136 映画「宝島」
はい、こんにちは。
本日ご紹介するのはこちらの映画。今回は邦画です。
予告編は何度も映画館で拝見しており、気にはなっていたのですが、いかんせん長いし(三時間越えは邦画では珍しい部類)内容は重そうだし……と、実はちょびっと敬遠しておりました(すみません!)。
でも、同僚でもあるとある学校の先生が「良かったですよ~」とお勧めしてくださいましてね。「これは行かねば」となりました~。
こちらは原作ありの映画。
原作は第160回直木賞受賞作品で、著者は真藤順丈氏。監督はあの実写版「るろうに剣心」シリーズの大友啓史氏。
ということで、とりあえずはデータから。
○「宝島」
2025年製作
原作:真藤順丈
監督:大友啓史
脚本:高田亮 / 大友啓史 / 大浦光太
出演:妻夫木聡 / 窪田正孝 / 広瀬すず / 永山瑛太 / 塚本晋也 / 中村蒼 / 瀧内公美 / 栄莉弥 /尚玄 / ピエール瀧 / 木幡竜 / 奥野瑛太 / 村田秀亮 / デリック・ドーバー ほか
日本 191分 PG12
舞台は、戦後、米軍統治下にあった沖縄。
冒頭は1952年。
「戦果アギヤー」を自称する、米軍基地に侵入しては物品を奪取する青年集団。かれらが奪取した物資を貧しい人々に分け与えていた。そのリーダー・オン(永山瑛太)は、英雄的なすばらしい青年で仲間の尊崇を集めていた。が、ある夜の襲撃の日、彼は米軍に追われているうちに仲間とはぐれて行方不明に……。
彼の弟ぶんだったグスク(妻夫木聡)、レイ(窪田正孝)と恋人だったヤマコ(広瀬すず)はその後数年、彼の行方を探し帰還を待ち望んでいた。
しかし何年経ってもオンの情報はわからない。
やがて主人公グスクは彼を探すために刑事になり、恋人だったヤマコ(本当は「マヤコ」で「ヤマコ」というのはあだ名ですが)は小学校の教師に。なんとレイは地元のヤクザに……。
ヤマコはすんごい美人で性格もまっすぐな人。グスクもレイもなかなかはっきりは言わなくても実はヤマコが好きなのですが……さてさて。
しかし舞台は米軍の理不尽な支配にあえぐ沖縄。基本的にはずっとハードな展開が続きます。
米軍兵士による様々なウチナンチューへの仕打ちや、兵士が起こした犯罪も米軍がうやむやにしてきちんと裁かれることもない。交通事故もうやむやにされ、女性は兵士らに襲われ犯されて殺されていく。不満を募らせてゆく沖縄の人々。もちろんそれは刑事であるグスクたちも同じ。かれらがせっかく捕まえても、アメリカ人兵士の犯人はすぐ米軍に連れ去られてしまうのです。見てるだけでも悔しい。
やがてグスクは、かつてオンがあの米軍基地襲撃の折、「予定外の戦果」をあげて行方をくらましたことを知る。
またオンはオンで、米軍基地からとあるものを盗み出し、それを知った米軍から追われる身に。
なぞがなぞを呼び、オンの行方と過去の真実が暴かれるとき、物語はクライマックスを迎えます。
……いやもうね、しんどかった。
救いはオン。永山瑛太さんほんとうに魅力的なリーダーを演じておられてステキすぎる……。ヤマコが惚れるのがまっすぐ理解できてしまうー。
もちろん主演の妻夫木さんは出色です。たよりない青年(少年かな?)時代から中年の刑事になるまでを丁寧に説得力をもった演技で演じきっておられます。あの方の演技は「演技」に見えないんですよね。凄いわ……。
そしてやっぱり、テーマは「沖縄の怒り」。
そのくやしさ、やるせなさ、堪えきれない怒りの渦が、観る者全員にひしひしと迫ってくる強烈なストーリーでした。
最後のオンの過去の謎は、ぜひ観て感じてほしいなと思います。
あっ、なにしろ長いので、トイレはしっかり直前で終わらせておいてくださいね(苦笑)。邦画でインド映画より長いのは久しぶりでしたわ~。
ではでは、今回はこのあたりで。




