表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女の異世界奮闘記  作者: 羊洋士
エピローグ
41/44

勝利の宴

レオニールを破り、大事を一つ終える。

「勝利だ!!」


誰かが高らかに叫んだ。

敵の進行を食い止め、敵将を打ちとったマリア軍はそれぞれが宴をやっている。

勝利の宴だ。

生き残りの兵達はその生を喜び、また死んでいった兵達の分まで騒ぐ。

酔った兵達は叫び、踊り、語り合っていた。

木材で組み上げた土台に火を放ち、大きな炎を作り、その周りで大声で叫びまわている。


「姫様。よくやった」


そう語るのはガイウスだ。

ガイウスは酒で赤くなった顔をして、マリアに話しかけた。


「ありがとうガイウス。貴方もよくやってくれたわ」


マリアは笑みを浮かべてそう答えた。


「俺は今回は何も出来なかった。自分の力不足が悔しくてなぁ」


「そんなことないわ。私の我儘をよく聞いてくれたし、よく熟してくれたじゃない!」


「そもそも騎士とは、己が先頭に立ち兵を導く事が仕事だ。それを持って騎侯士の望みを叶える事。だが、今回は姫自身を先頭に立たせてしまった」


ガイウスが静かに言った。

それをみたアルマンが口を挟む。


「確かに。俺らは正直楽勝だった。一番大変だったのは姫とその兵だ」


「ガイウスとアルマンが居なければ出来なかったことよ」


ガイウスとアルマンが居なければどうしようもなかった。

それは事実だとマリアは実感していた。

例えば、彼らがマリアを見捨てていたら、私はここには居ないだろう。

そのリスクは勿論あった。

マリアは新参の騎侯士といっても過言ではない。

それは本物のマリアも含む。

騎士と兵の信用がないのだ。

だが、2人は答えてくれた。

敵の殲滅をやってくれた。

だから勝てた。


「それでも、あんなこと考えても、実行する奴は少ないだろ」


そう言ってアルマンは大声で笑った。


「ええ、危なかったわ」


結果を見ればこちらの消耗は少ないが、一瞬一瞬が命がけの戦いだ。

逆の結末になっていてもおかしくはない。


「でも、それでも勝てた。だからそれを肴にして呑みましょう?」


ガイウスとアルマンは姫のその言葉に同意した。

そして3人は乾杯をして、酒を煽った。

冷えた酒は熱くなった喉に流れ込む。

まだ、勝戦のムードが冷め切っていない。

嬉しい気持ちがまだ続いているのだとマリアは感じていた。


「そういえば、シオンはどこにいるんだ?」


アルマンが問うてきた。


「さぁ?でも彼女。こういう席は苦手だって言ってたわ」


「そうか。残念だな・・・」


アルマンはそう言って落ち込んだ。

そして、自分の兵のもとへ酒を持って、歩いていく。


「おーーい!!呑むぞーーー!!」


「おおおおお!!」


アルマンは自分の兵と宴を始めた。

その声は、ともすれば戦場での雄叫びより大きいかもしれなかった。

それを見てマリアは笑った。


「ふふ。楽しそうね」


「アルマンも不安であっただろうな」


「そうね。信用出来ない将の下ってのは、彼にとっては耐え難い事だったでしょうね」


マリアが言った台詞をガイウスが否定した。


「そうではない。あんな作戦を騎侯士本人やらせるのは、騎士としては恥なのだ。今回は必要があったとはいえな・・・」


「まぁ上手く行ったからいいじゃない。今度だって上手くやるわ」


ガイウスは静かに笑った。

ガイウスは酔が入ると静かになるようだ。


「今はそれでいいだろうな」


そう言ってガイウスも兵達のもとへ酒を持って歩いていく。


「今日は宴だ!!存分に騒げ!!」


「おう!!」


ガイウスも彼自身とマリアの兵を囲んで酒を飲み始めた。

マリアはそれを見てため息を一つ。

そして声を発した。


「貴女はどうするの?シオン」


マリアはそう声をかけると、シオンは後ろからマリアの後ろから登場する。


「はは。私はいいさね。苦手なんだよ。こういうの」


「でも、貴女も部下がほしいなら、こういうことも出来なきゃね」


「覚えてくれていたとは嬉しいね」


そう言って、マリアの隣は近づいて座った。


「姫様はよくやったよ」


「マリアでいいわ。様も何も付けないでくれると嬉しいわ」


「マリアと呼び捨てにしろってのかい?いいのかい?」


「2人で話す時はそうしてもらったほうが私も気が楽なの?ダメ?」


「まぁいいさね。じゃあマリア。よく勝てたねぇ」


「貴女がいなければ出来なかったわよ。最初でいきなり死んでたのではないかしら?」


「はは!英雄には剣は通用しないってジンクス知ってるかい?」


「なにそれ?」


「将の資質が本当にあるものなら、死ぬべき所でしか死なない。それ以外では絶対死なない。そういう意味さ」


「そんな事あるの?」


「あるじゃないか!戦場での姫様がまさにそれだったと思うよ。私はね」


「私はそんな資質ないわよ」


「私もわからないさ。ふふ」


シオンはそう言って笑った。

そして問う。


「これからどうするつもり?」


「そうね。戦後処理というなら、王に謁見して、報告するわ」


「そうか・・・。まぁ大丈夫かい?」


「そうね懸念があるとしたら・・・。シオンが付いてきてくれると無いかな」


「は?どうしてそうなるのさ?」


「それは私は貴女に命を預けられるからよ」


そう言ってマリアはシオンに笑いかける。

それを見たシオンはため息をついた。


「はぁ。やっぱ王族は変わってる。いきなりそこまで信用できるもんかね?」


そのため息を付いたあとのシオンは、笑みを唇に浮かべていた。

エピローグ開始します。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ