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132 作家の性別による違いについて

 

 はい、こんにちは。

 ひさしぶりに映画以外のことも書いてみようかと。よろしかったらお付き合いくださいませ~。


 最近某SNSでもちらりと話題に上っていたのが、「男性作家は女性キャラを描くのが苦手」というもの。まあ逆に「女性作家は男性の登場人物を描くのが苦手」ということもあるわけなので、このあたりはお互い様かなあ、とは思っているのですが。


 確か、昔、故・松本零士先生も「自分が描く女性キャラはガワが女性の形をしているだけで中身は男の自分」みたいなことをおっしゃっていたのだとか。そのあたりに自覚的でいらっしゃるのが、さすがと言う感じ。あまり自覚的でない作家さんも多いように思うので。

 というのも、男性の書き手さんが描く女性キャラって、しばしば「名前とガワだけが女性なだけで中身は男性そのものでしかない」っていう造形のことが多いなあと感じていて。

 どこがどのように「物足りない」と感じるのかをつらつら考えてきたのですが、ひとつ言えるのは、女性がこれまで生きてきた中で潜在的に感じるようになっている「うっすら全男性が怖い」という恐怖感情がない、という点。

 ほかにも、社会的に男尊女卑がいきわたっている世界観の場合、どんな風に虐げられているのか、どのように環境的に難しい立場にあるのか……といった部分がすっぽり抜け落ちている。……と、しばしば感じるということです、私はね。


 でもまあ、先ほども申した通りでそれは男女お互い様なわけです。

 女性も男性の生きづらさであるとか、男性同士のマウンティング合戦やリソースの奪い合いのしんどさ、嫉妬による足の引っ張り合い、それに負けたいわゆる「弱者」男性のやるせなさ……といったことを「自分ごと」として理解するのは難しいと思われるわけですし。

 SNSではだいぶ前に流行語になってしまった「弱者男性」という言葉に象徴される人たちは、女性たちからも振り向いてもらえないこともあって女性たちへのドロドロした憎しみを日々募らせているようです。最近よく起こっている通り魔やストーカーによる女性殺害事件を見ていると、どうやらそういう男性が社会の中に増えてきている傾向があるようにも思います。こうなってくるともう、社会問題ですけどね……。


 話が脱線しました。

 閑話休題。


 ほんで。

 先日ダンナとつらつら話をしていて思ったことを口に出しているうちに「そういえばそうやな~」と思ったことがありましてね。


 同じように少年・青年漫画で基本的に男性向けの作品でも、女性作家が描いたものは男性作家が描いたものより人気が出やすいように思います。それも世界的な人気作になりやすい。ハリポタやゲド戦記などを見てもそうですね。

 最近だと凄まじい勢いで興行収入を上げている映画「鬼滅の刃」もそうですし、「うる星やつら」に代表される高橋留美子先生の作品群などもそう。

 なぜか。


 あ、先に申しておきますが、これは私が勝手に考えていることですよ?

 そこは重々申し上げておきますね。


 で、なぜか。

 多分なんですけど、女性作家には「これを女性が読んだ場合に『あ、イヤだな』と思う一定の線、一定のレベル」が詳細に理解できているから、ではないかなと。

 主人公やその仲間が女性キャラに対してセクハラのようなことをやらかしていても、女性作家が書いているものには不思議ともやもやした嫌悪感が湧きにくく感じる。逆に男性作家さんのものだと、本気で「うわ、イヤやなあ」と普通に嫌悪感を覚えるものが結構あります。


 ま、別にええんです。

 だってその作品は「少年・青年向け」なわけだから。イヤだと思えば顧客にならねばいいだけ。イヤなら黙って去る。わざわざ作家に文句まで言うのはメンドクサイし、時間も労力もムダだし。まあそれでも文句言いはる向きもありますけど、私はやらない派だし。


 ほんで。

 そうやって「黙って去った」人が多いということは、当然、それだけヒットはしにくいという話にもなってくる。身も蓋もない言い方をすれば「金を出してくれる財布の数」がそれだけ減るということなわけだから。

 まず男性読者に人気があり、その上女性読者も惹きつける上、女性客がなかなか逃げていかない……ということになれば、その作品は強いですよね。ヒットするのも当然と言えば当然なわけです。


 残念ながら男性の中には、ご自分でも無意識のうちに女性を見下したり蔑視したり、差別感情を持っている人というのがおられるんですが、漫画の中にも当然、ご本人の持っているものは色濃く出て参ります。これは男女問わず、どんな形態の作品でも誤魔化しようがない。作品には「自分自身を構成してきたもの」がなんでもかんでも全部出てしまう、そういうもんです。そして女性読者はそういう微妙な「色」や「臭い」に敏感な人が多いんですよね。


 小説や漫画、アニメに限ったことでもありませんが、女性客をがっちり捕まえておける商品を作ることが、今後はヒットの鍵になっていくんではないでしょうか。

 ……と、そんなことを考えておりました。

 それでは、今回はこのあたりで。


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