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40話近くまできているが実は時間軸はトリップして2週間程度しか経っていない件について

 とりあえず早く時間を進めなければ(汗)

 「風兎さん、明日は公演は全てお休みじゃ。

 その代わり城に行くぞい」

 「え、城?」


 燎次に奇妙なアドバイスを貰った後、伯田呉汰にこう言われた。


 「そうじゃ、この近くに椿城と呼ばれている小さな城があるんじゃがそこの殿様がお主をお呼びじゃ」

 「殿様!」


 吹き出しそうになるのを咳払いで誤魔化す。

 伯田に怪訝そうな顔をされるが気にしない。

 だって殿様だよ?殿様。

 頭の中にはアイーンと白粉を塗った殿様が出現している。


 「何分突然じゃからとりあえず今から失礼の無いように必要最低限の礼儀作法を叩き込む。

 二三、頼んだぞ」

 「お任せ下さい、座長」


 そう言って綺麗な礼をしたのはこれまた綺麗な女の人だった。

 何か見覚えがあるなぁと思ったらこの人、最初に見た劇で主役をやっていた人だ。

 泣き黒子がセクシーだ。


 「よろしくね」

 「はい、こちらこそお手柔らかにお願いします」


 お互いにお辞儀をし合う。


 「じゃあ、頼んだ」


 そう、伯田が言って部屋を出ていった途端、二三が纏っていた雰囲気がガラッと変わった。

 何て言うかこう、人当たりの良い柔らかい雰囲気が触ったら火傷しそうな苛烈な雰囲気に。


 「じゃあ、とっとと始めるわよ。

 目標は半刻!それを過ぎる毎にお仕置きするからヨロシク!」

 「お仕置き?」

 「そ、オ・シ・オ・キ♪

 例えば………アンタの大切なお菓子をあたしが食べる、とか」

 「なっ………!」


 思わずポケットを押さえる。

 何だその地味且つ的確な嫌がらせは!?


 「ふ、既に人質は我が手中」

 「いつの間に!?」


 そう言った二三の手にはホームランチョコバーが。

 しかも残りの五本全てだ。


 「いやぁ、楽しみねぇ。

 燎次に美味しいって聞いたけど一体どんな味なのかしら?」


 ニヤリッと笑う二三の笑顔が怖い。


 「く、やってやるよ!

 何よりも大切な物の為に!!」

 「………その台詞はもっと別の場面で使うべきだと思うわよ?」


 こうして、スパルタ教育が始まった。




 「………うん、何とか及第点ってところかしらね?………チッ」

 「じゃあ、お菓子返して下さい」


 二三のスパルタ行儀作法レッスンは、彼女の宣告通り半刻で終わらせる事ができた。

 ホームランチョコバーの為に私は死ぬもの狂いで頑張って死守した。

 まぁ、彼女には舌打ちされたが。


 実を言うと、礼儀作法は和洋中全てを親には叩き込まれていた。

 だからちょっと舐めていた。

 簡単に言うとあれだ。

 昔と今は違うってことだ。

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