終戦
包囲するマリア軍。それになすすべなく倒れゆくレオニール達。そんななかでレオニールは剣を握る。己の誇りの為に。
レオニールは自陣が崩れいていくのが分かった。
だが、どうすることも出来なかった。
3方向からの攻撃に完全に嵌ってしまったのだ。
味方がどんどん敵に食われていく。
戦が動く時は、一気に動く。
負け始めたならもう、次の瞬間には全滅だってありえる。
今回は敵の作戦にまんまと嵌ってしまったため、これより先はもうやられるだけだ。
だから、レオニールは叫んだ。
「退け!!」
レオニールが敗北を察して撤退を命じる。
だが、それは敵の予想の範疇だった。
退却する味方の進行方向にはもう敵が回り込んでいる。
初戦の人数差はこちらが倍だったのに・・・。
レオニールは自分の失策を悔やまずには居られなかった。
無理に敵を追わなけれければ!!
「押せ押せ!!1人も逃がすな!!」
「ここで決着をつけろ!!」
敵の大隊を統べる2人の将が叫んでいる。
それに応える何千という雄叫びはこちらの兵達の心を揺さぶる。
そして次々と味方が倒れていく。
「敵将が見えたぞ!!」
ついにレオニールまで敵が迫る。
周りの兵たちは逃げることに必死でパニックになっている。
その中で、レオニールは剣を抜いき。剣を握る手に力を入れた。
レオニールの直前に敵の槍が迫る。
もう味方のほとんどはレオニールの通りすぎて後方へ。
レオニールは1人で立っている。
ここで命尽きるまで戦うのが我の誇り!!
敵兵の槍が迫る。
レオニールはその槍を剣で払う。
何十にも及ぶ槍が一気に払われた。
そして突進。
目指すは目前に迫るマリアだ。
「うらららららら!!」
敵陣を突破する。
「大将!!」
後方にいるレオニールの味方がレオニールに呼びかけた。
レオニールの口元には笑みを浮べている。
敵の槍を弾きながら走りだす。
剣で前方を薙ぎ、突進する。
「させるものか!!」
ガイウスはレオニールの進行方向に割り込む。
そして剣を構えて切りかかった。
剣を振り下ろすガイウスに対してレオニールは一つ吠えた。
「うらぁ!!」
ガイウスの剣を思い切り弾くと、肩から突進を掛けた。
勢いのまま突進されたガイウスは吹き飛ばされる。
そして、マリアとガイウスの間には殆ど兵は居なかった。
「構え!!」
マリアがそう叫ぶのをレオニールは聞いた。
見ると、マリアは弓兵を何十人も従え、レオニールに向かって矢を向けていた。
「放て!!」
複数の矢がレオニールに向かって走る。
レオニールは足を止め、剣で矢と叩き落とそうと構える。
「おらぁ!!」
剣を振るい、矢を叩き落とす。
だが、矢は何十にも及ぶ矢全てを叩き落とすことは出来なかった。
矢が数本レオニールに突き刺さる。
「ハハッ」
レオニールは数本の矢が刺さって状態で笑った。
そしてマリアに向かって走りだす。
「うらぁぁぁぁ!!」
弓兵は次の矢を射る準備をした。
だが、それよりも早くレオニールはマリアに到達する。
レオニールの剣がマリアを切り裂こうとした瞬間にマリアが小さく呟いた。
「シン。貴方今までどこにいたのよ」
次の瞬間、レオニールは自分の体の違和感を感じる。
血が吹き出し、体が言うことを聞かない。
「な・・・んだ・・・?」
レオニールは疑問を口にしようとしたが上手く言葉が出せない。
そして知った。
自分の首元が切り裂かれ、大量に出血していることに。
「私は常に貴方の傍に居ました」
レオニールは膝をついた。
「ふぅーふぅー」
そしてあらい鼻息のままマリアを見上げる。
マリアはそのままレオニールを見下ろした。
この出血ではもう助からないだろうと思う。
だから命じた。
「殺しなさい」
そうして兵達はレオニールに槍を突き立てた。
5本、10本と突き刺されても、レオニールの瞳の灯は消えていない。
突き立てられた槍を引き抜こうと、手を掛けた。
「ぐふっ。楽し・・・かった・・・ぞ」
そう言ってレオニールは動きを止める。
槍に手を掛けて引きぬく動作のまま、レオニールは絶命した。
「恐ろしいわね」
マリアは独り言を呟いた。
そして次の言葉は言うべき台詞だ。
「この戦!!我が軍の勝利なり!!」
「おおおおお!!」
兵達はマリアの言葉に叫び声で返した。
そうしてこの戦場は幕を閉じた。
戦場パート終了です。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
マリアの使う戦法は、"捨て奸"と"釣り野伏せ"です。
なんと、マリアは島津出身だったようです(嘘)
内容の要約をすると、マリアがハイテンションで戦いを挑んでいったらやっぱり駄目だったから即効で逃げて、なんやかんやで作戦通りに進めたらレオニールもテンション上っていって昇天したというお話。




