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少女の異世界奮闘記  作者: 羊洋士
第二部 下 ~開戦~
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戦場の華

初戦はマリアが虚をレオニールの軍を崩す。それがどこまで通じるだろうか?

マリアは最初の1人を切り捨てた後、次にのものに向かう。


「はぁぁぁぁ!!」


まだ突進というアドバンテージがあるこの状況ではマリアは戦場で戦えている。

マリアは武術を初めてまだ浅い。

以前はその必要すらなかったからだ。

だが、今は必要になってしまった。

師は確かに熟練の戦士だったが、マリア自身は仕事の合間での研鑽だったため時間が取れなかった。

マリアの力量は並には僅かに届かないレベル。

だから、戦闘に置いては常に有利になるようにして置かなければならなかった。

マリアは2人目の兵士に向かって走る。

敵も味方も目の前のものに集中している。

初めの一撃は成功といってもいい。

ほぼ奇襲に近いことが出来たからだ。

次はその成功を続ける。

2人目はマリアが走り寄る事を見ると、慌てて剣を振りかぶる。


「あああああ!!」


叫びとともに剣を振り下ろす。

対してマリアは走ってた己の身にブレーキを掛けた。

そして振り下ろされる剣の軌道を見る。

マリアが行った行為は回避。

敵の剣の軌道から見て斜め後ろに体を引く。

剣が迫る。

一歩体を引き終わると次は前方に向かってダッシュ。

振り下ろされる敵の剣を避け、敵を回りこむ。

敵は振り下ろしの剣を外し、体勢が崩れいている。

そこにマリアが剣を走らせる。

下から掬い上げるように放たれる剣撃の軌道は敵の首元。

敵の首元は甲冑と兜の隙間であるため、肌が露出していた。

そこにマリアが剣を振りぬく。

敵は首を撥ねられて、倒れこむ。

そこで味方の隊をまとめる男が叫ぶ。


「姫様に続け!!」


「おおおおお!!」


味方がその進撃を加速させる。

姫の切り開く道に続いて。

レオニールの軍勢はマリア達の進撃に腰を退かせていた。

そこにレオニールが叱責をした。


「臆するな!!敵は我らより数が少ない!!開戦のハッタリなど力で押し潰せ!!」


レオニールの軍勢はその言葉でまた闘士を取り戻した。


「うおおおおお!!」


レオニール軍も雄叫びを上げる。

数での優勢は変わらない。

それは覆し難い差だ。

マリアは覆し難い差の事はたしかに知っている。

勢いと奇襲だけでひっくり返せるほどではない。

だが、前に進まねばならない。

だからという様に叫んだ。


「敵将がみえるぞ!!進めー!!」


味方が闘志を新たにする。


「最弱の姫とはただの噂だったか」


レオニールはそう呟いた。

声は小さかったが、レオニールに迫るマリアにはそれが聞こえる。

そうではない。

と心のなかでは思う。

私は今でも弱い女の子のままだ。

だけれど、やらなければならない事がある。

それは私にしか出来ないと言えるほどの事ではない。

本当は本物のマリアがやらなければならなったこと。

領地を守り、人を導くこと。

それは私にとっては今でも英雄の夢物語でしかない。

ただ、マリアはその夢物語を現実と思い込んで戦っているだけなのだ。

でも、ここまで来た。

それは私一人では出来なかったことだ。

いつも1人で、父役のアリスティアの王でさえ私には冷たくした。

所詮本物ではないからだ。

だが、偽物の姫であっても周りが本物と信じるならばやれることはある。

この戦いに勝ち、領地を守るのだ。

その想いが、義務感なのか義侠心なのかはマリアにしてもわからない。

だから、今は考えないことにしている。

その迷いが剣先を鈍らせないように。


「レオニィィル!!」


マリアは敵将を捉えた。

レオニールは悠然と構えていた。


「来い!!」


レオニールが剣を構える。

綺羅びやかな装飾剣のようだが、それは見た目だけで中身はただの人を殺す道具でしか無い。

レオニールは猛将だった。

彼の大きな体は、どのような状況であっても敵を威圧し、竦ませた。

その上彼自身も相当な剣の名手だ。

その豪腕と迫力に叶うものはそうはいない。

だが、マリアはレオニールに向かってく。


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