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133 アニメ化にあたっての「ノイズ」除去について

 

 はい、こんにちは。

 今回は前回に引き続いてのお話になります。

 というか、折しもまたもやSNSでとあることが炎上しておりました。


 昨年、「ぼっち・ざ・ろっく」(略称「ぼざろ」)という4コマ漫画の作品がアニメ化されてヒットしていたのですが、それをアニメ化するにあたって脚本を書いた脚本家・吉田恵里香氏が講演を行った記事が公開されました。講演のタイトルは「吉田恵里香とアニメのシナリオ」。


 吉田恵里香氏は1987年生まれ。私はこの方を、最近の世代の中でも非常に優秀な脚本家さんの一人だと思っています。多くの「原作あり」作品を映像化するにあたって素晴らしい脚本を仕上げてきたかた。

 原作ありの作品では「30歳まで童貞だと魔法使いになるらしい」があり、朝ドラでは差別やマイノリティに関する非常に挑戦的なテーマを扱い、広く人気のあった「虎に翼」もそう。アニメシリーズではあの「TIGER&BUNNY」もそうです。オリジナル作品としては、「司書ばなし」の方でもご紹介した「恋せぬふたり」があり、そちらは未見ですが小説版は非常によかった。

 常に原作のテイストやテーマを大切にし、本筋を大切にしながらも絶妙な取捨選択のできる書き手さん……という印象です。もちろん視聴者の好みは分かれるでしょうし、ご意見も様々でしょうけれどもね。


 さて問題の「ぼざろ」。

 この講演の中で吉田氏は、「ぼざろ」自体はとてもいい作品だとまず褒めています。そのうえで、制作陣および原作者ともよくよく相談の上、原作「ぼざろ」には存在していたいくつかの表現を割愛・削除した上でのアニメ脚本を書いたとのこと。


 具体的には、未成年の少女がとある理由があって自宅で水風呂に入る際、裸にせずに水着を着せたことや、女の子同士が着替えの際にお互いの胸の大きさについてあれこれ言いあうシーンがなくなったこと、などだそうで。

 私自身は本作を原作もアニメもともに観ていないのでそこらへんはよくわからんのですが、原作が連載されている漫画雑誌の読者だけをターゲットにしているならこのままでもいいけれど、もしもっと多くの視聴者を得て「覇権を目指したいなら」アニメの中にはそういう表現はないほうがいいと。そういう意味での「ノイズ」だと、そういう言い方をされていました。


 私個人はこのご意見、とても真っ当だと思うんですよね。

 ましてや原作者さんはこの方の脚本を絶賛されていて、特にご不満を漏らしたりなさっていないわけで。しかもアニメは大変人気があったそうですし。いったいどこに問題が???


 前回も書いたとおりで、結局、見る人が多い方が「財布が増える」。これは間違いのないところ。不特定多数の人に広く視聴され支持されたいのであれば、ある視聴者にとっては「ノイズ」になりうるシーンは外しておくほうがよい、という脚本家さんのご判断、間違ってないと思うのですよ。

 この講演の中では特に吉田氏は「この作品はそうしたことがテーマではないので」とも断っており、それは逆に言えば「これがエロがテーマの作品であれば敢えて外さない」ということでもあり。だったら筋が通っていると思うのですわ。


 ま、そもそもこの「ノイズ」という言葉にひっかかって「脚本家がこんなこと言うのはどうよ」「何様だよ」と「犬笛を吹いた」のは、とある小説家さん。この方、なんとなく講演そのものの記事をちゃんと読んでおられないんでは? と思いました。講演での発言の意図がまるっきり汲めていないからです。

 きちんと全体を読めば吉田氏の意図は明確です。

 いわゆる「フェミニスト叩き」や「ポリコレ叩き」みたいなことに利用される記事ではまったくないと思う。


 ……というのが、今回の騒動に対する私の意見でした~。

 それでは、今回はこのあたりで。


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