139 シネマ歌舞伎「京鹿子娘二人道成寺」
はい、こんにちは。
本日ご紹介するのはこちらの映画。
前々回の「鷺娘」に続いて、坂東玉三郎さんと尾上菊之助(現・八代目菊五郎)さんが演じた「京鹿子娘二人道成寺をシネマ化した作品で、「シネマ歌舞伎」としては第三弾なのだそうです。
前回と同様、映画「国宝」を上映されている塚口サンサン劇場さんにて同時上映をしてくださっています。
ということでデータからどうぞ。
○シネマ歌舞伎「京鹿子娘二人道成寺」
2006年製作
出演:坂東玉三郎・尾上菊之助(現・八代目菊五郎)(お二人とも「白拍子花子」役です)
日本 71分
そして前回同様「少なっっ!」と申し上げておきましょう……(苦笑)。
実際の舞台は、2006年2月に歌舞伎座で上演されたもの。
「国宝」を観た者にとっては「ああ、あの場面はここなんだ」と映画を思い出しながら見られてよかったのですが、やはりお二方のあまりの美しさに驚きつつも魅了されてしまいます。
重い衣装をつけたうえで、お二人ともぐわあっと仰け反る振りが何度かあるのですが、それでもまったくブレないあの体幹。いったいどうなっているのやら……。
映画「国宝」の中でも、主役ふたりが子ども時代にどんな稽古をしているかの描写がありました。少しの間でも苦しいであろう仰け反った姿勢でじっと汗をたらしながら耐えている少年ふたりのシーンを思い出します。
舞台は紀伊の国の道成寺。
たくさんのお坊さんたちにより、そこでは新しい釣り鐘の供養が行われていました。そもそも童謡にもなっている「道成寺」の物語があってこそのこの歌舞伎ですよね。
「安珍清姫蛇に化けて……」という有名な童謡、ご存じでなかったら一度検索を!
その歌に歌われているお話は、恋人である安珍への激しい恋心から、清姫が大蛇になりはてる……という悲しくも恐ろしい物語。安珍をかくまった道成寺の釣り鐘は焼き払われてしまったため、新たな釣り鐘が設置されることになったらしい。
そこへ、世にも美しい白拍子の花子がやってくるのですが、その鐘の供養に参列したいと申し出ます。お坊さんたちとあれこれやりとりがあった後、結局、花子が舞を踊ることを条件に参列が許されます。
けれども実はこの花子、清姫の怨霊だったのだ……!
という。
舞を踊ることが条件であるため、花子は様々な趣向をこらした多くの舞を踊るわけで、そこがこの歌舞伎の見どころ。
しかもその花子をおふたりで息を合わせて演じます。
まあなんというかね、衣装も踊りも素晴らしいです。踊りの最中に早替えが何度かあり、目を楽しませてくれて飽きさせません。
とりわけ「国宝」をご覧になったかたには是非ご覧いただきたい作品でした~。
ではでは、今回はこのあたりで。




