130 映画「チョコレートドーナツ」
はい、こんにちは。
本日は少し古い映画です。私も、先日この映画を某SNSで紹介してくださった方があり、気になって、配信を利用しての鑑賞でした。
○「チョコレートドーナツ」(原題または英題:「Any Day Now」)
2012年製作
監督:トラビス・ファイン
脚本:トラビス・ファイン / ジョージ・アーサー・ブルーム
出演:アラン・カミング / ギャレット・ディラハント / アイザック・レイバ / フランシス・フィッシャー / グレッグ・ヘンリー / クリス・マルケイ / ドン・フランクリン / ケリー・ウィリアムズ ほか
アメリカ 97分
実話がもとになっているお話ということで、恐らくラストは重い感じなのだろうな……と思ったら案の定でした。いわゆるハッピー・エンドなお話ではないので、見る人を選ぶかとは思うのですが非常に考えさせられるテーマですし、やはりご紹介したいなと思いまして。
舞台は、同性愛に対して今以上に保守的で差別が普通に存在していた、1970年代のアメリカ。
いつかカリフォルニアで歌手になることを夢見ながら、ゲイバーのショウダンサーとして日銭を稼ぐ日々を過ごしていたルディ(トラビス・ファイン)は、そこでハンサムな男性ポールに出会って恋に落ちます。ポールは正義感が強く、世の中を変えたいという願いをもって弁護士になった人でした。つまり二人ともゲイということですね。
さて、ルディのアパートの隣に住んでいる女性がいるのですが、その一人息子はダウン症のマルコ少年でした。女性が薬物使用で逮捕され、マルコは施設へ送られるのですが、その環境に馴染めずに脱走。アパートへ帰ろうとします。それをたまたま道で見つけてしまったルディは、彼を引き取ろうとします。
その後、ルディはマルコとともにポールのアパートへ引っ越し、刑務所にいる母親からもマルコの保護者になる承諾を受けて、三人仲良く家族として暮らし始めるのでしたが……。
そこは同性愛への差別の根強いアメリカ。
二人のマルコへの深い愛情を知りながらも、周囲の人々は彼らを法的に引き離そうとしてきます。弁護士であるポールは必死にそれらと戦うことに。ルディももちろん裁判所での証言などに臨み、しばしば心無い言葉や態度に傷つけられることに。
一般的な男女の夫婦であったなら、もっとたやすく周囲の理解が得られ、反発されなかったはずのところ、彼らがひとえに「ゲイ」で「同性愛カップル」であるという一事をもって、愛する家族と引き離されてしまうという、この理不尽。
ラストは先ほども申したとおり、「そんな……」と考え込むような結末となります。
視聴者に考えてもらうための作品なので当たり前ではあるのですが、マルコの気持ちを考えるといたたまれない思いが残る、そんな作品でした。
今なら配信で観られますので、よろしかったらどうぞ。
それでは、今回はこのあたりで。




