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135 「えっこれまさか」と思ったこと

 

 はいこんにちは。

 今回はちょっとしたヨタ話。

「ヲタ話」じゃないですわよ奥さん! そら「ヲタ話」かってしようと思えばなんぼでもできますけども~!


 さてさて。

 実は最近、裏側で連載していた小説が完結しましてね。

 ちょっと時間もできたもんで、いつもよりちょっとだけ多めに本を読んでいたりしまして。

 なにしろ、ほかのエッセイでも申していますがわたくしは学校の図書館に務める司書。だもんで、仕事場に結構な数の未読本がございます。最近、またどさっと新刊を買い込んだりもしていたので、右を向いても左を向いても「読んでない本・読みたい本」のオンパレード状態。もちろん購入した本でも「積ん読」はあんまり減らないし、いつもいつも「ああ、あれが読みたいこれが読みたい、でも時間がない~!」って歯ぎしりしとる状態。


 てなわけで、先日また何冊か借りてきて読んでおりました。

 ところが、ですよ。

 とある小説を冒頭から楽しく読み進めておりましたが、途中でふと違和感を覚えた。


「あれ? この話、知ってる……???」


 そうなんです。

 それは落語を題材にしたとある有名な小説。

 少し前まで、とある中学国語の教科書でも紹介されていたものです。

 途中、元野球選手で野球解説がうまくいかなくて、しゃべりかたの指南をしてもらおうと主人公の青年落語家(本人は「噺家(はなしか)」と呼ばれるほうが好みらしいですが)の門を叩いた中年男性が登場します。

 ……ここでひっかかった。

 いや、実際にはそのちょっと前、関西から東京へ引っ越してきて学校でイジメに遭うてるという(と言うても本人はあくまでも「喧嘩」であって「イジメ」ではないと主張)小学生男児が出てきたところから「あれ?」みたいな気持ちはあった。


 そんでですね。

 いぶかしく思いつつもどんどん読み進め、遂に読了。


「うん、よかった。いい作品やった。よく考えたら野球解説者の顛末もちょい違ってたし、やっぱり未読作品やな。けどじゃあ、なんで私にはこの記憶が……?」


「すわ、盗作か?」という疑惑がふっと浮かぶ。

 いや今回読んだほうは1997年に初版が出た作品なので、前に読んだやつのほうが盗作なのではないか……と疑ってしまったわけです。

 でも、どうしてもその作品のタイトル等は思い出せない。

   なんや調べたら、本作のほうはすでに漫画化もされてりゃ映画化もされているらしいけども。「そっちを観た記憶が残ってるんかなあ……?」とかいろいろ考えてしまう。


 ほんで。

 最終的に「まさかね……」とは思いつつ、一応、過去の読書ノートを確認してみました。


「……ん?」


 結論。

 ありました!

 3年半ほどまえに、まったく同じタイトルの、しかも同じ文庫本版を読んで感想書いとるがな自分!!(大笑い)

 え? じゃあストーリーがちょっとチガウとか思った、あれは単なる私の妄想……??


 いやいやよかった。一件落着です。

 いやよくないわ! 私の記憶力の危機やがな!(大汗)


 ひとつだけ言い訳しとくと、当時わたくし、勤めていた学校を転勤になるギリギリのタイミング。「この図書館で読んでおかないと、次の学校にはないかも!」って焦って読んだたくさんの本たちの中の一冊やったんですね、どうも。

「慌てて読んでも身にならん」という、まあ当然といえば当然の結論になるわけですね。お恥ずかしい。


 ……という、まあそれだけのお話でした。

 え? ほんでそれはどんな小説かって?

 では最後にそれだけご紹介しましょうかねえ。


 〇「しゃべれども しゃべれども」

 佐藤多佳子・著 / 新潮社(2000)※文庫版ではこれが初版年


 歌舞伎なら「カブキブ!」があるように、こちらは落語を知らない若い世代の方にはちょうどいい感じに入門的な意味もある作品で、なおかつ個性的な人間模様が色々あって楽しく読めていいかもしれません。主人公の落語家・三つ葉が「坊っちゃん」の主人公みたいな性格で、イヤミがないし読みやすいです。

 あちこちの情景描写はさすが女性作家らしい繊細さがあるのですが、この三つ葉の語彙で語られるので江戸っこ節というのか、ぱぱぱぱーんと爽やかにスピード感のある文体で、これが本当にするする読める。気が付いたら読了。お勧めです。


 いやもうええねん。私の記憶喪失については、読者のみなさまには是非「記憶喪失」になっていただいて、ここはひとつ「しゃべれども しゃべれども」だけ憶えて帰ってくださいませ(苦笑)。

 それでは、今回はこのあたりで。


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