とでは、同じページ数でも感じるストレスが違うのかもしれません。
私もいまその小説を読んでみれば、また違った感覚になるのかもしれませんね。
学校司書として、実際の中学生の読書傾向を目にすることも多いわけですが、読書をし慣れている子というのはさほど多くはなく、基本的には「読みやすくて、あまり時間もかからなくて、なおかつ面白いものを」と望むお子さんが多いように感じます。
見ていると、そうした子はやっぱりラノベには飛びつくようです。そのほか「5分間シリーズ」や、先が気になってついつい読み進めてしまうミステリー、特に東野圭吾氏のもの、湊かなえ氏のものなどは人気。他には「図書館戦争シリーズ」に代表される有川ひろ氏の作品群などなど……。
いずれも、非常に文章が読みやすくて、内容の面白いものばかりです。
自作を一旦書き上げてから、ちょっと時間を置き、新鮮な目でまた読み直す作業はやっぱり必要なものなのだなあと感じる経験でした。
いえ、実際は「ああ、ここ直したい、あそこも直したい」となって、なかなか読み進められず、リクエストいただいたお話に着手できないままになっているわけなのですが(苦笑)。肝心の目的になかなか到達しません。
というようなわけで、しばらくこちらエッセイもまた書くことがあるかなと思います。一旦完結としておりましたが、しばらくは「連載中」ということにいたします。
またよろしければお立ち寄りいただけましたら幸いです。