105 作品と作者の性別
こんにちは。
本日はこの話題。
今回もまた、つい最近SNSで話題になっていたことからです。
今回は、とある同人誌からはじまったお話でした。
概要を説明しますと、このところアニメ映画がものすごい勢いで人気になっていた某作品の二次創作の同人誌を販売する、同人誌即売会が催されたそうで。
その同人誌の内容としては、原作では友情であるものが男性同士の愛を妄想として描くタイプのやつ……だと思われます。はい、私も身に覚えがあるので、このこと自体まったくなんとも思わないわけなんですが(笑)。
その同人誌について、購入した女性のひとりが作者さんあてにこんなコメントをしたそうです。
「同人誌はとても面白かった。でも売り場にいたのは〇〇さんでしたよね? 男性だとは知らずショックを受けました。女性向けの同人誌は、男性に描かれるのも読まれるのもいやだという女性が多いです。だからもっと性別をわかりやすくしてもらうか、または逆に性別をわからなくしてもらうなど工夫してほしい」
大体こんな感じかな……。
SNSでは「なんで作品と性別が関係あるねん」と、作者さまに同情的なご意見が多数。
わたし個人もそれはまったく同意見です。
そもそもBLやブロマンス作品を書く男性のかたって、実はけっこうおられますしね。
コメント主の女性がそういう状況をよくご存じでなかったのだろうと思われます。
作品と作者の性別については、よく例にあがるのが少年漫画をかく女性漫画家さんたちの存在。
あれも、ペンネームでは性別がよくわからなかったものが、女性とわかったとたんに「思ったとおりだ、だから面白くなかったんだな」などと嬉々としてクサす男性によるコメントが見られ始めて「サイテーやなー」と思ったことがあるのですが。
そもそものお話、件の同人誌については、この原作をかいているマンガ家さんが男性のかただし、昔からある作品ということでもともとのファンは男性の方が多いだろうと思われるものなのです。
それを題材にBL同人誌を書いたのが男性だからって、そこまで目くじら立てるのっていったいどういう了見なのだろう。
それは、あまりにも書き手さんに対する「私たちに対して配慮してよ」の要求が高すぎるとは言えないだろうか。
それにそもそも、なんですが、こちら「なろう」でもそうであるように、作品を「男性向け」「女性向け」みたいに分けることも、もはや今の時代ではナンセンスと言えるのかもしれない……とまで思います。
「男性向け」とされる作品が好きな女性はたくさんいるし、その逆も然り。「男性向け」の作品の中には女性から毛嫌いされる表現のものも多数あるとはいえ、それは事実ですからね。
BLも、いわゆる女性をターゲットにしたものとゲイの人たちをターゲットにしたものがあって、多様になってきていますし、BLを好む男性、そして書く男性もけっこうな数でおられるというのが現実です。
そんな中「女性に配慮してくれ」はちょっとやりすぎ。
あ、でもですよ。
実は同人誌即売会では、「女性向けジャンル」のところ、しかもBLの特にR18作品なんかを頒布しているブースへやってきて、書き手や売り子の女性に対してニヤニヤしてみたり卑猥な言葉を浴びせたり……というセクハラまがいのことをする不届きな男性というのが一定数いるそうなんですよね。
女性たちがそういうのを警戒する気持ちはわかる。
そういうのはまあ論外だとしての話ですが、作品とその作者の性別を特に紐づけて考えすぎるのはいかがなものか……と私個人としてはそう思います。
今回の件では、同人誌につけていたQRコードを通じてはじめてもらったコメントがそれだったそうで、もう作者さんが気の毒としかいいようがありませんでした……。
でもなんかわかる。
私も経験ありますもん。
実は嬉々としてコメントしてくる人って、文句を言いたい人や嫌がらせをしたい人のほうがはるかに多いのですよね。
感想を書くって一般的な読者にしてみたらかなり面倒なことでしょうし、好意的な人ほどわりと静かに見守ってくださって読みつづけてくださっているだけで。まさにサイレントマジョリティ。
そんな中、わざわざやかましく騒ぎ立てようとするのは「文句を言いたい!」というモチベーションが高いから。そういう負の欲望に裏打ちされているから……というのは、なんか理解できる気がします。
作者のためじゃなくて、あくまでも「自分の欲望を満たすため、発散するため」なんですよね、ああいう人たちって。まあご本人は「作者のため、作品のためにわざわざ時間を使って言ってやってるんだ」とのたまうかもしれませんが。
と、ちょっと今回は毒を吐いちゃったかもしれません。
ははは、すみません。
ではでは~。




