126 小説「国宝」
はい、こんにちは。
本日は、前回予告(?)しておりました映画「国宝」の原作である小説「国宝」です。
「読む!」と決めて本屋さんへ買いにいきましたら、あのダガー賞の「ババヤガの夜」とともに平積みでいっぱい置かれていたのを見まして。「そりゃそうや。そりゃそうやー!」って勝手に嬉しくなってました(笑)。
○「国宝」上・下巻
吉田修一・著 / 朝日新聞出版(2021)
もちろんこの初版年は文庫としてなので、単行本としては2018年ですね。
わたくしが手にした版ではすでに2025年8月、第16刷なんですが、まだまだ増刷を重ねているとの由。もともと書店員さんたちの間ではずっと前から評判になっていた作品らしいのですが、やはり映画の影響は凄まじいものがあるようです。
さてさて。
拝読して……っていやいや、ほぼ一気読みですよ!
本当にすごい。凄い作品としか言いようがないです。
ただ映画を観てすでに思っていましたが、男女のアレコレも具体的ではないにしても赤裸々に描かれている作品のため、決して未成年向けとはいえない感じなので「学校図書館には……置けない、かなあ」ということで「司書ばなし」の方ではなくこちらでご紹介とあいなったわけです。
ストーリーの流れとしては基本的に映画のほうでご紹介したのと同じですので割愛しますね。
読んでみてまず思ったのは、「面白い文体やなあ」ということ。「です・ます」というか「~なのでございます」みたいな文体なのですよね。こう、物語を直接口で語られているような感覚。そこがこう、登場人物の人生が歌舞伎の物語ともリンクしてきて、次第に心地よくなっていくんです。これは不思議な感覚でした。
さらに「よくこれだけの内容を、たとえ3時間とはいえ一本の映画にまとめたなあ……」ということ。正直、これホンマ大変やったと思います。自分がこれを任されたら頭抱えてたと思う、マジで。
まあ、それだけ主役以外の登場人物の背景やなんかはかなり思い切ってそぎ落とされていましたので、女性たちや徳次くんのことがもっと知りたいかたはぜひとも、原作本をお読みいただきたいところです。
一般的に、映像化された作品を先に観てから原作を読むと「ふーん、なるほどね」みたいな感じになることが多いとは言われるわけですが、この作品に限ってはまた新たな感動がありましたし、「ものすごく得した感覚」がありました! それだけ、脇にいる人々の裏話をきちんと見せてもらえたという感じがあるわけです。歌舞伎の物語も丁寧な説明が入っていてわかりやすいですし、ストーリーの流れとしても、映画ではかなり変更されていた部分もありましたしね。
文庫で上下巻、合計で800ページほどの作品ですが、非常に読みやすいのであっという間に読み通してしまいました。読んで損のない作品だと思います。
よろしかったらどうぞ!
ではでは、今回はこのあたりで。




