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アブロード  作者: 大鳥椎名
第一部 逃避行
10/31

エピローグ アナザーエピソード『ヴェクナスとレミーアⅡ』


「――と、今日はここまで」


「えっ?」

「続きはまた今度。日が暮れちゃうでしょ」


 そう言ってレミーアは砂の日除けをさっさと片付けてしまった。ヴェクナスに楽をさせないためだ。

 崩れ落ちてきた砂を吸い込んでしまったヴェクナスは、また少し咳き込んだ。


「さあ出発よ! 日が暮れる前に次の国まで行くのよ。今日中の入国許可証が必要なんだから!」


 強引にヴェクナスの腕が引っ張られ、無理やりではあったが立ち上がった。


「どうして?」


 ヴェクナスが言い終わるのがわずかに早かったか、レミーアは大陸の地図を広げた。

 内陸のやや南東を示した、手書きの印を指差してヴェクナスに見せる。


「ここから一番近い国の名前は『カラムト』。今の話に出てきた盗賊の国よ。私がなんで今こんな話をしたと思う?」


 ヴェクナスは考える。

 やがて入国許可証という単語を頭に浮かべたとたん、ひらめいた。


「あ!」

「そういうこと。旅をするにしても資金が無くちゃ話にならないでしょ? だからこれから稼ぎに行くのよ。一位は私で、二位がヴェクナス。優勝賞品を総なめよ! 予選開始は明日だから」


 そう言ってレミーアは足を動かした。

 ヴェクナスは身体を震わせて叫びだす。


「や、やだよぉ。きっと刃物とか使ってくる人たくさんいるよぉ。だからレミーア、予選の話飛ばしたんだぁ!」

「さあね。それはどうかしら」


 レミーアは足を止める気配を見せない。


「絶対、嫌だからね!」


 ヴェクナスの声量が徐々に上がっていく。

 それは二人の距離が長くなるにつれて格段に増していった。


「それだったら置いてく。じゃあね」

「え!? え!?」


 困り果てたヴェクナスは、ひとまず走った。

 今度は転ばぬよう気をつけながら。


「待ってよぉ、レミーア!」



 後ほど活動報告にも挙げるつもりですが、次回からは4、5日置きくらいの更新にしようと思います。

 何かしらのインターバルを挟んでから、また長編に入る予定です。


 ここまで読んでいただいた方には、感謝するばかりです。

 小説家になろうの流行に真っ向から逆らった作品ですが、そして作者はまだまだ未熟者ですが、また目を通していただけたら嬉しいです。


 余談ですが、ヴェクナスは二位の商品が何も無いことに気づいて、直前に出場を拒否したそうです。

 結局レミーアが一人勝ちして、旅の資金にしたんだとか。


 2013/01/29地の文を加筆

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