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人間ってある程度歳をとったら年齢に対して敏感になるよね。特に四十近い女性とか。

 いや、別に誰か特定の人の事を言っている訳ではありませんよ?

 「まっったく!

 穏便に事を収拾するって事を知らないの?

 せっかく、この、あたしが、直々に、叩き込んだ事を、なんにも生かせていないじゃない!

 何をどうやったら殿様を縛り上げるなんて状況になるの?」


 正座をした風兎の前には仁王立ちした二三がいる。


 「いやぁ、何でだろうね。

 予想外の方向へとどんどん勝手に進んでいくんだから人生って不思議だ」

 「今はそんな哲学的なことは聞いていない」


 ぴしゃりと言い放たれた。


 「今回は偶々燎次がいたから何とか誤魔化せたけど、いつもいるとは限らないのよ?

 燎次がいなかったらどうするつもりだったのかしらぁ?」

 「仮定の出来事については考えない」

 「ちったぁ考えろ」

 「すいませんでした!」


 うん、何か黒い物が二三の後に見えた。


 でもなー、あの殿様、いや、馬鹿殿の行動は流石に寛容な私でもイラッとくる位は限度を越してたので思わずオルゴールの『ジスナ』機能を使ってしまった。

 『ジスナ』と言っても偽の方だが。


 大分最初の方にちょこっと出ただけでお忘れの皆さまも多いだろうが『ジスナ』とは風兎が作った五感体験型再生機の事である。

 伊予を助ける時や、燎次をからかう時に使った機能だ。


 『ジスナ』は簡単に言うとヘルメットを使わないVRMMOの様な物だ。

 普通ならスパコンを何台も使わなければならないのだが風兎は、ゲームではなくあくまでも映像再生機として使用するので削れるところは削り、縮小できるところは縮小しを繰り返した結果オルゴールサイズ間での縮小に成功した。


 さて、『偽ジスナ』だが、これはジスナであってジスナではない。

 『ジスナ』は映像に干渉できるが『偽ジスナ』は干渉できない。

 例えるなら主人公視線の3D映画を見るような物だ。


 縮小したが、消費電力は多い。

 オルゴールにいくらソーラーパネルがついていようが満タンにするには時間がかかるので溜まるよりも消費の方が多かった。

 今の残量だとせいぜい後一回使える位だろう。


 とりあえず二三が怖いので弁解する。


 「で、でも、これでこの格好で出てももう殿様に変な事される心配はなくなったぞ?

 さっきの映像通りになるかもしれないという疑心暗鬼に陥ると思うから」

 「そう言うことじゃない!

 えーぞー?か何かしらないけど、あんまり人前であの手の術を使うんじゃないの!

 あそこまで高度な幻術を使えるのは中々いないんだから下手に目を付けられたらどうするのよぅ」

 「幻術……?」


 いや、あれは映像再生機なのだが。


 「とにかく、燎次が誤魔化してくれたから良かったけどもう一度出るときはくれぐれも大人しく!大人しくするのよ?」


 大事な事だから二回言いました的なあれか。


 「分かってるよ。

 みんなを危険な目に合わせたくないし」

 「分かってねぇじゃん」


 後から突然声を掛けられてびくっと体が震えた。

 振り返ると燎次がいた。


 「二三が言いたいのはお前に危険な目に合って欲しくないってことだ。

 俺らの事なんて二の次で良いんだよ」

 「いや、流石にそれはちょっと……」


 良いよどむと燎次が胸を張って自信満々に言い放った。


 「大丈夫だ。

 少なくともそんじょそこらの奴には負けない自信があるから」

 「そうよぅ。

 あまりなめて貰っちゃあ困るわぁ」

 「…………その自信は一体どこから……」

 「経験よ!」


 声高に二三は言った。


 「まぁ、伊達に歳喰っちゃイテテテッ!」

 「それ以上言ってみろ、二度と喋れなくなると思え」


 あ、うん。

 とりあえず二三に歳の話は禁句だと言うことが分かった。


 歳についてこんなに敏感になるってことは見た目と違って意外と


 「何か言った?」

 「ナニモイッテマセン!」


 これ以上考えるのは危険だと察知し、そそくさと殿様のいる部屋へと向かった。



 しばらく他の話の手直し期間に入ります。

 この間まさかの一話抜けを発見したので(汗)

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